【レポート】在日二世・新井深絵さんトーク＆コンサート【人権・差別】

腐ォトショッピー @IWD1_PhotoshoP

トーク＆コンサートは「９０分」と言うてましたが、実際は１２０分で、１８：３０～２０：３０までありました。５００人収容のホールのうち、埋まっている席は４５０くらい。総じて中高年が多く、１０歳くらいの子供は２人でした。私の両隣は７０歳位上の御老婆。

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右の婆さんの歯ぁか胃ぃから沸いてくる臭いに耐えながらメモしていきました。なんか酸っぱいというか、腐った臭いというか、そんなんです。アンケート用紙の「７０歳以上」の所に印を付けていたので、年齢はそれくらい。

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最初に女性の司会者と手話の人が出てきて、５分程度原稿読み。「いまだに部落差別も残っていますが…」のセリフで耳が反応。ピクン！ｗ　まあ、最後まで聞いてみようぞ。

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その後に舞台の幕が上がって、１０人ほど椅子に座ったスーツのおっさんらを司会者が紹介。このおっさんらは誰かと思ったら、各区長や地元選出の国会議員らでした。名前の紹介と、短い挨拶のみ。

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「各区長や地元選出の国会議員紹介」は、俺が主催者だぞアピールか、地元の国会議員アピールか。これは別になくても良かったとは思います。

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舞台の用意があるとのことで、数分待機。拍手の中、新井深絵さんがホール背中側から観客席の中を歩きながら登場し、舞台へ。肩無しの赤いワンピースドレスを着て、マイクを持ってしゃべります。舞台の左側にはグランドピアノと女性のピアニストさん。

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ここから、しゃべりと歌との交互で進行していきます。２曲歌って、自分の昔話を面白おかしくしゃべって、の繰り返しな感じです。歌った歌は１０曲くらいかな。英語の歌詞、日本語の歌詞、朝鮮語の歌詞、ゴスペル、民謡、大阪ラプソディ、ソーラン節、自作曲歌などなど。

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新井深絵さん「若い頃の歌は覚えてるでしょ」と言われても私には聞いたこともないのばっかりでわからんｗ　客席の９割以上は中高年だったので、そういう世代向けのイベントだったのかと。隣の婆さんも一緒になって歌っていました。

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新井深絵さんの本名は「ボク」と言うそうです。たぶん漢字で書くと「朴」でしょうか。「（日本名と韓国名）２つの名前を持っている」と言うてました。親は済州島出身で、高校生のときに生活のために日本に渡り、日本で知り合って結婚したとのこと。本人は在日韓国人二世。

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小中学校は日本の民族学校へ通っていたとのこと。高校進学前、母親から「（日本人が通う普通の）公立高校行ってみたら」と言われ、悩んだ末に受験し、「落選してもええねん」とも思ったこともあったが、合格した。

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高校に進学。「自分が在日韓国人なので、バカにされると思っていた」「なめられないように悪ぶっていたが、自分が壁を作っていただけだと気づいて辞めた」。悪ぶりは、みんなブラウス着ているのに独りだけジャージを着ていたりなど。友人「なんでジャージ着てたん？ｗ」深絵さん「言えるかいな＾＾；」

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高校ではお弁当。母親が韓国料理店をやっていたので、弁当はいつも店の残り物で嫌だった。父親のお下がり銀色の弁当箱、フタで半分覆い隠して食べていた。他の子は、赤や緑や色鮮やかな串が刺さった可愛い弁当だった。

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神仏（？）進物（？）用の残り物が弁当の中身だったとき、嫌でフタを閉めた。大石君「なんで食べへんの？」新井深絵「おなか空いてないねん＾＾；」大石君「うっそや～ｗ」「あ！これ見たことあるで！めっちゃええやつやん！」クラスの子が集まり「ちょっと食べてもええ？」「めっちゃおいしいやん！」

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高校では、友人とこういう感じのやりとりもあったそうです。「私を韓国人って知ったとき、私のこと嫌いになった？」「ううん、なんで？　深絵は深絵やん」

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大学へ進学。教師を目指していたので、教育（科？）。そこでは「韓国籍がどこへ行っても引っかかる…」ようになる、就職活動。意気消沈。自分から“韓国”を消していく。韓国民謡のテレビを見ないようにしていった。

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親がいないときテレビで韓国民謡を見た。Ｔシャツがどぼどぼになるほど泣き濡れた。「（韓国籍が就職の足を引っ張っているが）私は私なんやな…」

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新井深絵さんには１歳年下の弟さんがいるとのこと。両親と弟と一緒に初めての墓参りで済州島へ行く。深絵さんも弟さんも大泣き。体が何かを感じたとのこと。

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そして社会へ出て仕事をするようになる。具体的な職業は話されていませんでした。仕事へはなんとか行くものの、家では部屋に閉じこもり。友人が外へ連れ出そうとするが、友人の前で空元気（からげんき）を見せるばかりに。

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そんな折り、交通事故に遭い、無職に。何かのきっかけで、病院の先生に「ニューヨークへ行きたい！」と言い続け、「この薬とこれを持って行ってちゃんと飲むんやで」と許しを得て、一週間の渡米。現地の教会に入って驚いたのがゴスペルだった。「シスターが歌って踊っているんです！」これがきっかけ。

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教会とは静かで厳かな雰囲気だと思っていたが、シスターが大きな声で歌って踊っていることにびっくりしたと。「ゴスペル」は、「ゴッド・スペル」、神の言葉という意味だそうです。

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そして、「英語の（教員）免許」も取ろうと勉強しようとしていたところ、民族学校から声がかかり、受け持つことになった。民族学校は多国籍。在日韓国人だけが通っているわけではない。「日本人、韓国人、アメリカ人…（肌の色、言葉、文化など）みんな違って当たり前なのは子供が一番知っている」

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受け持っていた高校２年の生徒は、「どうせ俺なんか…（努力しても報われないし）」という子が多かった。そこで生徒へ向けた歌を作曲。曲名は『サララ（朝鮮語で「生きよう」）』。生徒の前で歌うと「はい、聞いてやったぞ」と上から目線で返されるが、「じゃあ先生のも聞いてや」と逆手に利用。

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それから２年、体力的に無理になってきて、教師を辞める。辞めた後、元生徒がやってきて、「私教師になるわ。先生がしてくれたことを子供らにしたらええねやろ」と。この子は（授業中）一番話しを聞いてくれなかった女生徒だったのです。

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ご自身の生い立ち話はこんな内容で、冗談・ボケツッコミ・大阪のおばちゃんギャグなども取り混ぜながら、力強く明るいしゃべりでした。

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歌は、さすがにプロの歌手で、ニコニコ動画の「歌ってみた（）」とは月とスッポン以上の差がありますよ。歌唱力が全然違います。観客に「オーヘピーデー」の練習をさせたり、合いの手や手拍子をさせたり、求心力も高いです。これが区の主催で無料で聴けるとは、おいしい税金の使い方です。