webで見つけた面白いSS

目目連 @mokumoku_renn

突然のショート･ストーリー展開ー。「メカ子三姉妹のクリスマス」　

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ここは宇宙船内のロビー。 「今日は地球のイベントで･･･クリスマスとかいうのでしたね。」そう呟くのはドミニオン。紅茶を一口のみ、 「大切な人にプレゼントを贈り合う日･･･。」

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暇つぶし程度に知っている情報を反芻してみると、「大切な人･･･?」私にも居るのだろうか、と少し考え込む。 「お姉様ーっ！」その沈黙を破るように元気の良いかけ声がかかる。 ドアの向こうから元気よく飛び込んできたのは、ミーティア。

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「ミーティアー･･･いきなり飛び込んじゃダメだよー･･･」それに続くはシヴァ。 「あなた達、突然どうしたのですか?」きょとんとするドミニオン。 それに答えたのは、「パーンッ!!」 何かが弾けるような音と、大量の紙テープ。

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「わっぷ!?」突然の事で普段冷静なドミニオンもあわてて、手をバタバタと振る。 「メリークリスマース!!」それにかまわず元気よく叫ぶミーティア。心なしか声がうわずっている。 「ミーティア、クラッカー、人に向けちゃダメ」さっきのショックで床にひっくり返ったシヴァ。

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お尻をさすりながら立ち上がり、「もぅ･･･」姉の顔から異物を取り除く。 「うぅ･･･何ですかこれは?」ちょっとドミニオンが顔をしかめる。 「これはねー、クラッカーっていうの。おめでたいときにならすのよっ♪」無邪気に答えるミーティアだが、 「人に向けてはダメだそうですが･･･」

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ドミニオンが注意書きを読み上げる。 「それはごめんなさいー」ミーティアがおどける。これはいつもの光景。 ･･･ただ一つを除いては。 「その変な格好は何ですか?」ドミニオンの視線の先には真っ赤なジャケットを着て紅白の三角帽子を被った妹達。

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「えへへ、わかるー？これはサタンクロースっておじさんの服なんだって!」茶目っ気たっぷりに裾を翻し、ミーティアがその場で一回転。と 「それをいうならサンタクロースだよぅ･･･」シヴァがツッコミを入れる。 「しかし･･･」 そこにドミニオンは

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「何故サンタクロースなんですか?」疑問を挟む。するとミーティアは 「お姉様サンタ知らないの?」ミーティアがオーバーに驚く。 「クリスマスに、良い子にプレゼントくれるおじさん。」シヴァが補足する。

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「それは知っていますが、何故その格好を?」更につっこむと、 「それはねー」ミーティアがパチン、と指を鳴らすと･･･ 「!?」突然部屋が停電した。 ドミニオンが「故障でしょうか?」と呟く。 が妹達はまったく動じていない。いつもならシヴァは泣き出し、ミーティアは騒ぐ物だろうに。

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そんな疑問が生じ、ドミニオンが考える事数分。 「おや？回復したようですね。」電気がつき、安堵して妹達に声を掛ける。しかし 「？」当の妹達は見当たらない。代わりに大きなカーテンが部屋を二分するようにひかれている。

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「どういう事でしょうか?」そのカーテンはゆっくりと動いているようだ。どうやら･･･ 「開いてるようですね。」ドミニオンが見ているとカーテンはぱっくりと割れ、妹達が現れた。 「何故後ろを向いているのですか?」 すると二人はくるりと振り向き、

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｢｢お姉様、メリークリスマス!!｣｣二人が同時に叫び、ドミニオンに派手な包みを差し出す。一つは平べったく、もう一つはブーツのような形をしている。 「これは･･･?」ドミニオンが目をまん丸くしていると、 ｢｢クリスマスプレゼント!だぁい好きなお姉様に!!｣｣二人がはにかんでみせる。

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「あなた達･･･」とドミニオンは動力炉に異変を感じた。それは何だかくすぐったいような、ふわりと浮き上がるような心地よいモノだった。 「良いから受け取ってよぅあたしのセーター。言っとくけど手編みだよ?」ミーティアが包みを押しつける。 「あたしのも、もらって」シヴァもおずおずと渡す。

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その包みを胸に抱き「ありがとう」と微笑むドミニオン。それはどんな花より美しく、慈母のように優しい笑顔。一方妹達は ｢｢えへへ、大好きだよお姉様っ♪｣｣二人揃って満面の笑みを浮かべている。 「皆さん、せっかくのお料理が冷めてしまいますよ？」そこに現れたのは、

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大きなワゴンを押す小柄な少女。 「あら、ヴィクター。お料理?何のですか?」ドミニオンはまたもやキョトン。 「クリスマス･パーティーのですよ。ミーティアさん達から聞いてないんですか?」ヴィクターが答える。 「聞いてませんよ?･･･なんででしょうか?」とドミニオン。

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｢｢だって、お姉様驚かせたかったんだよう。｣｣二人ともちょっとすねたように呟く。 「あなた達･･･」こう言うといつもならドミニオンは険しい顔をするが、 「ヴィクターの言うとおりです。早くパーティーを始めましょう?」妹達の肩を抱き、 ちょっと急かす。

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その顔はほんのり紅潮し、愛しそうにこう呟いた。「私のために、ありがとう･･･」 ｢｢えへへ、堅苦しい事抜きに、今日は思いっきり楽しもう？あたし達はそれが見たいの～｣｣愛しい姉に抱かれ、満足そうなミーティア達。 「では、今日は思いっきり楽しみましょう!」

目目連 @mokumoku_renn

ドミニオンのかけ声に続き、｢｢｢大賛成!!｣｣｣三つの声が重なる。 「それでは」ドミニオンが杯を掲げ、三人がそれに倣う。｢｢｢｢かんぱーい!!｣｣｣｣四つの声が綺麗に重なり、キィンと澄んだ音が鳴る。 ･･･その戦艦には少女達の無垢な笑い声が一晩中鳴り響いた。　fin

目目連 @mokumoku_renn

てな訳でフォロワーの皆さん、改めましてーっ･･････メリークリスマス!!今日という日が皆さんにとって笑顔の絶えぬ一日でありますよーにっ♪