奥田知志さんの「[縁の切れ目が金の切れ目」

「誰のために働くのか」という問い。
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奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目①]震災の直前、NHKの「これからの日本」という番組にゲストで出演した。二時間の生放送で、みずほ情報総研の藤森さんや評論家の宇野常寛さんなどとご一緒させていただいた。テーマは「無縁社会」、特に若者にとっての無縁社会の実情に関する番組だった。

2012-10-14 21:56:54
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目②]ただ、NHKの一連の「無縁社会」の特集には二つの要素が混在している部分があった。一つは「無縁」そのものの問題。もう一つは「貧困」の問題であった。この二つは若年層においては軌を一にしている事象であるが、全体としては必ずしも「貧困=無縁」ではない。

2012-10-14 21:58:32
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目③]極端な話し「お金持ちだけど孤独死する」という現実もあるのだ。いよいよ番組の最後にさしかかり、司会の三宅民夫アナウンサーがまとめに入ろうとしたその時一般席に座っていた男性が発言された。

2012-10-14 22:00:03
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目④]「どんなにきれいごとを言っても結局お金がなければ友達もできないし、遊びにもいけない」。その通りなのだ。このことを日本社会は「金の切れ目が縁の切れ目」と言ってきた。確かに貧困状態が社会参加の機会を奪い孤立へと向かう。

2012-10-14 22:01:47
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目⑤]しかし、一方で路上での出会いの中でこれまで聞いてきた「証言」の中には、それとはまったく違う現実を語る方もおられた。「野宿になったきっかけ」あるいは「生活が崩れたきっかけ」を尋ねる場面がしばしばあったが、その答えに大変考えさせられた。

2012-10-14 22:02:52
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目⑥]多くの方々は「失業や倒産」と答えておられた。 だが、確かに「離婚」や「子どもと離れたこと」、あるいは「母親亡くなった」ということを理由に挙げておられる方が確かにおられたのも事実なのだ。

2012-10-14 22:04:03
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目⑥]それは「金の切れ目が縁の切れ目」ではなく「縁の切れ目が金の切れ目(経済的困窮の入り口)」となることを示していた。人はなぜ働くのか。特に賃金労働の場合、確かに「食うため」、すなわち「金のため」ということがある。

2012-10-14 22:04:57
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目⑦]しかし、ではなぜ人は食うのか、あるいはなぜ生きるのか。すなわち人のいのちや人生に意味を与えるものは何か。 それは家族であり、あるいは他者の存在であろう。

2012-10-14 22:06:04
奥田知志(NPO抱樸/牧師) @tomoshiokuda

[縁の切れ目が金の切れ目⑧]「何のために働くのか」という問いは、「誰のために働くのか」という問いに転じる。この「誰か」が奪われた時、私たちは働く意味を見失い、貧困へと陥る。「縁の切れ目が金の切れ目」になり得るのだ。

2012-10-14 22:07:01