- q_moonside
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ーーーそこは「ターミナル」と呼ばれる施設から、異世界からの来訪者がやってくる世界。この世界は、かつて来訪者との戦乱があり、その傷跡が未だに街に残る。
2012-09-25 22:04:20だが、やがて来訪者と友好的な関係を築き、今はターミナルからやってくる一部の厄介者のいざこざ以外は、平穏無事なものであった。ーーーあの「箱」がくるまでは。
2012-09-25 22:04:29「箱」は突如として湧いた。世界中の各地に。そして、そこから湧き出る異形の魔物が人々を、来訪者を襲う。 来訪者との違い?意思が通じるか否かだ。そう揶揄され、無用な諍いが新たに生まれる事となった。
2012-09-25 22:04:34しかし、それでも手を取り合い、「箱」は次々に破壊され、最後の一つが残った。 最後の「箱」は、他と違い、箱の大きさを遥かに超える深さの螺旋状の穴があいていた。
2012-09-25 22:04:38また、そこにすむ異形は「箱」に入ろうとしない限り、そこから出ようとせず、危害を加えてくる事はなかった。また、螺旋状の穴を下り続けて行くと、頭痛が止まず、最奥への到達は不可能に思えた。
2012-09-25 22:04:44今まで箱を破壊してきた者の一人である女性が言った。 「これには手を出さなくてもいい」 危害を加えてこないのだから、放っておこう、と 対して、共に戦った男は言う。 「いや、あんなもの放っておくわけにはいかない」
2012-09-25 22:04:48ーーーやがて、しばらくして。 世界で、誰かが眠りについた。 それはいつもの通り、夜に眠り、朝に目覚めるはずの普通の眠り。 けれど、目覚めない。いつまで経っても、どれだけ経っても目覚めない。
2012-09-25 22:04:58少しづつ増えていく覚めない眠り。時には突然眠りに落ち、そのまま目覚めないものすらいた。 その眠りは、かつて箱を破壊してきた彼らの中にも襲われるものがいた。
2012-09-25 22:05:03男は言う。 「原因はあの箱だ。やはりあの箱は破壊しなければならない」 女は悩む。 あの時箱を壊しにいけば、この事態は防げたのか。そもそも、本当にこれは箱が原因なのか。
2012-09-25 22:05:09そしてついに、二人は決心する。箱の中に入り、その中心に辿り着く事を。何人かの仲間を連れ、最早誰もが深い眠りについた、この世界を救うために。
2012-09-25 22:05:13ーーー箱の中で待つ者がいる。 それは主でもなく、元より住まうものでもなく。戦いで、螺旋に落とされ、壊れた男が。 ーーー来訪者達への復讐の機会を、箱の中で待つ。
2012-09-25 22:05:17