蟹春雅暮（ @QaNiM1S0 ）氏の【ついったー名作劇場】蜘蛛の糸/芥川龍之介

蟹春雅暮 @QaNiM1S0

【ついったー名作劇場】蜘蛛の糸/芥川龍之介

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ある日、お釈迦様がスタバでMBAからブラウジングをしていると、ブラウザを通して見える地獄の底に、カンダタという男を見つけました。カンダタは、盗んだバイクで走り出したり夜の校舎の窓ガラスを割って回ったりした極悪人ですが、気まぐれに底辺エンジニアの命を救った事が一度だけありました。1

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お釈迦様が隣席を見ると、そこには一人のネットワークエンジニアがいました。底辺エンジニアを助けた報いに地獄からカンダタを救ってやろうと思ったお釈迦様は、ネットワークエンジニアの吐くワールドワイドウェブをブラウザから地獄へ垂らしました。2

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かねてよりの悪行が災いしたカンダタは、底辺高校卒業から職を転々とし、職業訓練所を経てブラックIT企業に入社し、地獄の日々を過ごしていました。ところがある時、するすると一本の導線が、天からカンダタの目の前に降りてきました。3

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これを伝って登れは極楽へ行けるに違いないと踏んだカンダタは導線を伝って登り始めます。地獄から極楽までの間には果てしない距離がありましたが、長い時をかけてカンダタはついにあと一歩のところまで上り詰めました。4

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しかしその時、導線の異変に気付いてカンダタが下を見ると、地獄の亡者たちが導線を伝って後から登ってくるではありませんか。「自分だけ良ければいいのか」「皆が苦しいんだ」「ズルで楽をして嬉しいのか」「苦労は多いけれどお金以上のやりがいを見つけました」という怨嗟の声が響きます。5

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導線が切れるのを恐れたカンダタは亡者たちに向けて叫びました。「社畜乙！！運の無い豚どもは糞企業でサビ残しながら世間様のために惨めたらしく働き続けろ！！」その瞬間、今まで繋がっていた回線が急に遮断され、カンダタのつかんでいた導線も断ち切れて、再び地獄の闇へと消えて行きました。6

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カンダタの無慈悲な心が、相応の罰を受けたのでしょう。お釈迦様は一部始終を見届けると、悲しそうな顔をしてMBAを閉じ、スタバを立ち去りました。極楽のスタバはそのような事にも何ら頓着せず、ただコーヒーの香りが漂っていました。（どっとはらい）7

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（……思いついたはいいけど長ェよ！！）