偽ネオンのスチパンイントロ#2 インガノック編

◯(仮名) @kamerimaru

前回は、『蒼天のセレナリア』を触ったから、順番通りに二作目の、『赫炎のインガノック』をいきましょう。せきえんのいんがのっく、と読む。まあ読めない。ちなみに、どちらもここから販売してる。http://t.co/ELvEnWDp

◯(仮名) @kamerimaru

これは、空のない街の物語。異世界・西享――つまり、「あったかもしれない地球」からもたらされた文明は、カダスの知識と結びつき、爆発的な進化をもたらした。異形化した蒸気機関は世界の空を黒く染め上げ、太陽と星とを世界から奪い去った。……そして、インガノックという街もまた、奪われたもの。

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インガノック。それは、稀代の《碩学》と謳われた大公爵アステアが作り上げし、ひとつの理想都市。世界初の完全閉鎖系を持つ巨大積層都市（メガプレックス）――ええ。作中はせいぜい十九世紀末から二十世紀初頭。異常な技術と言っていい。そこでは新鋭的な蒸気機関と並び、魔法の研究が行われていた。

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魔法。そう、魔法よ。その名は、現象数式。クラッキングと呼ばれる技術。論理によって世界の情報そのものを組み替え、物理のうちではありえないさまざまの現象を引き起こす、技術。……その研究がなければ、インガノックはあの日、全滅していたかもしれない。その日。《復活》の日。

◯(仮名) @kamerimaru

《復活》。それは忘れられていた幻想の蘇った日。インガノックが《無限霧》によって閉ざされた日。外界から完全に隔絶された積層都市には、伝説から這い出した魔物と、妖樹と、疫病と、そして人すら異形の亜人種と化す呪いが降りかかった。それから十年。インガノックを取り巻く霧は、晴れていない。

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病。異形。かててくわえて、積層都市を生き延びさせるために、積層都市の姿そのままに、命の価値を設定する『都市法』。そして幻想の魔物たちの頂点、４１体のクリッター。見たものの魂を破壊し、通常の手段では不死不滅の、恐るべき怪物たち。下層に棲む人――どんな姿でも、人は人よ――の命は軽い。

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主人公のギーは、そんな街の巡回医師をしている。確かな知識と、訓練と、才能を備え、異形化した脳髄には、常人にはとても扱いきれないほどの数の、治療用現象数式を焼きこんで。自分の身を削るように、自分の身を顧みずに、人間らしい人間たちには顧みられない命の為に、手を伸ばし続ける人。

◯(仮名) @kamerimaru

彼の周りには、だから、様々な人が集まる。黒猫の《猫虎》、アティ。数秘機関を埋め込んだ腕っこきの荒事屋(ランナー)。ギーを慕う人、彼の儚さを思う人、彼に見て欲しい人。殺人者、ケルカン。命を奪うことが救いと信じる、ギーの対極、影写し、もうひとりの崇められざる聖人。……そして。

◯(仮名) @kamerimaru

キーア。きんいろの少女。誰とも知れない少女。閉じた街に、そらも大地も鎖されたインガノックに、どこからか現れた、自分が誰かをも知らない娘。彼女と出会ったことで、ギーの運命が動き出す。インガノックの運命が。いつか誰かの望んだ、黄金螺旋の階段が。……赫炎におわる、ひとつの物語が。

◯(仮名) @kamerimaru

インガノックは、暗い話よ。閉塞した街。そらのない街。病魔と煤塵に満ちた雑踏。救いはないと、誰もが信じている。そんなもの、訪れるはずがない。それでも、異形と化し、明日も知れなくても、人びとはその街で生きている。生きてゆくしかない。そんな街で、生かそうと足掻くものたちの、ものがたり。

◯(仮名) @kamerimaru

圧倒的パワーと、ミニマルな繰り返し描写で敵を撃破する、いわゆる「テンプレート戦闘」なんて揶揄される描写が入ってきたのも、このインガノックからだったと思う。でも、私は嫌いじゃない、かな。ああ、終わりが来たんだ、という気がする。何だっけ。ジダイゲキ？ コウダン？ そんな感じの、何か。

◯(仮名) @kamerimaru

……まあ、このアカウントを見ている人たちからすると、ある意味なじみのあるような世界なんじゃないかしらね。

◯(仮名) @kamerimaru

http://t.co/Bnr61DDn そうそう。『赫炎のインガノック』のOPムービーはこちら。…まあ、本放送の今の調子なら、これを流してもたぶん怒られないかな。