『日本人は何を考えてきたのか』第２回～自由民権 東北で始まる ～

meme-mimi-hifuhifu @SenseStroll

１３０年前の明治の初め、草の根の東北の自由民権家たち。。

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天明天保の大飢饉で人口の２/３ほどが死亡し、戊辰戦争で会津藩敗れ、貧窮にあえぐ福島の浪江町の民、一揆は起こさず、言論によって政府と闘う村の自由民権活動家の刈宿仲衛に希望を託す。

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刈宿の演説「東北の人々は一山百文などとあだ名をつけて嘲弄されている。天が人間を生ずるにあたって東西の区別を立てるだろうか。西の人も人間であり、東の人も同じ人間だ。この梅を見よ、関西の梅も西洋の梅も同じ梅だ。ただ気候風土が違うために花が開く時期が遅かったり速かったりするだけなのだ。

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そして梅の木が花を咲かせ身を結ぶのは、その根元に栄養をほどこしているからだ。我々もまた同じ、努力して知識を磨き自治の精神を養うことで自由の権利を伸ばし国家を安泰にできるのだ。」若き民権家たち、フランス革命・アメリカ独立に心を熱くし西洋の政治思想を吸収し、全国を飛び回り演説。

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そんな中、三島通庸が福島県令に就任、その使命は福島自由党の撲滅と会津三方道路の建設。この道路建設のルートは遠回りで不便であり、自由党が大半を占める県議会で否決される。

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しかし三島は強硬。全ての成人男女が労役に課せられ、しかも農繁期の労役で、働けない者は代夫賃を払わされ、払えなければ財産を差し押さえられた。

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民権家はこの不当な仕打ちに抗議するも逮捕される。

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逮捕に憤った農民千数百人、喜多方警察署へ釈放要求。武力による抗議ではなく言論による拘留理由の問いただしの座り込み。しかし何者かが署に石を投げたことを口火に警察、農民に斬り込む。（福島喜多方事件）

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これを機に三島、自由民権運動を徹底的に潰しにかかる。福島県下の農民千人と自由党員多数逮捕される。

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刈宿仲衛も自宅で逮捕。獄中,友人の死を悼む記録「風雪の中に直立せしめられ乱打せられ苦痛堪え難く顔色焦燥し、また前時の壮勇なる風姿なく…」つまり刈宿も同じ拷問を受けていた。

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刈宿の獄中書簡「私は犯罪を犯したつもりは全くない。ほどなく公明正大な判決が下ると信じている。私の目的は今の官吏を退けて自分がその地位を占めることではない。人間の自由を保全し人民の権利を拡充し幸福を増進して世の中の改良を図ることが目的なのだ。」

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三島、東京に戻り内務省土木局長に。事件から２年後会津三方道路完成。以降、内務省が主導権を握り地方を開発することとなる。

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三島通庸のwikiより「三島は増税や労役賦課、寄付金強要を行なうなど、批判に対しては弾圧一辺倒であった。」

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苅宿は晩年、福島県会議員を務めながら道路の改修や鉄道の敷設に努め、浪江の発展に精力を傾けた。

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色川大吉（東京経済大学名誉教授）「農村は労働として豊かで、工場制手工業も農村ではじまり、お茶や絹糸は品質のいい輸出品であった。しかし農村の発展に沿って国力を拡大してゆく発想が政府にはなかったので、地方は借金や重税に苦しめられ、秩父事件、群馬事件、飯田事件など民衆蜂起が起こった。」

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樋口陽一（東北大学名誉教授）「社会の富と力は地方にあって、政府がそれを吸い上げるだけ吸い上げて富国強兵・軍事増強を押し進める路線と、地方の富と活力と国力とを同時に発展させてゆく路線との打つかり合い。そういう中、徹底して自由平等・地方自治を説いた植木枝盛。」

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植木枝盛：板垣退助の側近として自由民権運動の言論をリードした人。

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植木２５才にして憲法を起草http://t.co/9MNfTiJV

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（（（人は生まれながらにして自由かつ平等である）））第４２条　日本の人民は法律上に於て平等となす。

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（（（ほぼすべての自由権は無条件に保障）））第４３条　日本の人民は法律の外に於て自由権利を犯されざるべし。

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（（（抵抗権・革命権の規定がある）））第７１条　政府官吏圧制を為すときは日本人民は之を排斥するを得。

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（（（全国を７０州に分け地方分権を唱えた）））第９条　日本聯邦は日本各州に対し其州の自由独立を保護するを主とすべし。

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植木は自治の単位が小さければ小さいほど民主主義が徹底できると考えていた。

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高知市近代史研究会の公文豪会長「自由民権家たちは、血を流し言論弾圧を受け２か月３か月と投獄された人が何百といた。命をかけて自由を求めて闘っていた。

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そういう状況の中で植木枝盛は、当時の世界が到達していた人権思想を学び、現実に自分達が闘っている問題と結合させて憲法を組み立てていた。