西住殿の戦車講話#5 「装甲と砲弾の歴史Ⅲ」

西住殿による装甲と砲弾の歴史第三回。 今回は徹甲弾の歴史であります。 大戦後からの火力インフレといいますか、貫通力の急激な向上は恐ろしいですよね…
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西住みほ @Miho_Nishizumi

105mmライフル砲用のAPFSDSには、ライフリングによる砲弾のスピンをなくすためのスリッピングバンドが取り付けられています。また、最近の戦車砲はほとんどライフリングのない滑腔砲になっています。APFSDSを撃つために適した砲だからです。砲身寿命が延びるという理由もありますが。

2013-01-11 22:31:14
西住みほ @Miho_Nishizumi

砲弾の装甲貫徹力は速度の自乗に比例、質量に比例して大きくなります。つまり、同じ質量の砲弾であれば速度を上げれば上げるほど貫徹力が上がる……はずですよね?ところがそうじゃないんです。

2013-01-11 22:33:50
西住みほ @Miho_Nishizumi

着弾時の速度が一定以上になると、穿孔の幅――つまり直径ですが――を広げることにエネルギーが使われ、穿孔の深さ――つまり浸徹力ですが――は大きくならないと言う現象がおきます。着弾時の速度が大体秒速2000m程度で効率が最大に達するそうです。

2013-01-11 22:36:33
西住みほ @Miho_Nishizumi

APFSDSの浸徹力は、長砲身の120mm55口径砲用のDM53で810mmといわれています(推測値)。陸上自衛隊の10式戦車が正式化にあたって55口径砲を採用しなかったのは、44口径で同等の性能を実現出来たからと言われていますので、新型徹甲弾の性能がすこし想像できそうですね。

2013-01-11 22:39:15
西住みほ @Miho_Nishizumi

とりあえず徹甲弾の歴史をざっとなぞってみました。本当はもっと複雑な理論ががあるんですけど、豆知識程度に知っておくならこの程度で十分かな。と言うわけで今回はこれでおしまいです。ありがとうございました。

2013-01-11 22:41:32