いやぁ素晴らしい対談でした。ぜひ読んで、競馬ファンはみんな自転車に乗ってもらいたいくらい。そしたらレース中の騎手の気持ち、感覚も少し分かるかも!? RT ユニオン会報 「My horse」2013年1月の武豊と別府史之の対談 http://t.co/Uy6NXoKv
2013-02-02 18:00:24ユニオン・ホース・クラブの会報誌「My horse」2013年1月号より、ジャパンC翌日の2012年11月26日に行った【武豊×別府史之】の新春Special Talk より抜粋。
2013-02-03 00:06:43【武×別府対談】 「日本を代表する騎手として、また、海外の舞台でも活躍する武豊騎手。ヨーロッパを中心に海外のサイクルロードレースの舞台で活躍するプロサイクリストの別府史之選手。競馬とサイクルロードレース。それぞれ100年以上の伝統を誇る世界で戦い続けるお二方の夢の対談が実現」
2013-02-03 00:06:55【武×別府対談】 武「(ヨーロッパは)競馬に対する庶民の感覚が、日本とは違いますね。すごく身近な存在です。昨日(ジャパンC)なんて特別異常な空気じゃないですか。あれはあれで日本の競馬の文化なんだけど、向こうでは老夫婦が孫を連れてとか多いですね」
2013-02-03 00:07:06【武×別府対談】 別府「ヨーロッパでは一般市民と馬との距離が日本とは違うように感じました。それに、競馬には名馬の家族の歴史を表す物があるというのも興味深いです」 司会「血統表のことですね。〝家族〟という響きは良いですね」
2013-02-03 00:07:15【武×別府対談】 別府「今の日本の競馬のイメージでいくと、誰が勝った、馬券が当たった、それでいいじゃないかというイメージが強いのですが、それだけじゃつまらないんじゃないかなと」
2013-02-03 00:07:29【武×別府対談】 別府「自転車にも歴史があって、オリンピックでもロードレースは第1回のアテネ大会からありましたし、ヨーロッパの歴史あるクラシックレースなどはだいたい100回は超えています。ツール・ド・フランスも来年が100回で、歴史的には110年になります」
2013-02-03 00:07:37【武×別府対談】 別府「パリ~ルーベというクラシックレースでは1日250キロ走る中でだいたい80キロは石畳を走るんですが、ヨーロッパの街並みで見るおしゃれな石畳じゃなくて、農道とかにあるような石畳なのでひどくデコボコ。そこをどろどろになりながら走るんです」
2013-02-03 00:07:46【武×別府対談】 別府「僕らはそうした歴史、クラシックという文化を大事にしていきたいとおもっているんです。自転車も紳士的なスポーツとして始まっているので、僕も時代を変えて同じ道を走っていることが誇り高いですね」
2013-02-03 00:07:55【武×別府対談】 武「ヨーロッパの競馬場って(中略)競馬場を作ったのではなくて、「ここでやろう」ってやったものだから。(中略)日本はわざと坂を作るじゃないですか。そういう馬場と、初めからあった場所でやるのとは全然違うんですよ」
2013-02-03 00:08:08【武×別府対談】 別府「自転車に対するスポーツとしての考え方、文化が浸透していない、日本での歴史が浅いからなかなか認められていない部分がある」 武「競馬も同じですね。日本ではギャンブルとしては確立されていますが、競馬という文化としては違いがあることは否めない」
2013-02-03 00:08:17【武×別府対談】 別府「日本のレースとヨーロッパのレースに大きな違いを感じていて、例えば競馬もそうだと思いますが、集団走行ひとつにしてもヨーロッパはその密度が半端ないんです。少しの隙間にサッと入っていくし……」
2013-02-03 00:08:28【武×別府対談】 別府「そもそもロードレースのテクニックというのが日本では遅れていて、日本だとちょっと近づくと「危ない!」って声が出るくらいなんです。競馬も集団で走るじゃないですか。(中略)他の競技では言い表せない部分があるのかなと感じました」
2013-02-03 00:08:39【武×別府対談】 別府「競馬もあのスピードで走っていれば風の抵抗は絶対あるわけで、集団走行からの先行抜け出しや捲りがあったり、限りなくロードレースと近いなと思いましたね。ただ、一点、乗るものが自転車と生き物である馬という点が違う」
2013-02-03 00:08:50【武×別府対談】 別府「真後ろにつけることが一番風の抵抗を受けませんからね。後ろにつけることで50%くらいの力で走れるんですよ、自転車の場合。そのまた後ろだと更に半分になって25%になる。後ろに行けば行くほど少ない力で走れますから」
2013-02-03 00:08:59【武×別府対談】 別府「実際、集団の中ではハエもハチも自由に飛べるんです。時速60キロのスピードで走っていても集団の中は風の流れがないので、普通に蝶とかも一緒になって60キロのスピードでバーッと動いているんです。その感覚って不思議じゃないですか?」
2013-02-03 00:09:08【武×別府対談】 別府「体幹というか。日常生活で車輪があってペダルを踏むというのは普通ない動きですから、そこでバランスをとらないといけない。そういった部分でダイレクトに車輪に力が加わるようなトレーニングが必要」
2013-02-03 00:09:17【武×別府対談】 武「バランスというのはけっこう重要で、左右対称というのは意識していますね。同じ体重計を2つ並べて同じポジションに立って無意識にパッと乗ります。まったく同じ数字になるようにしないといけないと思っているんです」
2013-02-03 00:09:26【武×別府対談】 武「僕は調教は苦手なんですけど、競馬はドンピシャわかるんですよ。ゴールしてよく言うんですが、「これ1分35秒3か4だぞ」って。(中略)それは自信あるんです」
2013-02-03 00:09:37【武×別府対談】 別府「僕もトレーニングの時に距離を乗るのではなくて、時間で乗ることがあるんです。それで5時間をチョイスして同じ道ではない所を走って、家に着いたらぴったり5時間てことがある」 武「その感覚もすごいなー」
2013-02-03 00:09:46【武×別府対談】 別府「自転車のレースって5分とか10分とか平気で集団と集団の差がついちゃうんです。それをどのタイミングでゴール前で抜き去るかという計算をするんですよね。だいたい1分を10キロペースで削っていくんです。10分だったら100キロかかるという計算をして」
2013-02-03 00:09:54【武×別府対談】 別府「逃げている集団もタイムを計算されないように、ペースを遅くしたり速くしたりするという計算をするんです」
2013-02-03 00:10:03【武×別府対談】 別府「あまり人気のない馬が逃げ切ったじゃないですか。ロードレースでもホントは抜き去るつもりだったのに、そのまま逃げ切ってしまうこともあるんです。そういう場面を見ていて、競馬とロードレースって似ているところがあるんだな、と感じましたね」
2013-02-03 00:10:12