涼夢と思わせておいて……

こーいち @sanskie

@mizuho_P 策士夢子は８７６プロでなく７６５プロへの移籍を希望した。「涼とはいつでも会えるわ。律子さんという外堀を埋める番よ」。涼は夢子の移籍を知り愕然とする。「嫌われちゃったかな……」一方Ｐは武田に近付き何やら画策を……

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愛「涼さん。前屈みになってどうしたんですか」涼「……うつ向いてるって言ってほしいな」愛「涼さんも大変ですよね。私や絵理さんみたいに綺麗な子が身近にいたら、前屈みになるのも仕方ないですよね」涼「そんなことないよ！　ってええっと、今のは２人が綺麗だってのを否定した訳では……」

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愛「涼さん酷いっ！どうせ私みたいなツルペタロリは興味ないんだ！」涼「誰に教わったの！？そんな言葉！」愛「ママがそう言ってました。どういう意味なんですか？」涼「ええっと……それはだね……この動画を見てくれてる人がコメントで教えてくれるだろうから後で確認しようね」

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愛「そうですね！一緒に見ましょう」涼「ところで、何か用があるの？」愛「いいえ。涼さんが前屈みになってたので、あーこれがママの言ってた男の子がする行動なんだ、と思って」涼「だからうつ向いてるだけだって！変な表現やめてよね」愛「何でうつ向いてたんですか？」

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涼「実はね、夢子ちゃんがフリーから事務所所属になるらしいんだけど、それがなんとあの７６５プロなんだよ」愛「あの変態事務所ですね。あそこのプロデューサーさんすごいテクニックを持ってるって言ってましたよ。それがどうしたんですか？」涼「えっ？どうしたって、僕に相談もなしに突然……」

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愛「どうして、夢子さんが涼さんに相談しなくちゃいけないんですか？」涼「えぇっ！？」尾崎「愛、涼を苛めるのもそこまでにしなさい」愛「尾崎さん！おはようございます！」涼「あ、オザリンちーっす」尾「涼、貴方相当撲られたいようね」

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涼「すいませんでしたっ！気が動転しててつい……あとせめて「殴」の方にしてください」尾「二人とも、おはよう。事情は聞かせて貰ったわ。つまり、涼は美女に囲まれて毎日溜まって、処理に悩んでる訳ね」愛「その通りです」涼「違います！って何でそうなるんですか！！」

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尾「分かったわよ。愛、例のモノを」愛「はいただいま～」涼「……何ですか？これ」尾「見てわからない？変装セットよ」涼「変装……セット？」愛「つまり、７６５プロに忍び込んで夢子さんの心境を探ろうってことですね！」涼「何仕込んでるんですか！？」

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尾「愛、上出来よ。やっぱりアイドルと言えど演技力も必要ね」愛「わーい誉められたー」涼「……」尾「何ぼさっとしてるの？早く着替えて。出発するわよ」

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涼「で、７６５プロまで来たわけですが……」愛「はい、７６５プロにつきました！」尾「しゃきっとしなさい、涼」涼「……はぁ」尾「覇気がないわね。まだ前屈みになってるんじゃないでしょうね」涼「それはもういいから……それより何なんですかこの服装」尾「言ったでしょ。変装セットよ」

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愛「涼さんとってもお似合いです」涼「ありがとう、愛ちゃん」尾「何よ、変装セット絵理セレクションがそんなに気に入らない？あの子が手掛けたものを侮辱する気なら愛しの夢子ちゃんにあられもない姿を披露する羽目になるわよ」涼「いえ、十分あられもない姿だと思うんですが」

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尾「「愛しの夢子ちゃん」は否定しないのね。何だか無性にイライラしてきたわ。愛！」愛「はい！」尾「いいこと、その変装セット絵理セレクション～思い出の熱湯風呂対策水着女の子用～は引きこもりだった絵理が今までの芸能活動を通して経験したことを活かしてセルフプロデュースする

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脱引きこもり撲滅プロジェクトの副産物第一号なのよ！本当は身ぐるみ剥がして手足ふんじばって放置したいのだけど私は結果を報告する義務があるの。悔しいけどそれを着たままついてきなさい」涼「はいっ！！！」

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律子「あら、いらっしゃい。外が騒がしいと思ったら貴方たちだったのね、涼」涼「ちょｗｗｗ即バレ以前に疑われてすらｗｗｗどういうことですか！オザr……尾崎さん。変装セット意味あったんですか？」尾「どうやら効果は無かったようね。レポートレポートっと」

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愛「涼さん。とっても似合ってます（笑）」涼「ありがとう愛ちゃん」律「ところで何しに着たの？用が無いなら警察に突き出すわよ」涼「（誤変換とは思えない……）」律「何か？」涼「いいえ、何も」尾「愛！」愛「はい！」尾「私の目的は終わったわ。帰るわよ」愛「はい」涼「えっ！？」

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律「大体の事情は察しがつくけど……あなた、何も変わってないのね」涼「律子ねえちゃんが良識人で本当によかったよ……僕も765プロに移籍しようかな……」律「空気など読むな！」涼「え！？」律「事務職なら空いてるわよ？」涼「いえ、結構です」律「そう。

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夢子ちゃんに会いに来たのに目の前に転がり込んだチャンスを自らボウにするなんて男じゃないわね。」涼「どうしてそれを……」律「顔に書いてある」涼「！？」律「嘘よ。ったく、貴方があそこに張ってある夢子ポスターVer.1023ばかり見てるのは誰の目にも明らかよ」

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涼「で、その夢子ちゃんなんだけど……」律「面会謝絶よ」涼「何があったの！？」律「冗談よ。でも、貴方が来たら意地でも付き返せって言われてるわ」涼「何か聞いて「無いわ」」涼「ここで何かイベントが起きないと視聴者飽きちゃうよ？」律「それもそうね。じゃあ涼、脱ぎなさい」

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涼「どうしてそうなるの！」律「問答無用っ！！！」　　（第一話完

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涼「ううっ……昨日は酷い目にあった。姉ちゃんの手慣れた脱衣術から逃れるのがあと１秒でも遅れていたらと考えると……何て言うか本当、「夢子に自慢の裸体を披露しそびれた」って感じだな」？「……」涼「……武田さん、人の台詞に被せないでくださいよ」蒼一「たまには空気を読むのもいいね」

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涼「ちょうど良かったです。今から伺おうかと思っていましたので」蒼「そうか。それはちょっと困った……いや、君がいても面白くなるかもしれない。少し歩くけどいいかい？」涼「ええ、構いません」蒼「いい返事だ。掛け値なしに」涼「多分使い方間違ってます」

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涼「それにしても、武田さんを歩かせるなんて、一体誰と待ち合わせを？」蒼「待ち合わせなんてしてないよ？」涼「へ？」蒼「そう言えば君と並んで歩けると、僕の直感が訴えてきてね。嫌……だったかな」涼「何でそんなにしおらしいんですか。気持ち悪いです」

こーいち @sanskie

蒼「……実は番組スタッフから夢子ちゃんを出演させてみてはどうかって声が出てきててね」涼「番組って、オールドホイッスルですか！？」蒼「ただ今の彼女じゃ時期尚早。もっと広い世界を見てくるべきだ」涼「でもすごいです。内部からそんな声が上がってるなんて夢子ちゃんが聞いたら……ん？　内部？

こーいち @sanskie

武田さん、いつからオールドホイッスルにそんな声を出せる人が？」蒼「ああ……君は知らないんだったな。少し前の話なんだが、僕に弟子入りしたいって言ってきた人がいてね。唐突な訪問だったけど直感した。僕の全てを伝授すべき相手だ、とね。だから今はオールドホイッスルの手伝いをさせてるんだ。」