2010/09/02 ツイッター小説 お気に入りセレクト
浮気:俺には結婚して10年になる妻がいるのだが、最近冷たい。(もしかして男が出来たのか?)と疑う。夫婦の営みにしても反応がない。俺が「お前、心ここにあらずだな。浮気してるのか?」と聞くと妻、「不満なの?なんなら体もあっちに行ってもいいのよ」 #twnovel
2010-09-02 00:36:34【怪盗白薔薇の騎士】「ほ、ほんとうですか?この中に怪盗白薔薇の騎士がいるって!」「ええ。それはあなただ!」「フフフ、よくわかったな!」「白薔薇の騎士はいつも口に薔薇をくわえてました。あなたの口元が傷だらけなのはそのせいですね。」「めっちゃ痛かってん。」 #twnovel
2010-09-02 04:28:38#twnovel 面白い人1人に3億円あげます、という選抜試験があった。一次は教養の筆記試験、二次は面接での自己PR、三次はPCでのプレゼンだった。僕は墨と筆とヘリウムガスとOHPを使ったが、優勝したのは普通の男だった。「みんなが工夫してるのが飽きちゃって」と金持ちが言ったとか。
2010-09-02 04:33:19#twnovel 深夜帰宅途中、道端で何かチカチカしてるので近寄って拾ってみると、何か小型のデジタル時計みたいなもので「滅亡まで58年328日11時間7分」と表示されていた。何かボロボロで貴重なものでなさそうだったから、近くの燃えないゴミのところに置いてきた。
2010-09-02 07:26:55目の前に青い二足歩行の猫が現れて、「人生やり直し機~!」というダミ声とともに腹のポケットから自慢げに取り出して僕に手渡したものは、安全装置すらないトカレフTT-33と一発の7.62mm×25弾だった。 #twnovel
2010-09-02 08:14:38#twnovel ホームにてカメラ構える子らが撮る廃車と共の我が人生を 短歌とはこんな感じでいいですか最近どうもわからなくなり/中央線201型消えるのを惜しむファンたち見たものだから/ただ単に通勤車両だったのに改めて見て感慨深く/歌壇など一度は足を踏み入れてみたい私の実力いかに
2010-09-02 08:28:33#twnovel 路上生活者におちぶれて数年――見知らぬ人に声をかけられた。老朽家屋につれてゆかれ、そこで一緒に暮らすように言われた。三食に小遣いまでついた。近所のひとは、私を見ると挨拶してくれた。お元気ですねえ、田中のおじいちゃん。私はそのひとを知らない。ただ微笑を返すだけだ。
2010-09-02 09:19:52「新聞」そういえばもう三日ほど新聞がきていないので新聞社に電話してみたが誰もでない。これはおかしいと出掛けてみたが、そこは野原に風がそよぐだけ。そこにいた人にきくと「新聞?ああ、百年ほど前はあったね」と。どうやら配達が百年遅れていたらしい。 #twnovel
2010-09-02 12:37:10子供のころから「愛郷心」は強く、他県の人はバカだと思っていた。学校では他の学校をけなすなど「愛校心」を発揮した。会社に入ってしばらくはいじめられたが、やがて後輩ができ「愛社精神」を発揮して厳しく指導した、後輩すぐに辞めた。会社を首になって「愛国心」に目覚めた。 #twnovel
2010-09-02 13:54:38紀貫之が「男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」と女性風な日記を書いていたのははるか昔。現代では紙に書く日記からネットでできるブログへと進化した。だが、彼も予想していなかっただろう。性別を偽り、ブログを更新していくネカマが増えている事を #twnovel
2010-09-02 16:22:37とあるカルト宗教の集まりに潜入する。一人の男が何やら文を読み上げ、ほかの宗教者は地面に散らばった札を素早く取る。読み上げる文と札は対応しているようだ。「カルタ宗教じゃん」思わず呟くと、全ての視線が僕に向いた。「今回の贄が決まったようですね」えっ、なにそのルール。 #twnovel
2010-09-02 18:09:13#twnovel 吸血鬼の牙の診断を終えると、若い歯科医は頷く。「治療経過は順調です。もう痛み止めなしでも食事ができるでしょう」。吸血鬼は興奮を抑えられず、身を乗り出す。「先生、貴女で試していいかね?」「虫歯になるのも無理ないわね…貴方が出会ってきた女ほど、私は甘くなくってよ」
2010-09-02 18:43:55#twnovel 迷い子の子ネコちゃんは泣いてばかり。お家も名前もわからない。僕は構わないよ、と抱いてあげる。ずっとここにいていいんだ。可愛いキミを過去に縛りつける輪っかなんか、はずしてしまおう。眠った彼女の左手から、僕はそっと指輪を抜きとった。
2010-09-02 18:48:47子供のような大人が増えたので、逆に大人のような子供が増えてきた。全て社会は子供中心に進むようになり…子供が政治経済の全てを決定する社会になった。子供は大人になるコトを怖がる。大人になってしまったら、まるっきり子供のような大人になってしまうんじゃないかと。 #twnovel
2010-09-02 19:22:10#twnovel 突然のこと、月が爆発して消えてなくなってしまいました。45億年も一緒にいたのに……地球は哀しくなって喪に服すことにしました。地球は冷たく薄暗く寂しくとてもとても静かになりました。ほんの暫くの間です。45億年に比べればほんの少し、ほんの一万年くらいでしょうか。
2010-09-02 20:01:15#twnovel 究極のセキュリティを実現した「使い捨てパソコン」。知能素子ペーパーでできており、使い終わったら破って捨てればいい。情報とアプリは堅牢なネット上のサーバに蓄えられる。問題はいたずら者が使用中のパソコンを紙飛行機にして飛ばしてしまうことだ。
2010-09-02 20:35:06#twnovel 随分長い間、宝くじを買い続けている。しかし、当たったのは最高で一万円までだ。くじを買うのに注ぎ込んだ金額を考えるとまったく割りに合わない。本当に一等なんて出ているんだろうか。友人にそんな話をしたら、「何を言っているんだい、空クジが多いと書いて多空くじなんだよ」
2010-09-02 20:45:49閉め切ったカーテンの隙間から陽が差してくる。子供達の賑やかな声が聞こえる。集団登校? そうか。彼らの夏休みは終わったのだ。今日は8月1858日。中三の夏以来学校に行けずバイトをするでもなくただ部屋に引き篭りネトゲをし続けている僕の夏休みにはまだ終わりが見えない。 #twnovel
2010-09-02 20:59:25#twnovel ぶたがぶたをぶった。ぶたれたぶたはぶったぶたをぶった。見事なクロス・カウンター。二匹は同時に河原に沈んだ。「なかなかやるな」「…おまえもな」どちらが先に相手をぶったぶたなんだっけ? 思い出せないが、もう、どうでもよかった。二匹は一緒に夕陽を見つめて傷を癒した。
2010-09-02 21:14:2020XX年、国民総背番号制の強化に伴い、国民全員に統一した様式の身分証明書を発行した。身分証明書には自分の生年月日、出身地、血液型など個人情報が網羅されている。そして右下に謎の8桁の数字。「この数字は何?」「有効期限だよ。」「それってつまり・・・」 #twnovel
2010-09-02 21:29:54柵に近寄ると羊たちはみな尻を向けてひとかたまりになるので、少年にはそれがおかしくて仕方がない。木陰にいる母親は先程から少年の麦藁帽を編むのに余念がない。麦藁は羊に食われるよりは遥かに良い待遇だと評価しているが、少年がフリスビーを欲しがっていることをまだ知らない。 #twnovel
2010-09-02 22:07:12#twnovel 惨殺の後もその食堂は細々と営業を続けていた。店の扉が開くのは午前零時。壁に飛び散った血のあとも生々しい厨房で、一家の唯一の生き残りである十二歳の長女が包丁を握る。カウンターに並んだ新聞はあの日の日付を刻んでいる。店内には咳一つ響かない。常連は黙々と茶漬けを啜る。
2010-09-02 22:27:17#twnovel みなさんはストーカーに悩まされたことがあるだろうか。その女は毎晩私の家の前に佇んでいた。少し長い出張から戻ると女の姿は見えなくなっていた。やれやれと安心した頃、腐臭がした。女はベッドの下にいた。生気のない目に見つめられた。私は、未だに警察にも言えないでいる。
2010-09-02 22:23:41試験合格の願掛けで、オチのない落語を鑑賞に行った。オチがないから試験に落ちない、と言うことで受験生御用達らしい。話は延々と続き本当にオチがない。試験にも落ちないだろうという根拠のない自信も湧いてきた。 #twnovel そしてその落語を聴き続けた結果、俺は試験に間に合わなかった。
2010-09-02 22:58:33#twnovel ええ、包丁を落としたのは私です。百円ショップで買ってすぐに。昔から粗忽者でして。それを拾った子供が、いじめっこを刺してしまったのは不幸な事でした。刑事さん、私は何かの罪に問われるのでしょうか。ところで、あと二千本程の包丁を各地で落としてしまっているのですが……。
2010-09-02 23:29:46