行政軍という組織

自分用まとめです。眠気の勢いでつい…
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@lowen_lowe

議会の決定のもと、軍が行政を行うのだが、統合参謀本部直轄の軍行政局は当然ながら三軍の干渉を受ける立場にあり、それを回避するため「行政軍」が誕生した。行政を執り行う官僚機構なのだが、三軍と同等の立場を有することとなり、これが原因で権力拡大を志向するようになった。歪みの始まりである

2012-12-03 02:52:14
@lowen_lowe

統合参謀総長は慣習的に陸軍参謀総長が兼務するものとされており、よって行政局の時代は陸軍優遇だった問題が是正されるはずが、行政軍が自己を優先して行政をはじめたのである。これに三軍は怒り狂った。行政軍から財務権が取り上げられ、再び統合参謀本部に戻った。

2012-12-03 02:55:02
@lowen_lowe

行政局にしてみれば不満であった。彼らは自己の財源を拡張すべく、議会(立法府)・司法機関が関与しない部分での資金集めを自ら開始する。とにかく罰金や違反金が取れるものを片っ端から摘発しはじめた。行き過ぎた管理主義は社会不安を巻き起こし、やがて各地で暴動が頻発する。

2012-12-03 02:59:28
@lowen_lowe

行政軍本部にデモ隊が押しかけたとき、幕僚会議で行政軍代表は陸軍に治安出動を要請するが陸軍はこれを拒否、しかし議会が事態沈静化を命令したためややこしくなる。沈静化のためには行政軍の自制が必用とする三軍に対し行政軍はあくまで反発、とうとう自力で暴徒を排除すると決定した。

2012-12-03 03:02:22
@lowen_lowe

実力行使に出た行政軍治安部隊により、首都広場に集まった数十万の市民はパニックに陥った。逃げ惑う市民に水平射撃を行う行政軍に対し三軍と議会は行政軍の鎮圧を決定する。しかし一足早く行政軍特殊部隊が議会・裁判所・軍司令本部を強襲し制圧、首都は行政軍の支配下となった。

2012-12-03 03:06:09
@lowen_lowe

空軍はすみやかに航空兵力で行政軍施設に対する爆撃を開始し、陸軍は国家親衛戦車師団を差し向けた。だが、国家上層部を抑えた行政軍は強気であり、人質がいる以上、うかつに動くこともできない。さらに、首都港湾の潜水艦を押さえた行政軍は核兵器を有することが判明した。

2012-12-03 03:08:42
@lowen_lowe

脱出したわずかな高官は第二の都市で臨時政府を立ち上げる。国家非常事態が宣言され、首都から脱出する市民とそれを制止する行政軍で郊外は大騒ぎとなった。ところがそれも長くは続かなかった。内陸部から弾道ミサイルが放たれ、首都港湾部へ着弾したのである。核爆発が全てを飲み込んだ

2012-12-03 03:10:52
@lowen_lowe

核攻撃を受ける可能性がある場合は先制予防攻撃しかないと考えられてはいたものの、それを首都に向けて実行するとは誰も考えていなかった。この攻撃が誰の命令で行われたのかはわかっていない。行政軍は、150万人の死傷者と国家首脳部と共に壊滅し、原子雲は国家分裂ののろしとなった。

2012-12-03 03:13:09
@lowen_lowe

軍を信用できぬとする諸都市はつぎつぎに独立を宣言し、弱体化した臨時政府はそれを食い止めることもできなかった。軍の部隊はそれぞれの地元の都市についたが、兵士の集団脱走と叛乱が相次ぎ、もはや統制を取ることは不可能だ。この混乱が終息するには10年や20年ではきかないだろう

2012-12-03 03:16:08
@lowen_lowe

軍隊に行政を丸投げするという発想が、そもそもの間違いであった。それは最悪の結果を生み、いまだ解決しない諸問題を残して崩れ去った。だが、なぜこんなわけのわからない組織構造が生まれたのかは、よくわかっていない。核爆発で全ての資料が燃えてしまったし、彼らはあまりに閉鎖的だった

2012-12-03 03:17:50