ぼくの考えた「黄昏ティータイム」
- aramotokei
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主人公は40半ばから後半のオッサン。家庭を持つも、妻との仲はかんばしくなく、セックスもここ何年と交わしていない。子供は今年、高校に入学したばかり。思春期を経て親子間の仲は冷え切っている。馬鹿にされた目で見られているのではないだろうか。オッサン、家に居場所は無い。
2010-09-02 21:26:27いつものように残業を終えて、ちびちび居酒屋で一人酒を嗜み、いい気分になって駅を降りると、ふとそこに目に留まるストリートミュージシャンの少女……仮に唯とでも名付けよう。彼女の演奏を誰も聞こうとはせず、目の前を通り過ぎていく。冷たい時代。
2010-09-02 21:28:28オッサンはふと若い頃を思い出す。「そういえば昔は俺もジャズバンドなんかをやってたよなあ」「場末のジャズバーでライブさせてもらったりも……」目の前には人が止まらずとも、懸命に歌う唯の姿。目頭を熱くしたオッサンは財布の一万円札を、ギターケースに放り込む。「!?」驚く唯。
2010-09-02 21:30:03「こ、こんな大金受け取れません!」「いいんだ、昔を思い出させてくれたお礼だよ」「おじさんも昔バンドをやってたの?」「ま、まあそれなりに」……そんな感じに話が弾む。以来、帰宅時に唯のストリートライブを見に立ち寄り、世間話やギターのレッスンをするのがオッサンの日課になった。
2010-09-02 21:32:10オッサン。若い頃に使ってたギターなんぞ出したりして、弾いてみる。「ご近所迷惑でしょ!」などと奥さんに叱られたり。息子にバカにされたり。家庭に居場所のないオッサンは、唯との会話の時間に「ぬくもり」を覚えるようになる。弘兼法則によりいつしか惹かれあう二人。
2010-09-02 21:35:14そして、ついに二人はホテルで身体を重ねる仲になってしまう。数年ぶりのセクロスに興奮するオッサン。「ウチの妻とは肌のハリも全然違う……!」とかなんとか。
2010-09-02 21:38:04ピロートーク。オッサンが唯に昔語り。ジャズバンドをやってた頃の夢、そして挫折。「武道館でライブとか大それたこと考えてたよ、はは」「ううん、素敵だと思う。わたしもいつか武道館でライブするんだ」……そんなおだやかな関係も長くは続かなかった。
2010-09-02 21:39:35残業代少ない癖に帰りの遅いオッサンを怪しんで、妻が興信所を雇っていたのだ! オッサンと唯の関係が白日の下に晒されてしまう。怒り狂った妻は、自らの夫を「援助交際」「児童買春」の罪で警察に通報する。逮捕されるオッサン。妻や息子と面会するも、散々に罵倒され、ロリコンと罵られる。
2010-09-02 21:42:28そして離婚。慰謝料として家も財産も奪いつくされ、勤め先の会社からもクビを言い渡されてしまう。何もかもを無くしてしまったオッサン。
2010-09-02 21:43:27幸いにもオッサンが起訴されることはなかった。しかし、出所したオッサンは何もかもを失っている。これからの人生をどうしたものか……絶望に暮れながら、外に出ると――そこには唯が待っていた。一人、背負ったギターケースとは別に、もう一つのを抱えて!!
2010-09-02 21:46:12驚くオッサン。唯の抱えるギターはオッサンが若い頃使っていたものであった。離婚した彼の妻に、唯が頭を下げて譲り受けてもらったらしい。何もかも失ったと思っていた……だけど、そうじゃなかった……俺には、俺には「音楽」が残っている。それと、唯が――
2010-09-02 21:50:22決意新たに受け取ったギターケースを背負うオッサン。そんな彼の手を引っ張る唯が、言う――「さ、おじさん行きましょ!」「い、行くってどこに!?」
2010-09-02 21:51:41@Taki1000 シマコーだと、商談でムギと知り合ったシマコーが放課後ティータイムのライブを見に行ったりして、ううむ最近の若い子はよく分からん……とか言いながら、ライブ後の打ち上げにディナー誘ったりとかなんとか?
2010-09-02 22:09:23