高「卒業しちゃうなんてな〜……な〜んか、信じられなくてさ」緑「……ああ」高「引退してもさ、けっこう部活に顔出してくれたりしてたじゃん?」緑「そうだな」高「卒業したらさ…もう、めったに会えねーじゃん…」
2013-02-28 21:04:56緑「……高尾、泣いても仕方ないだろう…」高「だってさ…、じゃあ真ちゃんは…真ちゃんは寂しくねぇのかよ?」緑「……」高「…なんてな…冗談だよ、分かってっから。真ちゃんが俺と同じ気持ちってこと」緑「……そうか」高「へへ…」緑(…無理して笑うな、馬鹿め…)
2013-02-28 21:07:00高「木村さんはぶっちゃけ最初は顔が恐くてさ、ちょっとビビってたの、オレ」緑「そうだったのか?」高「最初はね…でもさ、笑った顔がめちゃくちゃ優しいんだよな。一番よく喋った先輩かも」緑「…気さくな人だからな」高「……うん…木村さんと話すと、すげぇ楽しかった」
2013-02-28 21:08:44緑「……洛山戦の時に俺が宮地さんにパスを出せたのは、木村さんのおかげだからな」高「そうだったね」緑「敗北が頭をよぎった時、秀徳の誇りを思い出せと叱ってくれた」高「……『不撓不屈』…」緑「…もう忘れることは無いのだよ」高「ああ…、俺もだ」
2013-02-28 21:09:03高「大坪さんは…ホント厳しい人だったよな…」緑「…そうだな」高「デケーし、オーラが凄くてさ…」緑「…ああ」高「オレさ、騒いでたらいっつも怒られてさ、」緑「そうだったな」高「…でもさ、あったかいんだ。大坪さんの言葉って。強くてカッコ良くて、あったかい人でさ…」
2013-02-28 21:10:01緑「……俺は、…」高「…ん?」緑「……」高「…何だよ、真ちゃん?」緑「……俺は、大坪さんがキャプテンで、大坪さんの後輩で良かったと…思っているのだよ」高「…うん」緑「ウィンターカップの最後のあの時…、キャプテンのあの力強い言葉を、俺は忘れない」高「…うん」
2013-02-28 21:10:32緑「キャプテンの言葉で、俺は応援席に目を向けることができた。大勢の部員と向き合って、一人で戦って来たのではないと、そう思えることが出来た」高「…真ちゃん……」緑「…悔しくても俺たちが胸を張れたのは、キャプテンのおかげだ。そうだろう?」高「…へへ、当然っしょ」
2013-02-28 21:11:06高「大坪さんがさ、木村さんと宮地さんのこと話してる時、何つうか…三年生の絆ってヤツ?そういうの感じたよな」緑「……大坪さん、優しい顔をしていたな」高「練習中とか試合中の時は超コエーのにな。宮地さんもそうだけど、アイドル好きとか…あの時は笑ったわ〜」緑「……」
2013-02-28 21:11:42高「大坪さん通してアイドルうちわ貸してくれるとか…宮地さんってホント…」緑「……」高「本当に…、はは、笑えるわ〜…ははは……」緑「……」高「……、卒業式…明日なんだな…」
2013-02-28 21:12:43高「マジ明日行きたくねーよ…卒業式……」緑「……馬鹿を言うな。卒業式後に、バスケ部で集まりがあるだろう」高「ヤだ……行きたくない」緑「まったく……、ん?高尾、電話が鳴っているのだよ」高「…誰だろ…?……!?宮地さん…!?」
2013-02-28 21:14:28高「宮地さんから電話だ…ど、どうしよう真ちゃん…今しゃべったら…オレ…泣きそう…」緑「……辛くなったら俺に電話を代われ。いいから早く出るのだよ」高「う、うん…!ありがと真ちゃん!」(ピッ)高「…もしもし、宮地さん…?」宮『おい、ワンコールで出ろよ轢くぞコラ』
2013-02-28 21:15:04高「す、すいません…何か用事ですか、いきなり電話とか……」宮『……高尾、』高「…何すか」宮『……お前の声、震えてんだけど』高「……!!そんな、こと…」宮『……ふーん』高「……」宮『……、泣いてた?』高「違、」宮『ウソつけ、泣いてたろ』
2013-02-28 21:15:58宮『…高尾、』高「はい…」宮『お前の声聞くだけで、どんな顔してんのかとかお前の考えてることとか、全部分かんだよ。宮地先輩様ナメんじゃねーぞ』高「……は、い…」宮『泣くな、バカ尾』高「…はい…」宮『…電話でわりーけど、思ってること、伝えとく。そのまま聞けよ』
2013-02-28 21:16:44宮『高尾、お前はさ、』高「……」宮『ちょろちょろしてウゼーしギャーギャーうるせーし、PGとしても未熟だし冷静じゃねーし』高「……へへ、ひでぇな」宮『……けどさ、…お前がいたから、繋がれたんだ。俺たちは』高「……?」宮『…緑間も、お前に感謝してんじゃねーの」
2013-02-28 21:17:42宮『クソ生意気なエース様と俺らの壁を壊してくれたのは、高尾、お前だからな』高「……宮地さ…ん…」宮『もし秀徳にお前がいなかったら……そう思うと、お前には感謝してる』高「……っ…」宮『また泣いてんじゃねーよ、バーカ』
2013-02-28 21:18:34緑(おい高尾…!いきなり電話を代わるな…!)高(うっ…だってもう泣いて喋れねーもん…!頼むよ真ちゃん…!)緑(ぐっ…仕方ない)宮『…もしもし?』緑「……あ、緑間、です」宮『…じゃ、そういうことで』緑「え?あ、ちょ、き、切らないで欲しいのだよ!」
2013-02-28 21:20:34緑「宮地さん!も、もしもし!?」宮『…プッ、何慌ててんだよ。らしくねぇな、緑間』緑「な……意地が悪いのだよ、先輩」宮『知ってんだろ?』緑「……はい」宮『…ホントは優しいってことも、知ってんだろ?』緑「……はい……」宮『何だよお前、素直すぎ』緑「......」
2013-02-28 21:21:34宮『…あのさ、緑間』緑「…何ですか」宮『オレ明日、秀徳からいなくなるから』緑「…知っています」宮「何だよ、寂しくねーの?』緑「…そんなこと、」宮『ンなわけねぇよな、せいせいするだろ?』緑「......宮地さん」宮『…ん?』緑「……卒業…しないで下さい…」
2013-02-28 21:22:53宮『卒業すんなって?バカ言うなよ』緑「......すいません」宮『やっぱ今日のお前、変。あ、元々だっけ?』緑「…酷いのだよ」宮『ははっ、わりーわりー』緑「ふふ、大丈夫です、慣れていますから」宮『......お前とこんなふうに、笑い合える日が来るとはな…』
2013-02-28 21:23:54宮『緑間、』緑「はい」宮『お前、変わったよな』緑「......」宮『秀徳に来て、良かっただろ?』緑「......はい。…秀徳を選んで良かったと、そう心から思っています」宮『……そうか』緑「…宮地さん?」宮『……秀徳を選んでくれて…ありがとな、緑間』
2013-02-28 21:24:57宮『緑間、お前は孤高のエースって感じで…自己中で我儘で…可愛くねー奴って、オレはそう思ってた。……でもさ、認めてたんだぜ、ずっと。才能やセンスだけじゃない、お前の努力する姿を、俺はずっと見てきたから』緑「…宮地さん…」宮『秀徳を頼むぜ、エース様』緑「…はい』
2013-02-28 21:25:53緑「…お世話になりました。宮地さんとこうして話せて、良かったです」宮『…バーカ、永遠の別れじゃねーんだから……』緑「…でも、宮地さんがもう……秀徳からいなくなると…そう思うと……」宮『……そうだな。正直、まだ実感わかねぇ…もう卒業とかウソだろ、ってさ…』
2013-02-28 21:27:39