ネルフは90年代のエヴァの残骸

さやわか‏@someruさんのツイートをまとめました。 ※ヱヴァQネタバレ注意
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ヱヴァQについてちょこちょこメモっているが、自分にとってスルニューと理解できてしまったので長文書くのがめんどくなってきた。簡単に言うとまず序破急という言葉に引っかからずに判断するとあれは四部作であり、いわば今は起承転結の転なのだ。で、TV版と旧劇は転で終わったからみんなびびった

2012-12-17 03:38:30
@someru @someru

話としては「新しい展開」ではなくて、旧劇の途中までをやっていると考えていいと思う(最後の予告で人類保管計画がまだ完了していないと言ってる)。序がTV1~TV6話、破がTV7~TV19話、QがTV20~EoEの途中って感じ。だからこのパートでシンジがうじうじするのは当然に思える

2012-12-17 03:42:22
@someru @someru

旧劇は関係ないと言いながらも人はシンジが鬱屈するか活き活きするかで90年代と比較しようとする。それがエヴァの呪縛だ。声優は年をとるのにアスカの見た目は変わらない。冒頭をテレビで先行公開したのはすごい嫌みだ。人は14年も経ったことに気づけない。「あの話の続き」「繰り返し」を錯覚する

2012-12-17 03:47:57
@someru @someru

エヴァが時代を変えたが、エヴァのせいで時代は変わってしまった。シンジはお役ご免だ。冒頭のヴンダーのシークエンスはすべて雄々しく堂々たる14年後のアニメたち。エウレカやグレンラガンなどを思わせるそれはむしろナディアに近しい(ナディアは2012年にデジタルリマスター版が再放送された)

2012-12-17 03:53:14
@someru @someru

ネルフは90年代のエヴァの残骸となっている。そこにいるのは自己愛のような男子と魂を持たない女子。どうすればいいのか。rebuildってこういうことだっけ。だからQはサブタイにもあるように「繰り返しは可能か」ということが主題なのだ。今やrebuildのreこそが問われている

2012-12-17 03:54:51
@someru @someru

だから人は何度も繰り返しについて語る。「エヴァで変わったことはエヴァで再び変えればいい」というのが最もストレート。「反復練習さ。同じことを何度も繰り返す。自分がいいなって感じられるまで」「世界を崩すことは造作もない。だが、作り直すとなるとそうもいかん」などなど。

2012-12-17 03:58:23
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最後にカヲルが言うのは「魂が消えても願いと呪いはこの世界に残る。意思は情報として世界を伝い、変えていく。いつか自分自身の事も書き換えていくんだ」。これはエヴァについて言っているようにしか見えない。「生きていくためには新しいことを始める変化も必要だ」というのもあった

2012-12-17 04:01:18
@someru @someru

ところでシンジが槍を抜くことに拘るのは狂ったわけでもなくて、「破」までの成功体験があるからだよね。新劇で彼はおりゃーって勝てばいいじゃん!という経験を積んでるのだ。そういうドラマが成就しないのは90年代的だが今回は何と次がある。そこで大団円を目指すわけだろう

2012-12-17 04:08:29
@someru @someru

その理解で言うと、繰り返したかった男の子が、魂を持たないキャラの女の子と一緒に、見た目は変わらないけど大人になった女の子に手を引かれて、真に誰も知らない新しい世界へ向かって歩いてくのはいいラストだと思う。旧エヴァを象徴していたSDATがそこで手を離れるのがベタに切なくうまい

2012-12-17 04:18:53
@someru @someru

映像がやたら赤いのもEoEを連想させる仕掛けになってる。エレベーターの中まで赤かった。エヴァは常に自己言及的な作品なのでスタッフが全く旧劇を意識して作っていないわけはなく、たとえば破のトウジが「外れた」というくだりなどは旧劇と違う世界に舵を切ったということのほかに大きな意味がない

2012-12-17 04:23:42
@someru @someru

ということでガジェットやら伏線やらが際限なく増えていくのも、賛否両論なのすらも含めて、見事にTV終盤からEoEあたりまでをなぞっている。しかし今は繰り返すことができるか、繰り返すべきなのかに問題がすり替わっている。その全体が繰り返しであり、繰り返しではない。これは発明だと思った

2012-12-17 04:32:17
@someru @someru

小ネタ書き忘れた。新劇各話タイトルは庵野の所信表明に書いてある→「エヴァ」はくり返しの物語です。主人公が何度も同じ目に遭いながら、ひたすら立ち上がっていく話です。わずかでも前に進もうとする、意思の話です。曖昧な孤独に耐え他者に触れるのが怖くても一緒にいたいと思う、覚悟の話です。

2012-12-17 15:30:49