蒔田記者が難病対策委員会の議論から考えたこと【第20回】

これは第20回。 「難病の範囲」の議論の始まりとか。
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蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回(2月9日)】開催前に障害者総合支援法案の内容が明らかになり、新たに難病患者が福祉サービスの対象者になる方針が出たことを受けての議論。(今はすでに来年4月施行時には継続的に国の研究対象になっている130疾患+関節リウマチをサービス対象にする方針が固まっている)。

2012-12-31 13:33:00
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回②】この回から、「難病の範囲」と、「難病の定義」という二軸の議論が始まり、より複雑になっている。この委員会も、厚労省側の2人の発言と、障害福祉側から参加している「中島障害保健福祉部企画課長」の発言を追いかけるのが分かりやすそう。

2012-12-31 13:40:31
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回③】「新たな制度の谷間づくり」とも指摘されている、総合支援法の「法の対象となる障害者の範囲に治療方法が未確立な疾病その他の特殊な疾病(難病など)であって政令で定めるものによる一定の障害がある者を加える」の一文。これについて、中島課長はこう発言している→

2012-12-31 13:42:52
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回④】「…この文言の在り方、更には、これらの文言が何を意味するのかということについては、今後、与党の御意見もお聞きしながら更に詰めていくということでございます。」

2012-12-31 13:43:31
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回⑤】外山局長「難病の定義をここで検討していくというのではなくて、難病の範囲と程度というものを検討していくので、自立支援法上の今の案ではあるわけですから。(中略)今、むしろ範囲と程度を具体的に検討していくということだろうと思います。」

2012-12-31 13:45:07
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回⑥】こうした提示を受けて、患者代表のJPAの伊藤代表が▲障害サービスを受ける上での判定の懸念▲難病患者等居宅生活支援事業との関係性▲市町村の保健師への対応、などについて質問している。

2012-12-31 13:50:52
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20⑦】あと、ここの中島課長の発言はけっこう記録上重要かもしれません。→中島課長「基本的に、これまでの与党での御議論も、昨日の総合福祉部会でも、難病をこのように入れるということについて異議を聞いたことは私はございません」。

2012-12-31 13:53:43
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回⑧】良くなったり悪くなったりする難病にどう障害の判定に対応するのか、という中島課長の発言→「…周期的・断続的にというところが一つのポイントかなということでございまして、そこをしっかり判断できるような形の区分認定というものをやっていきたいということでございます」

2012-12-31 13:56:27
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

【20回⑨】「周期的・断続的」というのは、障害者基本法上の障害の定義を決める議論のさいに出てきたものらしいのですが、この言葉の意味って何?私もいま、議事録読み返して恥ずかしながら初見だったのですが、いまいち分からない。分かる方、教えて下さい。

2012-12-31 13:58:22
Koji Onoue @koji_onoue

@kusakanmuri_m 釈迦に説法かと思いますが、これまで「制度の谷間」がつくられてきた背景に、医学モデル的なとらえ方の上で「一定期間の症状固定」という捉え方がありました。改正障害者基本法では「障害及び社会的障壁により」日常生活・社会生活の制限を受けている者が障害者と(続く

2012-12-31 14:11:22
Koji Onoue @koji_onoue

@kusakanmuri_m 承前 その意味で「症状の波」があっても社会的障壁との関係で継続的に制限を受けている人は障害者ということになるのですが、この「継続的」という言葉が、これまでの「症状固定」と同列に誤解されないようにということで、念押しの質疑と確認答弁がありました(続く

2012-12-31 14:13:22
Koji Onoue @koji_onoue

@kusakanmuri_m 承前 国会でのやりとりについては、障がい者制度改革推進会議の第34回資料として掲示されています→ http://t.co/2bFBzMxK この中の資料5のP10辺りをうご覧下さい。この部分は、骨格提言でも引用して強調した部分です。

2012-12-31 14:19:08
Koji Onoue @koji_onoue

@kusakanmuri_m 骨格提言P20 【障害者基本法の改正審議においては、上記の障害者基本法の「障害」に、難病に起因する機能障害が含まれることや「継続的に」は断続的なもの、周期的なものが含まれることが確認されている】P19【慢性疾患に伴う機能障害を含むものとする】等

2012-12-31 14:22:46
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

@koji_onoue 尾上さん、ありがとうございます。非常に参考になりました。骨格提言を読み直して、確かにこの言葉が入っていた事を確認しました。不勉強ですみません。日常的には、「継続的」という言葉を使っていたので、「周期的・断続的」の意味合いが十分つかめていませんでした。

2012-12-31 14:23:12
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

@koji_onoue この「周期的・断続的」という言葉がきちんと適用されるのであれば、政令で定める一部の疾患「だけ」を「障害」の枠組みに入れることが大いに矛盾する、と改めて感じています。

2012-12-31 14:27:16
Koji Onoue @koji_onoue

@kusakanmuri_m はい、私もまったく同感です。これまで国会議員に働きかけ答弁を引き出す活動等にも長年携わりましたが、その際言われていたのが「国会での答弁は法律と同等の重みを持つ」ということでしたが、その「重み」はどこへやら?とも思いますが、それでも活用していかねばと…

2012-12-31 14:31:29
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

@koji_onoue これまで手帳取得を目指していた患者が阻まれたのが、この部分であり、この理念を反映した制度「さえ」つくれば、別にわざわざ政令で定めなくていいのだと思います。しかも来年4月時点では、程度区分の見直しが十分なされないまま病名だけ区切るわけで、強い不安があります。

2012-12-31 14:35:47
Koji Onoue @koji_onoue

@kusakanmuri_m その点が、「障害者総合支援法」での障害者の範囲について「新たな谷間をつくりかねない」との懸念の声が出されてきた背景かと思います。ギリギリ、「等」を入れて、「何らかの機能障害が確認できる者も含まれる」ような規定を設けさせれればと思うのですが…

2012-12-31 15:00:29
山本眞理 @naganoeiko

@kusakanmuri_m 現行の障碍者自立支援法も来年4月からの障害者総合支援法も、その対象者について身体障碍者以外は手帳要件ないはずです。つまり精神知的については手帳要件ないわけで、これをさらに拡大して身体についても手帳要件なくすという方向があるべき姿では? つづく

2012-12-31 15:04:30
山本眞理 @naganoeiko

@naganoeiko @kusakanmuri_m つづき精神の場合は手帳を取っていても、うつは対象ではないとかいろいろ病名によって水際作戦が行われています(こんなことは法律にも書いていないことで不当ですが)。手帳制度ができるといい方向へという発想理解できませんつづく

2012-12-31 15:06:17
山本眞理 @naganoeiko

@naganoeiko @kusakanmuri_m むしろ手帳制度そのものの廃止=ニーズに応じたサービスへの変換こと必要、そしてそれは医学モデルではなく社会モデルにのっとったニーズ 条約の議論の中でも北欧のどこかでは障害者サービス使うのに医師の意見書不要という話ありました

2012-12-31 15:07:37
山本眞理 @naganoeiko

@naganoeiko @kusakanmuri_m 承前 ただそうなると機能障害の証明はどうするという話になるのかしら? おそらく北欧の例は障害者サービスという特化した制度がなくて総合的な社会サービス法の枠の話かもしれませんが

2012-12-31 15:09:21
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

@naganoeiko なるほど。社会モデルにのっとったニーズ、を実現するのであれば、目指すべきは「総合的な社会サービス法」なのだろうなあと感じます。日本ではまだ遠そうですが…。(続く

2012-12-31 15:11:58
蒔田備憲 @kusakanmuri_m

@naganoeiko また、「社会モデル」の理念で、改正障害者基本法の議論が行われたのに、「難病手帳」の議論はそれとまったく逆行する立ち位置から行われていると感じました。「なぜそうなったのか」の検証をしないと何度も同じ議論に迫られる気がしています。根が深いといいますか…。

2012-12-31 15:13:37
山本眞理 @naganoeiko

@kusakanmuri_m おっしゃる通りだと思います。障害者権利条約について実はまだまだ浸透していないと思います。総合福祉部会でもメンバーの多くは障害者権利条約のことご存じないというのが私の印象。改正基本法の文言の理解もまだまだ浸透していないと思います。根は深いと思います

2012-12-31 15:44:25