茂木健一郎氏 @kenichiromogi 【政党の乱立の背後には…】連続ツイート

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第７８６回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、「分析系」ツイートです。

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せせ（１）今回の衆議院選挙に向けては、「第三極」の政党が林立し、党の「合従連衡」の動きも終息しない。公示に向けて、まだ新党ができたり、合流したりする流れもある。そんな中、各種世論調査の結果によれば、「維新」が支持を伸ばしている一方で、情勢はまだ流動的である。

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せせ（２）人々の支持を、動かしている要因は何か。もちろん、総裁や代表といった、党の顔も大切な要素だろう。誰が、将来の日本を託すのにふさわしい人か。戦国時代の武将どうしの競争にも似た、「人格コンテスト」が行われているようにも見える。不確実な状況で、どのように判断ができるか。

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せせ（３）その一方で、政策も、もちろん大切である。この点については、維新が支持を伸ばしているように、この十年くらい、人々の求めている方向性は、変わっていないように思う。それはつまり、霞ヶ関を中心とする統治機構のあり方。「脱霞ヶ関」、「反官僚」的な方向性が、人気を集めるように思う。

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せせ（４）小泉純一郎さんの郵政民営化は、統治機構の組み替えを求める人々の動きの中心だった。２００９年の民主党の圧勝も、また同じである。今日、維新が支持を集めているのも、橋下徹さんの大阪での実績、それに、石原慎太郎さんの歯に衣着せぬものいいから、「改革」への期待ゆえだろう。

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せせ（５）ここでは、人々の、反霞ヶ関、反官僚の感情が、政策的に正しい、と主張しているわけではない。客観的に見て、どうも「民意」の重心は一貫してそのあたりにあるように見える、ということ。統治機構の組み替えについて明確なメッセージを出せない政党は、戦略上のミスを犯している。

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せせ（６）２００９年の選挙で圧勝した民主党の支持が急落したのも、「霞ヶ関」の統治機構に対する改革者としての勢いを失って、急速に「体制側」になっていったからだろう。自民党が政権交代のチャンスであるにも関わらず今回支持が伸び悩んでいるのも、その政策が「大きな政府」の是認に見えるから。

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せせ（７）従来の統治機構ではやっていけない、という判断は、おそらく人々の「膚の感覚」とでもいうべきものだと思う。役所の人と向き合った時の「クロック数」の遅さ、許認可の煩雑さ、非効率。どの国でも似たようなものと言えばそうだが、そんな恨み辛みが、改革を求める気持ちへと結びつく。

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せせ（８）原発に関する政策や、ＴＰＰ、それに社会福祉、外交問題なども、もちろん重要な論点ではある。しかし、「維新」の勢いは、そのような要素を総合しても、説明できない。結局、旧来の体制に対する「挑戦者」が表れることを、民意は一貫して求めているように思われる。

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せせ（９）以上のような観点から、さまざまな政党が立つ今回の衆議院選挙では、政党の乱立の背後に、政策の大水脈を読み取ることが大切であると考える。おそらく、本当の論点は、地方分権を含めた統治機構の組み替えのはずだ。その大水脈をつかんだ勢力が、政権を担うことになるだろう。

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以上、連続ツイート第７８６回「政党の乱立の背後に、政策の大水脈を読み取る」でした。