ソウサクの種まとめ2
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「あっかんべぇと舌を出す」そうして彼は私の前から消えました。さる5月のお話です。木々が青く煌めいておりました。彼と秘密基地を作った倒木からは新芽が出ていて、窪みに水たまりができていました。
2013-01-13 18:42:47「こたつむり2」こたつの中は魔界でした。こたつから出れない貴方、一度中を覗いてはいかがですか。こたつむりが貴方の脚を掴んで離しません。
2013-01-14 22:00:31「足音たかたか」マンションに住んでると他人の足音が妙に愛おしくなります。上からたかたかたかたか…ドタン。おかえりなさい、ベットにすぐに潜り込んではダメよ。足音だけで恋した少女。
2013-01-14 22:02:41「20回目のごめんなさい」たかしくんは懺悔します。過去の自分が描いた未来をことごとく踏みにじってきました。スーパーマンになりたい、無理でした。運動神経抜群、無理でした。あの高校へ行きたい、無理でした。彼女をつくりたい、無理でした。あの会社へ就職したい、どうでしょう。
2013-01-14 22:48:18「20回目のごめんなさい2」また無理なのでしょうか。また過去の自分へ謝り続けるのでしょうか。あの会社へ就職したい、できました。結婚したい、できました。子供の結婚式で大泣きしたい、できました。ごめんなさいは20回で十分です。これからの80回はありがとうが言いたいのです。
2013-01-14 22:53:28「ハイリスクノーリターン」分の悪い賭けを誰もがしてる。あいつもそいつもそして私も。学園生活に潜む人生ギャンブルの話。
2013-01-15 21:00:22「くしけずる」所詮道具と侮るなかれ。貴方なんかよりよっぽど有意義に生きています。 付喪神の意地の話。九十九髪の意地の話。
2013-01-16 17:16:07「宝箱の行方」子供の頃大切にしていた宝箱。中には何が入ってたんだっけ、どこへいっちゃったんだっけ。この家のどこかにあるはずなんだ。 家捜ししだした男があちこちから出てくる家族の軌跡や昔の自分と見つめ合う話。
2013-01-16 17:40:22「ネジ巻の仕事について」貴方もこんな仕事に着きたいだなんて変わった人ですねぇ。よろしい、では教えましょう。ネジを巻くのです。人の中にある、ありとあらゆるネジをきっちりと。そうしないと人の心臓というものは止まってしまう欠陥品ですからね。どうです、いつから働けますか。
2013-01-17 10:06:17「輝く言葉」文字列の中から光ってる文字を見つけのです。それを組み合わせると文章になるのです。キラキラ光るのは美しい文章。ドロドロ瞬くのは鬱々しい文章。ガラガラささめくのは慈しむ文章。つぎはぎで作りコーティングして胸を張るのです。私はまだできないのですが。 #twnovel
2013-01-17 15:06:35「箱箱ボックス」四角四面を積み立てって私達の体はできてます。この世で丸いのなんて地球だけです。四角四面が丸い球体にしがみつくなんて余りにも滑稽失笑。繋げている接着剤が無かったらすぐにバラバラになっちゃうのにね。あはははは。 #twnovel
2013-01-17 15:16:28「捻りだせ精神」頑張って踏ん張って涙を流しながら捻りだした精神を毎日消化しております。いつも私達は空腹で飢えておりますので、他人様の精神がたいそう美味しそうなご馳走なのです。化かしあい奪いあい貪りあうことでようやっと明日を休憩できるのです。さぁ貴方を頂きます。 #twnovel
2013-01-17 15:21:37「むくむくむくみ」育て育て疲労感。学べ学べ歩き方。いっぱい転んで怪我して泣きわめいてやっと歩ける走れる跳べるのです。そうしてまた躓いて引きずって持ち上げて、嘲笑を受けながらも恐々一歩踏み出すのです。一歩、また一歩二歩三歩。 #twnovel
2013-01-17 22:38:58「センター試験」一年に一回、自分の立ち位置を決めるセンター試験が始まります。去年はコミュニケーション学で躓いたので、コミュ障キャラになっちゃいました。今年こそは高得点とってリア充キャラになりたいですね。
2013-01-18 21:26:33「ある輝く星の日の話」“お前があんまりにも星をとってくれと泣くものだから父様は笑って、よしよしいつか袋いっぱいに星屑を詰めて届けるからな、と仰ったのよ”とお母様は笑った。お父様はとうとう帰ってはこなかったけれど、ある綺麗な月の夜に小包だけが戸口に置いてあった。 #twnovel
2013-01-18 22:16:07「ある輝く月の日の話」“お父様、あのお空の星をとってくださいな”と娘は泣きながら言った。その姿があんまりにも可愛いので思わず柄にも合わない事を言ってしまった。私はとうとう帰ることは出来なかったので、せめてもの償いに地面に広がる星屑をすくって仲間に託したのだ。#twnovel
2013-01-18 22:31:08「鎧の重さで沈んでしまう」屁理屈言い訳防衛心でがっちがちに固めたこの体。誰かの主張を跳ね返すのには都合がいいけどさりとて自分からは動けない。それでも止まっているとたちまち沈んでしまうので思わず鎧を脱ごうとするけど、運動不足のこの体にはそんな体力ありゃしない。あーあ。
2013-01-18 22:51:49