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2012年9月29日

片岡Kさん、踊るFINALを語る

踊る大捜査線FINAL、恩田すみれさんの扱いがどうしても納得いかないと思っていたら、スパッと紐解いてくださってました。
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片岡K @kataoka_k

「踊る大捜査線ファイナル」を見た感想を書く。本気でこの映画の欠陥部分を語り出したら何十回というツイートを続けることになるだろう。正直それぐらい酷い出来だった。とりあえず今回はどう好意的に解釈しても「映画作品として許せない」と感じた部分に絞って書こう。観る予定の方はネタバレに注意。

2012-09-28 19:35:55
片岡K @kataoka_k

「踊る大捜査線ファイナル」を見た感想を書く。本気でこの映画の欠陥部分を語り出したら何十回というツイートを続けることになるだろう。正直それぐらい酷い出来だった。とりあえず今回はどう好意的に解釈しても「映画作品として許せない」と感じた部分に絞って書こう。観る予定の方はネタバレに注意。

2012-09-28 19:35:55
片岡K @kataoka_k

ボクは「踊る大捜査線」のファンでも信者でもないが、人々を熱狂させたテレビシリーズの完成度、特にキャラ設定などドラマツルギーの部分でこの作品を非常に高く評価している。さらには映画第一作目を興行的にも大成功させたことは映画界にとってもテレビ界にとっても実に素晴らしいことだったと思う。

2012-09-28 19:36:12
片岡K @kataoka_k

前にも書いたが、本広監督はもともとボクと似た境遇で深夜番組を作っていた同世代で、お互いに知っている仲だ。テレビ出身監督の悪口はよく聞くが(笑)彼だけは例外だったし、踊るをヒットさせた後も変わらぬ人柄や突然舞台演出に挑戦したりする姿勢にも共感していた。彼が誰よりも優れている点は──

2012-09-28 19:36:26
片岡K @kataoka_k

観る者を飽きさせない表現力、文章で言えば筆力みたいな演出力だ。以前にもツイートしたが、映像作品に作り手の作家性を打ち出すことは案外難しいことではなく、お客を一人も置いていかずに完成度の高い娯楽作品に仕上げることの方がはるかに難易度が高い。本広君はそれが出来る監督で、だからスゴイ。

2012-09-28 19:37:53
片岡K @kataoka_k

もっと監督目線の深い話をすれば、テクニックの引き出しの多さと使い方にもよく驚かされたな。ハリウッド作品などを見て新たな撮影術を発見しすぐに真似してみようとするととっくの昔に本広君が最も効果的な場面で使ってた!なんてケースは一度や二度ではない。例えばステディカムを使ったカットね。

2012-09-28 19:38:34
片岡K @kataoka_k

そう、ここで突然「踊るFINAL」の話に入るが、この映画で異常なまでに繰り返し使われているのは、ステディカムによるワンカット押し。湾岸署内を歩く登場人物を追いかけて進み、人と出会えば回り込み、踵を返せば後ずさる。近年ハリウッドが飽き飽きするほど多用する手法が徹底的に使われている。

2012-09-28 19:39:42
片岡K @kataoka_k

それを多用する理由はただひとつ。ストーリー的には大きな緊張感がないシーンでも観る客を無理矢理感情移入させることが可能だから。画角を登場人物と一体にして動かし続けることで、特にドキドキしない場面でも客をハラハラさせることが出来る。かつハンディのように絵が揺れないので酔う客もいない。

2012-09-28 19:40:40
片岡K @kataoka_k

難点はカメラの使用料がすごく高額なこと。ワンカット撮るだけで申し訳なくなるぐらいカメラマンの体力を消耗してしまうこと。他にも照明セッティングが数倍複雑になるくせに女性を美しく撮れないこと、エキストラたちにも役者同様の演技力を要求する点などが欠点だが、稼ぐ映画には屁でもないワケだ。

2012-09-28 19:41:32
片岡K @kataoka_k

言うならばこの手法、前半に吐きたくなるほど多用され続ける映像は、金はかかるが監督の力が至らぬ映画の欠点を綺麗に覆い隠してくれる「禁断のテクニック」。頼り切るのも当然だよ。刑事が事件を解決する映画の前半部分に、一体どんな緊迫感のある事件が起こったのか。ほとんど何もないんだから。

2012-09-28 19:42:38
片岡K @kataoka_k

唐揚げ屋に扮した湾岸署の刑事たちが小さな事件を解決しタイトルが出るまでが、一番面白い。そこから先、登場人物は特に重要な局面に衝突しないし、葛藤もしない。警察官僚たちが集まり「何だか全然わからないけど、何かを隠ぺいする」というやりとりを見せただけで、誰が乗り越える壁もないのだ。

2012-09-28 19:43:44
片岡K @kataoka_k

その中で壁らしき壁、葛藤らしき葛藤と言えば、本題の警察官僚たちの隠蔽工作とはまったく関係ないモノ。まず、間違えて発注されてしまったという大量のビール。青島たちはこの存在を必死に隠すが、結果的にそれは物語に何の影響力も与えない。しかもオチらしいオチもないままで終わってしまった。

2012-09-28 19:44:43
片岡K @kataoka_k

もうひとつは深津絵里の演じる女性刑事が退職を申し出ること。その理由はどうも「前作で受けた傷」なので初めて観た客には到底理解出来ない。このシーケンスも前半部分に何の影響も与えないので退屈だが執拗に登場し、クライマックスに来て突然真犯人を逮捕して事件解決するための飛び道具に使われる。

2012-09-28 19:45:56
片岡K @kataoka_k

それは退職した彼女が故郷へ帰る遠距離バスの車中。彼女は突然青島刑事の身を心配し、その大型バスを(運転手や客をどこかに降ろし)ジャックする。バスを自分で運転し、青島や誘拐された子どもを傷つける危険も顧みずに事件現場の厚い壁を破壊して現場に突入する。そのためだけに存在してるんだ。

2012-09-28 19:47:23
片岡K @kataoka_k

書いているだけでバカバカしいし客をナメるのも大概にしろ!という展開だが、全身全霊でその強引さに目をつぶったとしても、踊る信者たちにボクは問いたい。深津絵里がこの15年間演じてきた恩田すみれという役は本当にそんなに無謀でメチャクチャで、結果良ければ全部OKの人物像だったのか、と。

2012-09-28 19:48:23
片岡K @kataoka_k

それは、この映画が得意客(=何をやろうと足を運ぶ信者たち)に浴びせる「キャラクター設定の破綻」(しかも破綻の理由は今度の事件を起こしたり解決するためだ)という冒涜行為の一端に過ぎない。それ以前に見せられるユースケの演じる真下署長も、途中参加の小泉孝太郎や小栗旬もすべて別人物だろ。

2012-09-28 19:49:50
片岡K @kataoka_k

多くの客にそんな違和感を抱かせたまま繰り広げられる目的も理由も見えぬ物語に時折挿入されるのが、本来このシリーズの最大の持ち味である「笑い」。それがことごとく寒くスベってしまうのは他ならぬ冒涜行為のせい。業界では監督の脳ミソが歳を取ると「笑い」を撮れなくなるなんて言うが、まさかね。

2012-09-28 19:51:15
片岡K @kataoka_k

で、そのキャラ破綻が踊るファンが浴びる不幸ならば、もっと酷いのは新しいお客様に対する「門前払い」だ。深津絵里の退職理由の時にも書いたが、このシリーズ全作品を観ている人間にしか理解出来ないことのオンパレード。そんなことはおそらく踊る大好き何をやろうがワッショイ!の信者は気づかない。

2012-09-28 19:52:57
片岡K @kataoka_k

この映画は表現することを放り出している。それは娯楽作品が絶対にしてはいけないことだ。特に一人の客を置いていくこともなく楽しませてくれる本広作品の真骨頂だったはず。なぜ平気で放り出した?「この映画はどう撮ろうとも毎度毎度踊るファンたちで満席になる」というおごり。客をバカにしてる。

2012-09-28 19:53:59
片岡K @kataoka_k

犯人発見に至る捜査法が老刑事の残した教えであることや、その途中青島が道で倒れる理由も初めて観た人には全然わからない。だがそんな客知らん知らん。どこかに暗示させるワケでもわかりやすい回想シーンを入れるでもなくすべて唐突。初めて観る客がいなくても稼げるんだと客をナメて放棄している。

2012-09-28 19:54:44
片岡K @kataoka_k

全部言うとキリがないので、一番顕著な例をひとつ挙げる。物語中盤にユースケ・水野美紀夫妻の子どもが突然誘拐される。犯人がなぜ夫妻の子をターゲットにしたかボクには到底理解出来ないがそれはさておき、夫妻はおおいにうろたえた。だが残念、そこに一見客は緊迫感もないし同情すら感じなかったよ。

2012-09-28 19:55:41
片岡K @kataoka_k

なぜなら、そこでこの子どもが誘拐されるならば、本来映画作品に欠かせぬはずのモノが欠落してるからだ。この夫婦が子どもと仲睦まじく接する日常とか、その子どもが夫婦にとっていかにかけがえの無い存在であるか、それを客に伝えるという基本。それがあるから客は子どもの身を案じドキドキするんだ。

2012-09-28 19:56:21
片岡K @kataoka_k

ボクはこの二人が夫婦になったこともよく覚えていないレベルの「捨てられた客」の一人だった。だからその場面でこの映画に対する怒りが頂点に達した。客だけじゃないよ。この映画はそれ以前に俳優たちをナメてるし、カメラマンをナメてるし、脚本をナメている。映画自体をナメてる。最低の映画だ。

2012-09-28 19:57:28
片岡K @kataoka_k

連投すまん。だが言いたい。こんな最低な映画は他にない。この映画で何十億儲けるのか知らないが、その見返りに完成度の高い連続ドラマにも、日本映画に残した興行成績の記録にも、本広監督自身にも、すべてに泥を塗る形で終わった。FINALなのはシリーズじゃない。この映画を作ったおまえらだ。

2012-09-28 19:58:49
片岡K @kataoka_k

言い足りぬことは沢山あるが、これ以上はもうやめておく。ボクの映画評に文句がある者は好きなだけ書けばいい。申し訳ないがこの映画に関しては反論が来たトコロでそれに対抗する気なんか起こらない。あの映画がイイと思う人がいるなら勝手に喜べばいいし、そんな人に向けてボクが言うことは何もない。

2012-09-28 20:05:39
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コメント

Az @azonen 2012年9月30日
まとめを更新しました。ダブっていたツイを削除
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