【テドカイ】永遠の願い

とある研究所で起きた、とある事件と男の希み。
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大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 舞台はとある研究所。すっごいでっかいの。そこではある組織の管轄する研究所で、研究員達はボカロを作っていた。そうして完成したのがカイト。けれどこのカイトは完成したけれど『完成品』じゃない。

2013-01-11 21:00:07
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 上からまだ完成しないのか、とせっつかれるんだけど研究員達はカイトを連れて行こうとしなかった。それと言うのも、カイトは大きな欠陥を抱えていたのね。

2013-01-11 21:01:10
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 完成したカイトには一切の感情がなかった。歌うどころか声を発する事すら出来なくて、ただ『いるだけ』の人形でしかない。ちゃんと感情プログラムは組み込まれているし、どんなにシステムを見ても穴はない。けれどカイトはずっと無反応のまま。

2013-01-11 21:02:20
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 研究員達は困り果て、なんとかしてカイトを『完成』まで持ち上げようと必死だった。そんな時。ふと、カイトが動き出すのね。カイトは喋らないし反応もしないけれど動く事は出来るから。そしてそのへんうろちょろするくらいなら今まであったから誰も気にしてなかった。

2013-01-11 21:03:52
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL このカイト、実は幼児サイズ。持ち運びが楽なようにミニサイズになってる。そんなショタイトが研究所の中をうろうろし始める。最初は誰もがただいつものようにただその辺うろついてるだけだと思ってた。けれど実は違うのです。

2013-01-11 21:04:48
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL ショタイトはある場所を目指していた。それは研究所をずっとずっと地下へと潜っていった所。カイトは研究所から外に出る事は許されないが、研究所の中は自由に歩ける(研究所の製品だから)それを利用して、カイトはずんずん地下へと潜っていってしまう。

2013-01-11 21:08:22
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイト開発チームのメンバーが中々帰ってこない(行方不明)なカイトを探し回るわけだ。そうしてカイトがいた場所は、研究所の最深部。そこでただ一人、じっと立ちつくしていた。目の前にある大きな培養液を見つめたまま。

2013-01-11 21:10:12
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 研究所の誰もが「帰ろう」と促してもカイトは嫌がるだけで従おうとはしない。そして、カイトは言うんですよ。培養液を指さして「僕の」って。その培養液の中にいるのはお約束通りテッドさんです。

2013-01-11 21:11:37
大崎巧実 @mboxtw

ちなみに、此処で目を覚ました。ショタイトが研究所員の手を引きながらずっと「僕の、僕の」って繰り返すそのシーンが目を覚ましてからも物凄い印象的だった……

2013-01-11 21:12:50
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 続き。しゃべり始めたカイトに当然研究員達は驚くわけだ。感情さえ出さなかったカイトが喋る上に眠るテッドさんの前から離れようとしない。不思議なその行動に困りつつも『完成』したことに喜んでた。しかし、それは『計画』の始まり。

2013-01-11 21:14:32
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 遠い遠い昔。その研究所にはとても優秀な研究員がいた。彼のいるチームはとある生物兵器を研究していた。その果てに生み出されたのがテッドさん。無限の命と、膨大な力を与えられた獣。そしてその男は彼の核を育てた者でもあった。

2013-01-11 21:16:22
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 核からテッドさんから生まれ、そして育っていく。その光景をずっとずっとその『彼』は傍に寄り添って見続けていたのです。そんな中。『彼』はテッドに対して情が移っていく。好きになっていく。その『彼』が『カイト』だったんです。

2013-01-11 21:17:51
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイトはテッドが無限の命を持ち、寿命で死ぬ事は無いと知っている。自分達がそう作ったんだから。けれど自分達は人間で。いつか老いて死んでいく。テッドを好きになったカイトはその『未来』に悩み、なんとかテッドと生きられないかとその道を探していく。

2013-01-11 21:19:47
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL テッドもずっと傍にいて愛してくれたカイトを自分の『主人』だと思ってる。他の研究員達の言う事はあまり聞かないけれど、カイトのお願いだけは良く聞いた。それだけ彼もカイトの事を好きだったから。そんな二人の関係は誰にも知られることなく続いていく。

2013-01-11 21:20:56
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そしてずっと悩み続けたカイトの前に、最高のチャンスが訪れる。研究所がスーパーコンピューターの開発に着手するという。しかしそのスーパーコンピューターに必要なものが足りない。膨大な演算をする為に必要なもの。それが『人間の脳』だった。

2013-01-11 21:22:33
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 人の脳を機械に組み込み、機械では出来ない柔軟な演算と処理能力を兼ね備え作られたそれは文字通り世界を震撼させるものとなるだろう。だが、それに組み込む『脳』が簡単に手に入る訳ではなかった。立ち消えになりかけたその案に、カイトは目を付けた。

2013-01-11 21:24:13
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そしてカイトは言うんですよ。自分の脳を使って欲しいって。それはある意味死刑宣告でもあったのだけれど、カイトは『未来の為に』と研究員達を説得する。そうして、カイトの脳はスーパーコンピューターに組み込まれ、研究所の膨大なデータを蓄積していく。

2013-01-11 21:25:37
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイトの事は研究所では『名誉の犠牲』とされていた。人類の未来の為に犠牲になった若者だと。事実、カイトを飲み込んだスーパーコンピューターは世界のどんなものをも凌駕し、君臨し続けた。そうして、その研究所で『カイト』は生まれるわけです。

2013-01-11 21:27:11
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 『カイト』はスーパーコンピューターと実は繋がっている。研究所にある全ての装置はカイトが演算処理をしているから。そして『カイト』が生まれた時。カイトの『計画』が発動したのです。すべては、自らの望みを叶える為に。

2013-01-11 21:31:03
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 『カイト』の身体を借りて、カイトが動き出す。研究所の最深部で眠りについているテッドに逢う為に。カイトが死んで、テッドを誰も制御する事が出来なくなった。『危険』と判断されたテッドは凍結されて研究所の奥でずっと眠っていたんですね。

2013-01-11 21:33:13
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイトは『カイト』の身体を得て、テッドに会いに行く。カイトの望みはただ一つ。テッドと永遠を生きる為。カイトがあの時言った『未来の為』は人の未来ではなく、自分達の未来の事だったんです。そうして、カイトの計画は果たされるのでした。

2013-01-11 21:35:05
大崎巧実 @mboxtw

……というお話。相変わらずパターンというか何というか。まあ、それが好きなんだもの。

2013-01-11 21:35:29