2010年9月11日

ヤン・ファン・エイク『アルノルフィーニ夫妻像』新解

ファン・エイクの名画『アルノルフィーニ夫妻像』におけるひとつの解釈。件の絵はこちら→ http://bit.ly/c34rPW 分かりやすくするためポストの順番は若干変えています。 参考文献: 続きを読む
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壺屋めり @cari_meli

さて引き続きアルノルフィーニ充してたらメトに行く気分が削がれちゃった。ファン・エイクの『アルノルフィーニ夫妻像』、通説では結婚記念画という事になってるけど、諸説ある。アルノルフィーニと言っても当時ブルージュにはアルノルフィーニさんが5人もいたから誰かもハッキリとは分からんという。

2010-09-11 08:28:02
壺屋めり @cari_meli

パノフスキー説ではジョヴァンニ・ディ・アッリーゴ・アルノルフィーニだとされているけれども、それではいろいろと矛盾点が出てくる。どうもジョヴァンニ・ディ・ニコラオ・アルノルフィーニのほうが辻褄が合いそうだ。

2010-09-11 08:29:37
壺屋めり @cari_meli

(アルノルフィーニついーとを続けるべきかどうか迷っている…長くなりそう…)

2010-09-11 08:35:42
せつ @mesmer1709

@davidsbundler どうぞ・つづけてください

2010-09-11 08:36:28
壺屋めり @cari_meli

いわゆる通説となっているパノフスキー説は1934年に書かれたものなわけだが、まー美術通史コースで教えられるような事なわけですね。二人の結婚を記念しているとか、それを証明するための絵とか、画家のサイン(「Johannes de Eyck fuit hic 1434」)はそのためとか

2010-09-11 08:45:21
壺屋めり @cari_meli

それによると、トレント公会議以前における結婚は聖職者がそこに不在でも、っていうかぶっちゃけ新郎新婦のみで執り行うことができたわけですね。その儀式における重要なジェスチャーが絵に描かれているような、誓いの手、そしてお互いの手を重ねる行為。これを fides levata という。

2010-09-11 08:48:51
壺屋めり @cari_meli

北方のヴァザーリなどと呼ばれるファン・マンデルが記した例の絵の説明では、「『信頼』の擬人によって繋げられた両手」などと書かれているので「ん? ほんとにこの絵のことか?」となりがちだけれど、これは fides を間違えて訳して擬人化されたものと思っただけっぽい…?

2010-09-11 08:53:26
壺屋めり @cari_meli

カレル・ファン・マンデルとか読みましたね。ファン・エイクが描いた絵を日光で乾していたら表面にヒビが入ってしまってガ━(;゜д゜)━ン!!となり、それをキッカケに日光にあててもヒビが入らない絵を追求、ついに油彩画を発展させたというくだりに萌えたぎったりしましたね(どうでもいい

2010-09-11 08:55:33
佐藤晃子 @akisato_

@davidsbundler アルノルフィーニ違い? マジですか。びっくりです。

2010-09-11 08:58:59
壺屋めり @cari_meli

そんなわけでパノフスキーさんによると結婚の絵らしいです。どういう判断基準だったのかは不明ですがジョヴァンニ・ディ・アッリーゴ・アルノルフィーニとジョヴァンナ・チェナーミということになってます、けど、当時のブルージュにはもうひとりジョヴァンニ・アルノルフィーニがいるわけで…。

2010-09-11 09:00:22
壺屋めり @cari_meli

だいたいおかしい。絵にはしっかりはっきり「1434」と書かれているのに、ジョヴァンニ・ディ・アッリーゴが結婚したのは1447年。気早すぎだろ。結婚する13年前に結婚記念絵描かせるとか早すぎだろ。しかもファン・エイク死ぬ6年前だよ。画家酷使しすぎだろ。

2010-09-11 09:02:30
壺屋めり @cari_meli

そこで浮かび上がってくるのがジョヴァンニ・ディ・ニコラオ・アルノルフィーニ。前述のジョヴァンニ・ディ・アッリーゴの従兄弟にあたる人物だが、この人は1419年には既にブルージュにいて、1426年には結婚している。

2010-09-11 09:06:02
壺屋めり @cari_meli

ちとタイミングはズレるが、ファン・エイクと知り合う時間もたっぷりあるし、1434年の時点までに結婚もしているわけだ。

2010-09-11 09:06:23
壺屋めり @cari_meli

話逸れるけどこのジョヴァンニ・ディ・ニコラオのお嫁さん、コスタンツァ・トレンタがすごい。お爺ちゃんロレンツォ・トレンタはヤコポ・デッラ・クエルチャのパトロンだし、叔父さんニッコロ・カヴァルカンティはドナテッロのパトロン。

2010-09-11 09:09:55
壺屋めり @cari_meli

叔母さんジネヴラ・カヴァルカンティは老コジモの弟であるロレンツォ・デ・メディチの奥さん。その孫ロレンツォ・ディ・ピエルフランチェスコ・ディ・メディチはボッティチェリのパトロン。なにそれ。すげえよ。なにそれ。

2010-09-11 09:10:37
壺屋めり @cari_meli

じゃあこの『アルノルフィーニ夫妻像』はジョヴァンニ・ディ・ニコラオとコスタンツァなんじゃね? と思ったところで落とし穴。新妻コスタンツァは絵が描かれた1434年の時点で既に亡くなっている。子供には恵まれなかった。

2010-09-11 09:12:32
壺屋めり @cari_meli

それじゃあれだよ、当時は若い妻が亡くなった後再婚することは珍しくなかったし、ジョヴァンニ・ディ・ニコラオと二人目の奥さんだよきっと。二人目の奥さんがいたって記録ないしそもそも再婚したって記録もないけど。ってのが一説。

2010-09-11 09:14:44
壺屋めり @cari_meli

いやいやこんだけ有名な人が再婚したときの記録作らんってそれは不自然だろ。これはやっぱりコスタンツァだよ。亡くなったあとだけど、死んだ妻へ再び愛を誓っているんだよ。ってのが一説。個人的にはこっちを推したい。

2010-09-11 09:16:35
佐藤晃子 @akisato_

@davidsbundler たしかに初婚のジョヴァンニ・ディ・ニコラオだとすると、8年後に絵を描くというのも、おかしな話ですねえ。しかし「イタリアの大商人ジョヴァンニ・アルノルフィーニ」って、一人だけしかいないと思っていました。

2010-09-11 09:18:07
壺屋めり @cari_meli

@akisato_ 私も今日読んで「へー!」ってなってるところですw

2010-09-11 09:19:49
壺屋めり @cari_meli

ジョヴァンニ×故コスタンツァだとすると、足元のわんこはまだいいとして、背景のベッドや不自然に膨らんだ妻のお腹が気になるわけですが、当時の女性の死因のメジャーなものとして、出産時のトラブルがある。アルノルフィーニ夫妻に子供がいないのを考えると、これは初産のときに何かあったのでは。

2010-09-11 09:19:26
壺屋めり @cari_meli

ここで思い出してみよう。何故この絵が頻繁に美術史上重要な絵として取り上げられるのかを。はい、サインですね。銘ですね。「ここにヨハネス・ファン・エイクがいた」と記す後方の鏡の上の美しい飾り文字ですね。一般的には、というかパノフスキー的にはこれは結婚を証明する役割とされてますが。

2010-09-11 09:22:13
壺屋めり @cari_meli

これが結婚記念の絵でないとするとこのサインはどういうことになるのか。画家の存在はつまりこの絵がうそごと、虚構であることを表すと考えられる。奥さんが死んじゃって悲しいね、でも僕が絵で再現できるからね。でも絵は所詮偽りだからね、画家の存在を忘れちゃいけないよ。こんなところでしょうか。

2010-09-11 09:25:04
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コメント

m_um_u @m_um_u 2010年9月11日
おもろかたれす。アリアリ
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angorausagi @angorausagi 2011年2月25日
すっごくスリリングで面白かったです!!!!鏡にあんなに書き込みがあるなんてしらなかったー!!
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yasumi yajima @__ysm__ 2011年5月10日
この説初めて聞きました。 結構聞かれる説よりも何倍もロマンティックに感じます。 また面白いお話を聞かせて下さい! 有り難うございます。いつか本物が見たいです。
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