「政治」評論か?政治「評論」か?

前から思っていた素朴な疑問
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カルヴァドス @cornelius0321

①政治評論家の三宅久之氏の訃報が伝えられたが、この機会に私が以前から疑問に思っていた2つのことをつぶやきたい。

2012-11-18 02:31:11
カルヴァドス @cornelius0321

②日本には政治評論家を職業とする人は多いが「彼らの発言は「政治」の評論になっているのだろうか」というのが第1の疑問、そして、「彼らの発言は政治の「評論」になっているのだろうか」というのが第2の疑問だ。

2012-11-18 02:30:57
カルヴァドス @cornelius0321

③私は、民主制と共和制の違いとか、リベラリズムとリバタリアニズムの違いとか、ロールズに代表されるようなリベラリズムとサンデルに代表されるようなコミュニタリアニズムの対抗関係とかを、一般国民に理解できる形で上手に説明できる人を「政治評論家」というのではないかと思ってきた。

2012-11-18 02:30:44
カルヴァドス @cornelius0321

④ところが、日本の場合、ニュースや報道バラエティなどで、政治評論家が語るのは、そのほとんどが「政局」だと思う。

2012-11-18 02:30:33
カルヴァドス @cornelius0321

⑤日本の著名な政治評論家の多くが、新聞記者や政治家の秘書といった経歴を持つ。もちろん職業選択の自由があるから、過去にどんな経歴を持つ人であっても、政治評論家になることはできる。

2012-11-18 02:30:20
カルヴァドス @cornelius0321

⑥そしてまた、日本の著名な政治評論家の中には、新聞記者や政治家の秘書だった頃に有能かつ敏腕だった人が、その職務を果たしていく中で、政権政党や有力野党と接触する機会を多く持つようになり、大物国会議員に謁見を許されるようになった人も多い。

2012-11-18 02:30:05
カルヴァドス @cornelius0321

⑦彼らは、そうして築き上げた大物議員や有力政党とのパイプや人脈を駆使して、時には誇らしげに「政局」について語る。

2012-11-18 02:29:52
カルヴァドス @cornelius0321

⑧私は別に政局について語るなと言っているのではない。「評論の対象者と接触しすぎることで評論の客観性が保たれるのだろうか」と思っているのだ。

2012-11-18 02:29:40
カルヴァドス @cornelius0321

⑨少し話題を変えてみる。日本テレビの元アナウンサー徳光和夫は、熱狂的な読売ジャイアンツのファンであり、特に長嶋茂雄を神のごとく崇拝していることは、よく知られている。

2012-11-18 02:29:25
カルヴァドス @cornelius0321

⑩長嶋さんにプレゼントをもらったといっては感動し、長嶋さんから温かい言葉をかけてもらったといっては号泣するような徳光の姿を、私たちはテレビで何度も「見せられてきた」。「そりゃうれしいだろう」と思う。私人としての徳光和夫ならそれもいいだろう。

2012-11-18 02:29:13
カルヴァドス @cornelius0321

⑪でも、たとえ系列関係があるとはいえ、日本テレビアナウンサーという立場で、「長嶋さんが好き」「長嶋さんは凄い」「ジャイアンツは素晴らしい」というのを公共の電波で見せられると、私は「内輪だけで盛り上がっている」「一見(いちげん)さんはこの人の視野に入らないんだな」と感じてしまう。

2012-11-18 02:29:01
カルヴァドス @cornelius0321

⑫私の言いたいことはうまく伝わっているだろうか。日本の政治評論家にも、私は「徳光和夫的なもの」を感じてしまうのだ。「大物議員との人脈がどれだけあるかが、その人の評論家としての力量といつの間にか同一視されている」ということに、私は違和感を抱いている。

2012-11-18 02:28:45
カルヴァドス @cornelius0321

⑬以前、早坂茂三という政治評論家がいた。やはり新聞記者出身で、その後、田中角栄の秘書として頭角を現した人だ。秘書から政治評論家に転身した早坂茂三が、全日空の機内で、客室乗務員から離陸時に座席のリクライニングを戻すよう言われたのに逆ギレし、離陸が遅れたというのがニュースになった。

2012-11-18 02:28:34
カルヴァドス @cornelius0321

⑭離着陸時にリクライニングをしてはいけないのには、事故防止という安全上の理由があるのだそうだ。だからこの場合、客室乗務員の指示に落ち度はない。

2012-11-18 02:28:21
カルヴァドス @cornelius0321

⑮このエピソードが物語るのは、「俺は田中角栄の秘書まで務めた人間だ。その俺に向かって、指図するとは何事だ」という早坂茂三の気質だろう。この時点ではもう秘書を辞めていたので、早坂は政治評論家としての肩書でこうした態度を取ったことになる。

2012-11-18 02:28:08
カルヴァドス @cornelius0321

⑯「舌鋒鋭い」とか「歯に衣着せぬ評論」ということと、「尊大で傲慢な態度を取る」ということは本来無関係のはずだ。

2012-11-18 02:27:55
カルヴァドス @cornelius0321

⑰日本の政治評論家の中には、有力政党や大物議員と接触し、そこから情報提供してもらったり、政治評論家のほうから有益な政策提言をしたり、「この人を次の総理に」と画策する人もいるだろう。

2012-11-18 02:27:41
カルヴァドス @cornelius0321

⑱私はこうしたことをするなと言うつもりはない。でもそれは、「評論家」のテリトリーから大きく逸脱した行為ではないかと思う。もはやそれは「評論家」の仕事の範疇ではない。むしろ「ロビイスト」の範疇だろう。

2012-11-18 02:27:31
カルヴァドス @cornelius0321

⑲アメリカには数えきれないほどのロビイストがいる。有力政党や議員と接触し情報交換するのがその主な仕事だ。だから、日本の政治評論家諸氏も、「政治ロビイスト」という肩書で活躍なさればよいのである。これなら、堂々と「私は○○党を支持します」「△△を総理に」と言える。

2012-11-18 02:27:19
カルヴァドス @cornelius0321

⑳まとめに入ろう。日本の政治評論家の発言は、そのほとんどが「政局」に関するものであり、それは評論というよりも、むしろ「ロビイストとしての発言」である。こういうつぶやきをすること自体、私が世間知らずで、感覚がズレているということを示しているだろう。<完>

2012-11-18 02:27:08