僕の手ときみの手が重なってこの空間で二人。きっとこの瞬間に初めて目が合った。世界が小さく思えるね。ねぇいつか、きみの声を聴かせてくれないか。朝に、夜に、幸せなときに。一緒にいるのが当たり前になって、寝たり食べたり、そんな日常に仲間入りして。きみを思うこの温もりを。 #12月の相歌
2012-12-02 13:50:28偶然なのか、必然なのか僕には分からなかった。君との出会いは爽やかな日のことで。僕が微笑んだら、君も微笑み返してくれた。言葉なんていらなかったんだ。君は分かるか?僕のこの胸のあたたかさが。君には見えるか?ここに確かにある幸せのかたちが。 #12月の相歌
2012-12-02 14:41:43我が道をいくあなた。自由である責任感。 憧れ焦がれるわたし。 平穏なわたし。気持ちだけの起伏。 安心を求めるであろうあなた。 無いものが欲しくて手に入れれば傍から消えていくのは解っているから ただ、歌うんだ。求愛の印(しるし)。 ただ、唯。 #12月の相歌
2012-12-02 16:51:46さがしてもさがしても。見つからなかった届け先は自分の胸の中でした。小さな隙間を広げてみたら、こぼれていく中に赤く心臓は振動して。その中に眠るホムンクルスのような不安定ないきものが、パチリと目をあけた。ハローハロー、聞こえますか。ようやく出会えたね。変わらぬ、あなた。#12月の相歌
2012-12-02 17:32:40ハローハロー、聴こえますか。こちらはとても青いです。空ですか、海ですか。それとも静かな時のことですか。ただ君の声が聴こえます。世界はとてもうつくしいです。世界はとても、うつくしいです。 #12月の相歌
2012-12-02 17:45:04歌を聴けばあなたが浮かぶの。 本を読めばあなたを想うの。 思考回路、喜怒哀楽があなたで満ちてる。 あなたもそうでしょう。 そうと言ってよ。ねぇ、ねぇ、 ねぇーーー! #12月の相歌 #狂歌
2012-12-02 18:05:15#12月の相歌 木の葉から漏れる光とか、落ち葉を掃いた箒とか、月を見つめる眼差しとか、昔は全部同じだったのに。 昔と今は違っても、同じように木漏れ日も、箒も、三日月もそこにあるから。 細かった糸を絡ませられず、切ってしまった僕ら。 ねぇ、まだ僕と君とは繋がってる?
2012-12-02 19:28:32涙を真珠に、歌声を、泡沫に。音階に身を沈めて。(もう、歌は、持っていないけれど) あなたがくれたものに私は、歌ではなくて、言葉、を。届けたい。 #12月の相歌
2012-12-03 17:08:40聲が聞こえた気がした。其方と出会ったあの海を前にすると、波の打つ音に紛れて微かに聞こえたのだ。気付くと脚は海の中へ中へと進んでいた。溺れるなんて思わない。其方がきっと導いてくれるとわかっていたから。漆黒の中で何かを掴んで引き上る。それが泡となった其方の魂だったのだ。#12月の相歌
2012-12-03 17:39:51貴方を呼ぶ聲がやっと届いたのねと、出てるかどうかもわからない涙が溢れた。でもごめんなさい、私はとうとう泡になってしまったのね。どうか私だったこの泡を、大切に小瓶にしまって。私をこの小瓶の中に閉じ込めて。恐ろしく深い深海の底より、そこに幽閉された方が幸せなのよ。#12月の相歌
2012-12-03 19:18:10「12月の哀歌」おわり。