暇だったのでポケモンの組み合わせを言ってもらってストーリーだけ作ってみた。
あるとき、ある街で、幻と呼ばれるシェイミが見つかりました。しかも彼女は、今まで世界中で見つかった、どんなシェイミよりも美しい花を咲かせていました。誰もが彼女をほしがり、捕まえようとしましたが、問題が一つありました。彼女は何故か、ヤブクロンやベトベターたちの集落にいたのです。
2012-12-20 18:59:04みんな、そんなゴミ溜まりに近付くことを嫌がりました。しかし、あるとき街の金持ちが大金を積んで人を雇い、世界で一番美しいシェイミを捕まえようとしました。雇われ人は必死で彼女を守ろうとする廃棄物たちを蹴散らし、ゴミだらけになりながらシェイミを捕まえて金持ちに売りつけました。
2012-12-20 19:02:49「ああなんて美しいシェイミなんだ。大金を叩いた甲斐があったというものだ……おいお前ら、いつまでいる気だ、汚らしい」金持ちは用済みと言わんばかりにゴミまみれの人間を追い出しました。その日が境でした。シェイミが花を枯らし、つぼみさえつけなくなったのは。
2012-12-20 19:05:55金持ちは慌てました。確かに彼女は昨日まで美しい花を咲かせていたのです。上等の餌をやり、一番日当たりのいい場所を与え、今まで口にしたことのないほど綺麗な言葉と優しい態度でシェイミを扱いました。しかし、彼女は花を咲かせません。
2012-12-20 19:09:29何が悪いのだ、と金持ちが落胆していると、街から知らせが届きました。街中に悪臭が満ち、街の周りからポケモンが消えた、と。金持ちはまさかと思い、えらい博士を呼びつけ、シェイミについて聞きました。博士は言いました。「シェイミには毒を浄化する力がある。今まで彼女が悪臭を絶っていたのだ」
2012-12-20 19:13:20金持ちは悪臭を堪え、自らの足で、彼女をゴミ溜まりに返しに行きました。シェイミはゴミたちを見るなり、金持ちの腕から飛び出して彼らの元へと走りました。嬉しそうにゴミたちは彼女を囲みました。すると、みるみるあの臭いが消えるではありませんか。
2012-12-20 19:18:17彼女を咲かせていたのはゴミたちでした。自分たちの臭いを浄化し、街の人間やポケモンたちと共存できるようにしてくれているシェイミへの、心からの感謝の気持ちでした。それも、何匹も、何十匹もの曇りない気持ちでした。彼女らを引き裂き、礼の一つも言えない金持ちの下で咲けるわけがありません。
2012-12-20 19:24:32金持ちは黙ってゴミ溜まりから立ち去りました。そして、街中の人たちにこのことを話し、決して街の外へ世界で一番美しいシェイミが知られることのないよう、内緒にしてもらえないかと言いました。それは金持ちの初めての頼みごとでした。街の人たちは快くそれを受け入れました。
2012-12-20 19:29:35あるところにゴルーグがいました。彼はその昔、人間によって作られました。人間はゴルーグを丈夫に作りました。ずっとずっと、自分たちを守れるように、自分たちの持てる力を全て注いで彼を作り上げました。その甲斐あって、彼はどんなものより丈夫に出来ました。その人間たちが、滅びてしまうまで。
2012-12-20 23:44:53守るものを失ってしまったゴルーグは、自分を作った人間が何か遺していないか探す旅に出ました。ひとりはあんまりにつまらなくて、寂しかったのです。空を行き、地を行きましたが、なかなかそれらしいものに出会えません。
2012-12-20 23:45:21ある日、ゴルーグは自分と同じように旅をするデスマスに出会いました。彼は、誰かを探していました。「誰かを置いてきてしまったんだ。それだけは覚えているのに、誰なのか忘れてしまったんだ。でも、ぼくを探してあの子は泣いてる。きっと」ゴルーグは一緒に探してあげることにしました。
2012-12-20 23:45:34ゴルーグたちはふたりで旅を続けました。旅を続けるうちに、デスマスは記憶のパズルを一つずつ埋めていきました。「でも、あの子のことだけ思い出せないんだ」
2012-12-20 23:45:55ふたりは砂漠の中の遺跡にたどり着きました。デスマスは「なんだか不思議な気持ちなんだ。何か思い出せそうな気がする!」そう言って、遺跡の中に走っていきました。気をつけないと危ないよ、と言おうとしましたが、その途端デスマスの悲鳴が聞こえました。
2012-12-20 23:46:28ゴルーグは急いで彼の元へ走ると、デスマスは流砂に飲み込まれそうになっていました。ゴルーグは大きな手でなんとかデスマスを助けました。「ありがとう。今度は、置いていかずに済んだ」ゴルーグは何のことだろうと思いました。
2012-12-20 23:47:48「ぼくたちは神様に背くような研究をいっぱいしてきた。だから、神様が怒って、ぼくたちの街を砂の下へと沈めてしまったんだ」ゴルーグは息を呑みました。だって、それは、気が遠くなるぐらい昔、自分がその目で見てきた光景だったのですから。
2012-12-20 23:48:16「あのときも君は、ぼくを助けようとしてくれたね。やっと、お礼が言える。ぼくが置いてきてしまったのは、君だったんだ」ふたりは笑いました。探してきたものが、こんなに近くにあったなんて。ふたりはそれから、ずっと仲良く暮らしました。朽ちることのない、滅びることのない時間の中で、ずっと。
2012-12-20 23:49:37あるところにジュペッタがいました。ジュペッタは冬がとても嫌いでした。何故って、すぐに暗くなるのが怖いし、寒くてひとりぼっちがますます寂しくなるし、何より布の体には静電気がたくさん溜まってしまって、あのバチバチがとても不愉快だったのです。
2012-12-21 00:12:35その日も、ジュペッタは静電気に悩まされていました。「もう! 嫌になっちゃうなぁ!」ぶんぶと手を振り回すと、どこからか声がしました。「ひゃー、やめてぇ」びっくりしてジュペッタが手を見ると、そこにはちいちゃなバチュルが引っ付いていました。
2012-12-21 00:12:44「なんだよ、鬱陶しいなぁ」ジュペッタが言うと、「そう言わずに、電気ちょーだい」バチュルはそうおねだりするのです。「だめだめ、どっか行けよ!」そう言って追い払うのですが、気付くとバチュルが引っ付いています。
2012-12-21 00:12:53いくら追い払っても、バチュルは性懲りもなくジュペッタの静電気を食べに来ました。ジュペッタはその度に嫌そうに逃げました。ところがある日を境に、バチュルはぱたりと来なくなりました。一日、二日、一週間、二週間。いつまで経ってもバチュルは来ません。
2012-12-21 00:13:02