昨年末に行われたキャラ人気投票の抽選プレゼント用に、駒都先生に直筆サインを頂いたのですが、いやもうこれが大変でした。なにか大変だったかというと、伸縮性に富んだ抱き枕生地にサインをするのが、です。
2013-02-13 18:23:54先月の某日、駒都先生のお仕事場に抱き枕持参でおじゃまして、「さあ、ちゃちゃっとサインをお願いします!」と張り切っていってみたわけですが、まあ書けない。マジックでサインしようとしても、生地が逃げてしまってまともにペン先が走らない。
2013-02-13 18:31:28さっそく貴重な抱き枕一枚を無駄にしてしまい、わたしと駒都先生は頭をかかえました。ほんの軽い気持ちだったのに、抱き枕生地にサインするのがこんなに難事業だったとは……
2013-02-13 18:33:39高額な抱き枕をこれ以上、無駄にするわけにもいきませんし、ユーザーさんたちに事情を説明して別のものにサインする形に変えましょうか? と安全策をすすめるわたし。それに対して駒都先生は静かに、かつ厳かに首を横に振ったのです。「それじゃだめだ…!」と。
2013-02-13 18:43:46最初にサインを試みた予備抱き枕を、練習用の捨て石にすることにして、いろいろな手段を試みました。まずは後ろに板をあてて、布に適度なテンションを作り出すのはどうだろう?…しかし想像を超えた抱き枕の柔軟性は、少々生地をつっぱらせた程度ではペン先をスムーズに滑らせてはくれません。
2013-02-13 18:53:23じゃあ、もっと生地をつっぱらせれば……? いや、だめだ! これ以上、生地にテンションを与えると、書き終えたあとに生地が縮んで、なに描いたかわからなくなる! 駒都先生はギリリとマジックを握りしめて無念そうにつぶやきます 。
2013-02-13 18:58:47プレゼント用に直筆サインを貰いたかっただけなのに、なんでこんなことになったんだろ…もう、その辺にあるA4コピー紙にサインもらって、それを同封すればいいんじゃないかなぁ…わたしがそんなことを考えていると、「別にマジックで書かなくてもいいんじゃないか?」駒都先生の目が輝きました。
2013-02-13 19:03:42駒都先生がとった驚愕の手段とは!? 明日の夜、「駒都えーじ抱き枕・直筆サインへの道」後編を投下しますのでお楽しみにっ!!
2013-02-13 19:07:03……「駒都えーじ抱き枕、直筆サインをプレゼント!」 ほんの軽い気持ちで告知したことが、大変な自体を引き起こしつつあった。
2013-02-14 18:00:39果てしなく伸びる生地、歪む筆跡、にじむインク。……抱き枕生地への直筆サインは不可能。だれもが(というかわたしが)そう思ったとき、青年は言った。「やってみせる、いや、やらなければいけないんだ…!」
2013-02-14 18:03:22青年(時に美少女)の名は、こつえーor駒都えーじ。これはユーザーさんへのサービスに手間と時間を惜しまなかった、あるイラストレーターの記録である。
2013-02-14 18:05:59伸縮性に冨に富みすぎた抱き枕生地へのサイン直書き。この難事業を前に、わたしがくじけかけた瞬間、駒都先生の目が光りました。「……なんでマジックでサインができないのかを、まず考えてみよう」
2013-02-14 18:13:42「マジックと生地の間の摩擦が強すぎて、伸縮性のある生地がサイン不可能なほどに引っ張られてしまうからじゃないですか?」と、わたし。「そう、それだ! それこそがすべての元凶! 摩擦さえ、摩擦さえクリアできれば!」駒都先生は跳ね上がるように立ち上がると、仕事場の奥に駆け出しました。
2013-02-14 18:17:36駒都先生が向かったのは、まるで模型屋のバックヤードよろしく周囲の壁一面に未開封プラモデルのパッケージが積み上げられた小部屋。──駒都先生が模型製作の際にこもるプラモ部屋でした。
2013-02-14 18:21:45「生地に摩擦をかけずにサインする方法、これしかない!」。コンプレッサー、スイッチON! うすめ液、準備OK!……そうです、なんと駒都先生は、模型製作用のエアブラシでサインを試みようというのです。
2013-02-14 18:26:12そんな無茶な!?…とわたし。しかし駒都先生、「ノズルを絞れば、サイン可能なくらいシャープな線をひける可能性はある!」と、愛用のエアブラシを手に取りました。「よし、まずは試し書きだ!」
2013-02-14 18:28:17熟達の手業で、エアブラシでサインの試し書きをはじめる駒都先生。……わたしは息を飲んで、その様子をみまもるばかりです http://t.co/QrAx6iib
2013-02-14 18:30:19A4コピー紙に筆致も明らかに「駒都えーじ」のサインが描かれてゆきます。あ、なんだかコレ、いけそう。わたしがそう思った瞬間、駒都先生の手が、はたと止まりました。「……ダメだ」
2013-02-14 18:34:13「線にシャーブさが足りない……!」ペンで書くようなスピードでさらさらとエアブラシを動かすと生地への塗料のノリが全然足りず、かといってジワジワゆったり動かせば、サインに求められる生きた線が引けない……と、いうことでした。
2013-02-14 18:40:56次の手段を考えはじめる駒都先生。夜遅いこともあって、わたし的には内心うんざりしてきましたが、駒都先生はなんだかとても楽しそうです。
2013-02-14 18:44:02エアブラシ作戦は失敗しましたが、プラモ部屋に場所を移したのは成功のようでした。なにしろ、ここには駒都先生の趣味のウエポンが大量にあるのです。「摩擦がかからなければいい……なら、こいつはどうだ!」
2013-02-14 18:46:11駒都先生が手にとったのは、筆塗り用の面相筆。これに現在絶版中の貴重な水性エナメル塗料を浸し、ふたたびサイン開始です。 http://t.co/ruWwF2Ih
2013-02-14 18:50:31