「男装吸血鬼とメイド狼娘」

フォローさんがお題をもらって書いてくださった百合小説第二弾です。今回は微エロです
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ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark バサッ。翼をたたみ蝙蝠の姿から黒のタキシード姿に戻る。ああやっと我が家に帰ることができた。年に一度の特別な満月の日だかなんだか知らないが、何が悲しくてこの若さ(まだ200歳ちょっとなのに!)で年寄り連中の懐古集会に付き合わねばならないのだ。

2012-11-24 10:53:58
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark だいたい私が家長として集会にでるあたりでもう終わってるだろう。父は今頃月の一番よく見える場所で母とイチャイチャ真っ最中に違いないのに。家長扱いされたって私は「いつまでテラスで難しいお顔をなさっているおつもりですか。お身体が冷えます。若い女性として

2012-11-24 11:00:00
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark いかがなものかと思います」「ああ悪い。入るから着替えを持ってきてくれ。タキシードとかもううんざり。可愛い服にしてくれ」そうなんだ。な、ん、で、女の私をわざわざ家長に据えるのだあの父は。弟だっているっていうのに。「難しいお顔はおやめくださいと言いました

2012-11-24 11:04:08
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark 。それとも私に牙を立てられないと冷えないほどに頭が沸騰してらっしゃいますか」「ごめんなさい、切り替えます、だから尻尾ぱたぱたさせながらそういうこと言うのやめて、お願い」「はいよろしいですよ。私もできることなら貴女の血を見るよりは私の血を吸っていただく

2012-11-24 11:08:46
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark 方が好みですから」さらっと扇情的なこと言いやがるなこのメイド。「て、シャツは自分で脱ぐ!ドサマギでコルセットの中にまで手を入れるな!」「あら、だって。今夜は満月でございますよ。狼女が殺戮以外に求めるものを教えてくださったのはどこのどなたでしたでしょう

2012-11-24 11:14:59
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark か」言いながら暖かく血の通った指がコルセットを解いていく。暖かさにほっとしながらも私の目はどうしてもうつむいた彼女の白いうなじにいってしまう。あ、耳が動いて「よろしいですのよ?」狼の瞳が私の目線を捉えて光る。「私だってお帰りを待ちわびていたのですから

2012-11-24 11:20:23
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark 」すぐにもそのうなじに牙を立てたい気持ちを抑えながら焦げ茶の耳の下、綺麗な髪に指を通しながら囁く。「狼女は満月に血の気が多くて素敵よね」「やっと男言葉から戻してくださいましたね。やはり家ではそれでないとつまらないですわ」胸に顔を埋める彼女のおとがいを

2012-11-24 11:26:21
ツクミ @tukumikoto

@taiyakiandark 持ち上げ、白く透き通った首すじに、ぷつり、と牙を立てる。満月の夜はこれから。 その頃、月のよく見える山杉のてっぺんで。「あなた、あの子たち今頃どうしてるかしら」「それは、同じことだろう?あの人狼の娘はいい子だよな」「孫が楽しみですわね」

2012-11-24 11:31:52