赤い糸か…ある日赤い糸が見えるようになった伊作。学園中の恋愛事情に詳しくなる伊作。しかし、よく見るともう少しで繋がるのに長さが足りなくて繋がれていない糸同士がある事に気づく。それからというもの伊作は自分の小指から伸びる糸を使い、繋がりきれない糸同士を結びつけるようになる→
2013-01-13 20:31:57→ある時それに文次郎が気づく。文次郎も赤い糸が見えるようになっていたのだ。「伊作!お前何しているんだよ」「見られちゃったかw何て言うか…幸せの手伝い、かな」「だからって自分の糸切ってまでする事ないだろう!」憤る文次郎に伊作が苦笑し答える「だって、もう僕の糸は繋がる事、ないから」→
2013-01-13 20:37:23→数ヶ月前、同室の留三郎が亡くなった。冷たくなった留三郎の手を握り締めていた時に自分と留三郎の間に赤い糸が張っていたのに気づいたそうだ。「糸が見えるようになったのはあの時からなんだ。きっと神様が僕の代わりに皆が幸せになるようにしてくれたんだね」→
2013-01-13 22:02:34→そう言って伊作は自分の小指に3寸ほど残った赤い糸を解き文次郎に手渡した。「はい、文次郎。これが最後の糸だ。君も幸せになってね」にっこりと微笑む伊作を無表情で文次郎は睨む。「お前は本当にそれでいいのか?」その問いに笑顔のまま静かに頷く伊作は、とても哀しそうだった。→
2013-01-13 22:07:52→「わかった。じゃあこの糸は有効に使わせてもらう」そういうなり文次郎は自分の糸に伊作の糸を結びつけその先を伊作の小指にぐるぐると巻きつけ始める。慌てる伊作。「ちょっ!何するんだ文次郎!同情か?!」慌てて手を引こうとする伊作の手首を文次郎は握りしめそのまま自分の方に抱き寄せた→
2013-01-13 22:12:12→「多分お前はまだ留三郎の事好きだろうし、お前は俺の事嫌いかもしれん。が、お前の糸はもう俺のものだから」さらにきつく伊作を抱きしめる文次郎。「また赤い糸が切れるその日までそばにいてやる」伊作の顔が押し当てられた胸元から、嗚咽の声が漏れ始める。文次郎は優しく伊作の頭を撫でた。→
2013-01-13 22:21:32→「多分お前はまだ留三郎の事好きだろうし、お前は俺の事嫌いかもしれん。が、お前の糸はもう俺のものだから」さらにきつく伊作を抱きしめる文次郎。「また赤い糸が切れるその日までそばにいてやる」伊作の顔が押し当てられた胸元から、嗚咽の声が漏れ始める。文次郎は優しく伊作の頭を撫でた。→
2013-01-13 22:21:32