金木犀さんの「韓国・羅老ロケットに関する私的考察」

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

韓国・羅老ロケットに関する私的考察をちょっとつぶやきます。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

2013年1月30日16時、韓国が、初の人工衛星打ち上げロケット「羅老」の打上げに成功しました。打上げ好きの私としてはたいへん嬉しいことで、心から祝福したいです。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

韓国は世界で11番目の打上げ成功国となり、「宇宙クラブ」は新たな会員を迎えることになりました。これで、日本海を囲む国は、全てロケットの打上げに成功したことになります。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

さて、そうなると、かの国のロケットはどの水準にあるのかが気になりますが、私は、かつての日本にたとえるならN-I（1975-82年運用）に達したくらいではないかと見ています。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

N-Iは、日本が初めて保有した衛星打ち上げ用の液体燃料ロケットですが、そのコア技術のほとんどはアメリカのデルタロケットに由来するもの。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

N-Iを構成する全3段＋ロケットブースタのうち、自主開発によるのは2段目だけ。それも、アメリカの技術者による指導がずいぶん入っていると聞きます。状況は今回の韓国によく似ているのではないかと思います。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

ただし、韓国が羅老号に至った事情と、日本がN-Iロケットに至る事情は大幅に異なるので、同列で論じることは出来ません。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

日本はN-I導入以前に、完全独自技術のL-4Sロケット（固体燃料）で、すでに人工衛星の打ち上げに成功していました。よって、アメリカの狙いは、将来の日本の液体ロケットを自国技術の傘下に置き、脅威とならないようにすることでした。ですから技術導入もスムーズに行ったのです。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

今回の韓国の場合は、そうしたバックボーンがありません。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

韓国もロケットを持っていないわけではなく、かつて固体燃料の観測ロケットを3機種、開発しています。KSR-1、2、3です。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

今回2段目に用いられたのがその韓国製固体ロケットのKSR-1でしたが、これは日本で言えば1960年代後半のIGSの頃のカッパロケット、K-6からK-9型に相当する性能で、とても衛星打ち上げが出来るような物ではありません。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

当然ながら、多段式ロケットは1段目がなければ飛びませんから、そこが一番コアな技術と言えるわけですが、韓国は今回、そこをロシアの物を買ってきて済ませました。ここが問題です。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

種々の（主に政治的人的な）トラブルのせいで、どうやら当初契約通り、3機をもって羅老号は終了となりそうな流れです。つまり、今後の継続的な技術導入はないということ。韓国は、新たに1段目を探してくるか、自主開発するかという選択を迫られているのです。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

ここが日本との大きな違いです。日本はN-I、N-II、H-Iと三世代、実に20年にわたってデルタ系の技術供与を受けることができ、一貫した技術体系の元で少しずつ自国のロケット技術を向上させることが出来ました。ある意味の理想型です。その集大成が、完全国産のH-IIだったのです。＞

金木犀@日曜東サ-02ab @kin_mokusei

今後韓国の宇宙開発は大きな曲がり角を迎えることとなります。願わくば順調に進むよう願ってやみません。（以上）