「あなたはほどほどの愛しか知らない」
初期の異能深國が異能八坂に恋してしまったことを自覚して「執着だよ」とか「お前がその女のこと考えるの気分悪ィ」とか「今からお前のこと駄目にするのはこの俺なのに」とか言ってたあの頃に、この台詞ぶっ込みたい。それで異能八坂は極度に怯えるんです?愛って言葉に怯えるんです?
2012-10-14 14:10:48@yasaka_kz 「ねーえ、潤ちゃん。こういう愛され方は初めて? …潤ちゃんはさァ、ほどほどの愛しか知らねーんだよ。 お前の為に死んでもいいっつー人間は今まで居なかったデショ?それってつまり、潤ちゃんが誰のことも死ぬほどに愛さなかったからなんだよ」
2012-10-14 14:06:48@heretic392 何それ。いつもなら意識せずとも飛び出してくる反論の言葉が、震えた歯の根に吸い込まれる。 柔らかい何かに無遠慮に爪を立てられ、その薄皮を剥がれたような感覚に怯えた。 ほどほどの愛しか知らない?何を知ったような口を。お前だって一夜限りの愛し方しかしない癖に。
2012-10-14 16:48:29@heretic392 「潤、」やめろそんな風に熱っぽく--恋しそうに俺を呼ぶな。そんな呼び方はあの人はしてくれなかった。絡めた指が茨のよう。 「……、」 違う、俺はあの人の事を愛してたし死んでもいいと思ってた。本当に。本当に? 「…じゃあお前は知ってるの。」 精一杯の反論。
2012-10-14 16:51:10@yasaka_kz 引き絞るような声が頭一つ分ほど下から聞こえた。オイオイいつもの罵声と勢いはどうしたよこのドブネズミ、殺鼠剤でもばら撒かれてまともに声も出ねえのか?吐こうとした言葉は、空気を漏らして萎む風船よろしくぐずぐずに潰れていく。 「ハッ、俺が知るわけねェだろ」
2012-10-14 20:56:20@yasaka_kz 絡んだ指先から伝わるのは笑えるほどのその震え。 「ほらやっぱりお前も、」「あのさァ潤ちゃん」 ほっとしたように酷薄の色を取り戻した表情を遮ってそう言うと、大げさに目の前の鼠が震えてみせた。…捕まえた。 「俺はお前の為に死んでも良い」
2012-10-14 20:58:31@yasaka_kz 手錠も縄もほっといて、身一つ言葉一つでこいつを拘束するのは初めてかもしれない。絡めた片方を解いて髪を引き摺り込み、そのまま噛むようにキスをする。 「っ…お前…」 「……、」 ――クソが。 何やってんだよドブネズミ、怯えてねェで抵抗しろ。
2012-10-14 20:59:58@heretic392 --そういえば手錠も、縄も、火傷も、させられてないセックスは始めてか。髪を無理に引っ張るのではなく梳きながら揺さぶられる事に違和感。なに、いきなり労わってるの。 「……は、…ぐ、」 噛み締めた唇からは血の味すらした。それにすぐさま犬の舌が絡み、治癒される。
2012-10-14 21:39:02@heretic392 怖い。こいつ何言ってるの。俺はお前の為に死んでもいい?--嘘を吐くな。なに、そのまるで俺を愛してるみたいな言い方。駄犬が。 「ね、潤ちゃん…、」 硝子製品でも扱うようなお優しい手つきに寒気がする。お前だっていつか忠犬よろしくあの飼い主様の元へ戻るんだろ。
2012-10-14 21:39:16@heretic392 その目で、口で、手で、何人堕落させてきた。俺もそうするのか。どうせあの人みたいに離れる癖にもうこれ以上、俺の心に近寄ろうとするな。 「…っ、」 その目を抉ってやろうと伸ばした手を掬われ、睫毛を伏せて愛おしそうに口付けられる。けれど、それを振り払えなかった。
2012-10-14 22:03:33@yasaka_kz 「は、…っ潤ちゃん、力み過ぎじゃね…? ほら、血ィ出てる…」滲む。割れた爪先に口付けるとあっという間に治癒。あんなに身だしなみに神経質なほど気を付けてる奴だったってのに、何やってんのお前。治癒した先でそのまま頬でも引っ掻かれるかと思ったのに、腕は弱く垂れた。
2012-10-14 23:47:32@yasaka_kz 取り上げた指先を絡め取って引き寄せると、振り払いもせずに背を逸らすのにぞくぞくする。何だよその反応。こないだと違ってお前、素面だろうに。引き寄せたせいで密着する上気した肌に皮膚が粟立つ。抱え込むと思い切り肩口を噛まれた。絡めた指先は逃げ、背に爪を立てられる。
2012-10-14 23:48:33@yasaka_kz 優しく髪を撫ぜると噛む力が更に強まった気がした。そこからはどろ、と血の零れる気配もする。クソが。。いつもだったらお前。違う、そうじゃないだろ。何してんのお前、それじゃまるで…まるで縋ってるみてェじゃねえか。苛々しながらも労る。「…潤?」呼べばまた震うので。
2012-10-14 23:54:15@heretic392 怖い。歯の根が合わない程の恐怖を感じる。口の中が血の味で気持ち悪くなる。 こいつなに言ってるの、俺達なんて所詮はそこらへんに落ちてるオナホ程度の認識だっただろ。だからこそ、俺は、 「んん!…ンっ、む…、」 爪の間にも血肉の感触がするのに未だその手は優しく。
2012-10-15 07:59:31@heretic392 ころしてやる。俺の為に死んでもいいんだろ?死ねよ。 その爪が心臓を抉るようにとこの歯が喉笛を食い破ってしまえと、祈るように食らいつく。しかし自分の性欲処理だけではない、こちらの快楽までも引き出そうとする動きに震えた。 「潤……ねえ、潤、」「うッ…ぐ、ぅ、」
2012-10-15 07:59:50@heretic392 もう、駄目だ。もう付き合っていられない。これ以上居ると俺まで勘違いして、首を引く縄と共に地獄まで引き摺られる。 どうせ俺だけ置いていく癖に。 そんなものは御免だ。勝手に一人で死んでいろ。 いつまでも発火する気配のないコイツの血がひたすらに気持ち悪かった。
2012-10-15 08:01:39@yasaka_kz だらだらと流れ落ちる汗に血が混じったのもとっくに知っていたし、容赦なく爪や牙を立てられても尚、抱き続けた情の正体にも気付いていた。苛苛した理由も、こいつを撫でた指先の力が優しすぎたことも、全部。だからといって告げて良いことなのか、それを。…言葉が詰まる。
2012-10-16 01:57:35初期のころの。異能八坂の失踪直前の深八って拘束一切無しだったんじゃね?っていう。元々いつも通り拘束のつもりで手錠片手に犯すつもりだったのに急に互いに大真面目な事になっちゃうわ深國は恋自覚しちゃうわでもう拘束そっちのけ、尚且つ初の労りセックスになっちゃったんじゃないのっていう。
2012-10-14 21:07:34トゥーランドット