＃冬の邂逅

雨宮真水 @sucretic

もう終わってしまうのだって。泣くように銀野原に落ちた声。小鳥の亡骸をすくい、枯れた花々で包んだ。こんなにも綺麗なのに壊す為にあるのだって。何故かふわりと微笑んだ。だからお別れ。けれど約束。またいつか、次は桜の樹の下で、今と似た景色の中で。お揃いのペンダントを揺らそう。 #冬の邂逅

七歩 @naholograph

去年君と見上げたツリーを今年は一人見上げる。去年の冬だけお付き合いした君との思い出が、街中のあちこちから僕に手を振り今年はまるで宝探しだ。僕の隣に君はいない。どこにもいない。天使となって君は何処かへ飛んでった。けれども僕は忘れないよ。冬が来る度、偶然街角で会いましょう。#冬の邂逅

まあぷる @nemu_tatibana

去年君に出会ったのは吹雪の山の中だった。雪中に倒れこみ動けなくなった僕の前に現れた黒髪の少女。薄れる意識が見せた妄想だと思っていたのに、いつの間にか僕は暖かい山小屋にいた。外は吹雪。山に登ってみようか。だが、もう二度と会えないと言う彼女の言葉は、たぶん本当なのだろう。#冬の邂逅

湊瀬 @mns66115

久し振りに見かけた君。相変わらないその眩しい笑顔を向けられて、どこか私の心は軋むようで。が、違う。何かが違う。何処にも見当たらないのだ。あの頃の君の無垢な笑顔の面影が。現にそのマフラーと手袋の送り主はそれぞれ違うと聞く。私がいつか恋した君は、どうやらもういないらしい #冬の邂逅

鈴 @AiTai_______

今日は皆の涙雨で一層空気が冷えています。白い花に包まれたあなたはまるで眠っているみたい。こんな再会は予想もしてなくて、まだ少し心が怯えています。あの冬の日の邂逅を、私は永遠に忘れません。さよならのかわりにありがとうを。またいつか、あなたの笑顔に逢えると信じて。　 #冬の邂逅

鈴 @AiTai_______

電車の中で始まった幼い恋。思い出の糸を手繰るように、思いがけず再会した冷たい冬。不毛な感情に苛まれ、執拗にちぎった暗紫色の花弁。もうすべて終わりにしましょう。記憶を全部洗い流して、はじまりのときめきだけを抱きしめたい。さようなら、さようなら！また、いつか、どこかで。 #冬の邂逅

@xx__moon

やぁ、やぁ。久しぶり、元気そうだね。 （僕の知らないところで）（私と違う方をむいて） ハローハロー、私の声が聴こえていますか、いつまで聞いていましたか、 （もう君と並ぶことはないだろう、）（もう私の声をさがさないで） じゃあね、幸せにね、おたがいに。　#冬の邂逅

Fizz. @azariah507

逢えるんだって 僕等またいつか #冬の邂逅

ちとせ @chitoseyuri

その放課後、何故か雪を戴いた濃紺の山並が見たくて堪らなくなり、一番古い校舎迄走った。高い崖の上なので校内のどこよりも見晴しがきくのだ。非常階段を駈け上る。息を切らせて上り切ると、驚いた事に先客がいた。錆びた手摺に片手を置き、鋭く睨みつける。彼女との出逢いだった。　#冬の邂逅

トマトっぽい @vol_008

駅のホーム 駆け抜ける電車が 僕らの体温を奪っていく なかなか電車に乗れない君を なかなか電車に乗らせたくない僕は 白い息で繋ぎ止める またいつかを交わして 踏み出す一歩を忘れない 君と会う次の日は 偶然すれ違って 気づかないままがいいな さよなら、さよなら #冬の邂逅

水木ナオ @nayotaf

「良い酒だ」雪を肴に、ぼそりと零す。「貴様の目利きは昔から見事だった」「それは光栄の至り」「だが最後で見誤ったな。主と仰ぐべき者も解せず噛み付くとは」がらん、と杯を投げ捨てて。「馬鹿が。いつかまた、こうして酒を酌み交わせたものを」「それは…残念頻り」 #冬の邂逅 #twnovel

ちとせ @chitoseyuri

図書室の改装が決り、不要な本を各教室に払い下げると言う。五年生の冬だ。担任の言いつけで図書係の私は友達と二人早速行った。其頃既に百年の歴史を有していた小学校の図書室は木造校舎の一隅で、貸出台には不要とされた本が山積みになっていた。ここで私は実に風変りな詩集を見つけた。　#冬の邂逅

卜部 @n_urabe

今日も又何時かの恋を降る雪に 重ね祈れる #冬の邂逅 #jtanka #tanka #短歌

華音 @Yuki_glow

一歩前へ踏み出せば、あの人に会える。ここまで来て、どうして躊躇うの。寒空の下、高層ビルの屋上。あの人は、もっと苦しくて、痛かったのでしょう。「　　」声が、聴こえる。嗚呼、早くしないと。最期の一歩を踏み出した。(雪が降る中思い出す、君の最期)(また、いつか。) #冬の邂逅

華音 @Yuki_glow

２人で手を繋ぐ。不安げな顔の君に、大丈夫だよ、と声をかける。「僕は、ずっと側にいるから」そう言うと君は少し微笑んだ。たとえ認められなくてもいい。僕たちは、愛し合っている。その事実さえあれば、十分だ。「さぁ、行こうか」君の手を握り返して、足を踏み出す。朝焼けが滲んだ。 #冬の邂逅