毎月14日は『ツイノベの日』 2013/03/14のお題言葉無し
毎月14日はツイノベの日! 今回のお題は全天の四分の三を見つめる四つの瞳”パンスターズ”が発見した彗星にちなんで「箒星」です。引力と時間とが織り成す物語。あなたが語る140字の輝きは、どんな軌跡を心に焼き付けますか?【毎月14日はツイノベの日! お題「箒星」 #twnvday 】
2013-03-13 23:16:43#twnvday 氷塊は太陽を目指す。宇宙線で満ちた静かの海にて、微かな熱を捕まえ、誘われるがままに虚空を駆ける。しかし身を削り、焦がし、ついに光と出会った瞬間、引き寄せられる時と同じ力で引き離されるのだ。
2013-03-14 00:16:36#twnovel 天上にもきつねはいる、というのを最近の人間は知らない。艶やかな毛並みにまっ白ふさふさなしっぽを輝かせつつ、月のない夜の灯をやってるんだ。忌み星なんて迷惑な名前を付けられもするけど、近頃は望遠鏡とやらで観てくれる人も居るから嬉しい。僕の名は天つ狐。#twnvday
2013-03-14 03:22:21#twnvday 狸はホウキボシに化けてイタズラしようと考えた。「ごめんください」『はい、どなた?』「ホウキボシです」『は?』男がからりと戸を開けるとそこには幼子を抱えた女が一人。「昔、貴方様と一夜を共にして出来た子です」突然の放棄母子に男はたいそう面食らい、狸は大いに満足した。
2013-03-14 07:12:40タイムラインの君を思わず追ってしまうから、次々と素敵な言葉をフォローした。君の言葉が流れるように。君の言葉が隠れるように。けれどもどうして、うっかり見つけてしまうのか。いつしか君を待ちわびる。駆け抜ける君の輝ける言葉。僕は黙ってそれを見ていた。#twnvday #twnovel
2013-03-14 07:55:52#twnvday 今はまだ名も無きあなたへ。最初にあなたと出会ったそのしるしに、私の名前をもらって下さい。いずれ遠い空へと互いが引き裂かれたとしても、その名前があなたにある限り、空に描いた長い尾が途絶えることはありません。
2013-03-14 12:23:57お荷物でーす。86年に守さん愛さんご夫婦からお預かりした荷物、お持ちしまし……亡くなった?あ、そう。あなた娘さん?娘さんには配達可になってます。身分証明ある?免許証とか。どうも。それじゃ、ハレー彗便タイムカプセルサービス2061、ご利用ありがとうございましたー #twnvday
2013-03-14 15:02:49少女の涙を彼はそっと指で拭った。「また会えるから」彼の言葉に少女は可愛らしい頬を膨らませた。「75年も先じゃない」けれど、彼は優しく微笑む。「たいした年月じゃないだろ、僕たちなら」約束通り、彼は訪れるだろう。その時少女に現在の美しさがあらんことを願う。 #twnvday
2013-03-14 16:22:55「何を考え込んでるの?」 「んー、今月の #twnvday のお題」 「ふーん」 彼が眺めているのはどう見ても、華麗な尾を引いて消えてゆく夜空の氷塊には見えなかったが、まぁ、放っておこう。 天日に干された箒を横目に、私は夕食の支度を始めることにした。
2013-03-14 16:50:57火をつけられたように、一瞬にして奪われた僕の心は、君を失ってしまった今もくすぶり続けている。 熱は尾を引き、とても消えそうにない。 いつかまた出逢えるかな、君のようなひとに。 夜の闇に涙がそっと零れ落ちた。 #twnvday
2013-03-14 17:53:05森は大騒ぎでした。上品な絹のようだった空には不吉な白い亀裂が走っています。お母さんに手を引かれて逃げる途中ふと空を見上げた子リスは目を見張りました。お月様にぶら下がっていた星が幾つも落ちてくるのです。こんな綺麗な所で死ぬのも悪くないなぁと子リスは思いました。#twnvday
2013-03-14 19:17:01星の尻尾が村の頭上をさっと掠め去っていった夜、年頃の娘たちが一斉に子を孕んだ。生まれた子はみな男の子。全員とびきりの美少年に成長したが、どうしたわけだか揃いも揃って手癖が悪い。彼らがキャラバンからくすねてきた宝石の数々が、今宵も砂漠の夜闇をきらきらと輝かせる。 #twnvday
2013-03-14 19:20:53#twnovel「昨夜は星が降るような夜だったわね」朝帰りの恋人達が囁き合って通り過ぎた時、掃き掃除中の老婆は、慌ててゴミの山を隠した。「お若いの。“降るような”じゃなくて、本当に降ったんじゃ」魔女の後ろには、箒で掃き集められた星の山。#twnvday
2013-03-14 20:23:12羨んではいけない。羨んではいけない。だけど、なんで、いつも傍にいられるんだ。途方もないような時間の果てにようやく辿り着けたと思ったらまたすぐ離れていく僕とは違って。ああ、まただ。また離れていく。後ろ髪を引かれる思いで、終わらない孤独な旅は続く。 #twnvday #twnovel
2013-03-14 20:32:41ちりとり星は、夜空一面に零れっぱなしの星屑を腹の中に溜め込んでいる。叶えられなかった願い事や忘れられた願い事、ささやかな、熱い、冷やかし、全部放っておくと夜が眩しくなってしまうから掃除をするのだ。そうしてお腹がいっぱいになると、集まりすぎた沢山の願い事が爆発して、#twnovel
2013-03-14 20:47:16灯台の不動光を模してサテライトを灯した。あなたは航海日誌のようなお土産話を沢山抱えてくるでしょう。私はテレビで神話を受信するの。デブリが粗い解像度の彼の鼻先を掠めると、セントエルモの火のように輝いた。そういえば、カストルとポルックスも、あなたの古い友人だったね。 #twnvday
2013-03-14 21:05:57魔女っこが夜のお散歩に出かけようと箒にまたがったら、魔法を間違えちゃって、箒がお星さまになっちゃった。みんなが振り返って恥ずかしかったけど、いつものお散歩より景色もみんなの顔もキラキラしてたね #twnvday
2013-03-14 21:25:47#twnovel 「見て見て、お掃除ロボを改造したの!」駆け出した鹿の子だが、石に躓き転んでしまう。その拍子にスイッチが入ったのだろう、掃除ロボはエンジン音を立てながら吹っ飛び、夕焼け空に白く筋を残した。「……ホバリング機能で壁の掃除もできるようにしたんだけど」……飛び過ぎだね。
2013-03-14 22:11:20#twnovel その名前を初めて聞いた時は空の掃除をしてくれるものだと思っていた。そうではないらしいと気付いてからも、そのイメージは間違っていないと思っている。この前それに見入ってしまったのだって、私の頭の中から余計な星を掃除したかのようだったのだから。 #twnvday
2013-03-14 22:18:13旅人にはとっておきの珈琲を淹れてあげること。我が家に伝わる家訓に従い、今夜はテーブルと椅子をテラスに出した。折角だ、カップもとっておきのやつで。家中の電気を消し、椅子にもたれて極上の珈琲を嗜む。ああ、やっと来た。ようこそ、何百光年の彼方から。 #twnvday #twnovel
2013-03-14 22:44:38大富豪は殺された。放り出された死体に氷がつく。船は美貌の未亡人と若い情夫を乗せて去っていく。死体の周りを氷が覆っていく。それはゆっくりと動き出す。船中の二人は心中して自動操縦に切り替わる。感情を喪った物体二つ、互いに届かぬ距離で運動を続けている。#twnovel #twnvday
2013-03-14 22:54:47今日も、夜空に星が輝いています。それをしっかり眺めて、憶えておいて下さいね。光は輝いていますが、その実態である星そのものはもう存在していないですから。あと数年後、この夜空は箒ではかれたかのように何もなくなります。 @1_dark #twremix #twnvday
2013-03-14 23:22:34ねえ、おじいちゃん。ホウキって何? 今夜はルンバ星が空を飛び回る日でしょ。変なおじいちゃん。(2023年 春) #twnvday
2013-03-14 23:35:37