バンビの死におけるあらゆる罪は万人の者が遍く背負う

バンビちゃんの話から正義。 自分用まとめ。
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有坂 一夫 @kazuoarisaka

かなり昔の話です。 幼児の頃の私は、ディズニーのバンビが好きだったんです。バンビがどのようなお話だったかは、今となっては覚えていませんが、とにかく好きだったんです。物心つく前から大好きだったんです。

2013-05-04 01:35:46
有坂 一夫 @kazuoarisaka

母の話では「一夫はバンビのぬいぐるみとお風呂に入って、水を吸って重くなったバンビを抱きしめながら『バンビが病気になっちゃった! 助けて! 早く病院に行こう!』と泣き喚いたのよ」だそうです。そして、寝る時も常に、そのぬいぐるみを抱きしめていたそうです。いつも一緒だったんですね。

2013-05-04 01:37:21
有坂 一夫 @kazuoarisaka

正直、その記憶は残っていません。でも、そのくらい好きだったんですね。なんでそんなに愛していたのか、現在の私には皆目見当もつきません。ただ、むしょうにバンビが好きだった事だけは覚えています。

2013-05-04 01:37:54
有坂 一夫 @kazuoarisaka

小学校に入る前の私の写真を見ると、そのほとんどにバンビのぬいぐるみが一緒に写っています。幼い私は、バンビと共にいる時は常に満面の笑顔です。酷使していたのか、バンビは少し汚れて、くたびれています。

2013-05-04 01:40:07
有坂 一夫 @kazuoarisaka

『よつばと!』のよつばちゃんとジュラルミンの関係に近いのかもしれません。ひょっとして、それ以上かも。

2013-05-04 01:40:50
有坂 一夫 @kazuoarisaka

そんな私が幼稚園に通っていた頃の事です。なにぶん遠い過去なので、記憶がおぼろげです。年少か年長かも覚えていません。時間帯はおそらく、お昼休みだったと思います。

2013-05-04 01:41:29
有坂 一夫 @kazuoarisaka

当時の私は、おませさんだったのでしょう。同じ組に好きな女の子がいました。もちろん、幼児ですから恋愛感情があったとは思えません。ただ、なんとなく、好ましく思っていただけなのかもしれません。

2013-05-04 01:41:53
有坂 一夫 @kazuoarisaka

その好きだった女の子と私と、他に数人の園児がいたと思います。園内放送で、バンビの曲が流れたんです。バンビ大好きの私は、嬉しさのあまり飛び上がりました。だって、愛してやまないバンビのテーマソングが放送されているんです。文字通り狂喜乱舞していたのかもしれません。

2013-05-04 01:42:28
有坂 一夫 @kazuoarisaka

私は、好きな女の子に「ほら、バンビだよ! バンビがなってるよ!」と興奮気味に教えました。 その子は怪訝な顔で「だからなに?」と答えました。

2013-05-04 01:43:25
有坂 一夫 @kazuoarisaka

私は驚きました。 なんで僕の大好きなバンビの歌がなってるのに、好きな子は一緒に喜んでくれないんだ?  わけがわかりませんでした。そして、泣いたのです。あまりのショックに泣いたのです。

2013-05-04 01:44:30
有坂 一夫 @kazuoarisaka

恥ずかしかったんです。泣いた事はもちろん、それ以上に「なにか」がとてつもなく恥ずかしかったんです。で、逃げました。それ以降の記憶はありません。どこに逃げたかは覚えていません。とにかく、逃げたのです。まぁ幼児の事ですから、さほど遠くには行っていないと思います。

2013-05-04 01:49:10
有坂 一夫 @kazuoarisaka

当時の私はその「なにか」を言語化できませんでした。でも、それは異様に恥ずべき「なにか」であることはわかりました。長じて、言葉にできるようになりました。その「なにか」とは、 《自分が好きだからといって、他人も好きだとは限らない》 という当たり前のものでした。

2013-05-04 01:50:02
有坂 一夫 @kazuoarisaka

幼い私は甘ったれだったんですね。自分がバンビを好きなのだから、私の好きな子は当然好きだと思っていたんです。それどころか、みんなバンビが好きだと思い込んでいたんです。 それが、自分の勝手な妄想だという事実が恥ずかしかったんですね。言葉では理解していなくとも。

2013-05-04 01:51:33
有坂 一夫 @kazuoarisaka

以来、私は自分の好意を、他人に押し付けるのが少なくなっていきました。今でも「これはいいものだよ」と勧めはします。しかし「これはいいものだ。これをいいと思わないヤツはいない。もしそのようなヤカラがいるとしたら、そいつは馬鹿だ」とは考えなくなったんです。

2013-05-04 01:52:14
有坂 一夫 @kazuoarisaka

おそらく中高生の時だったと思います。ストーカーが社会問題になったんです。私はテレビでストーカーというものを知りました。そして「これは幼稚園児のオレだ」と思ったんです。 自分が好きだから、相手も自分と同じように好きなはずだ。 と考えてしまうのが、ストーカーだと私は理解したんです。

2013-05-04 01:54:26
有坂 一夫 @kazuoarisaka

私は慄然としました。危ない所だった、と思いました。あの幼稚園の時の経験が無ければ、ひょとしたらオレはストーカーになっていたかもしれないんだ。と、わかったんです。 《自分が好きだからといって、他人も好きだとは限らない》という当たり前の事実を、幼いうちに学べてよかった。

2013-05-04 01:55:49
有坂 一夫 @kazuoarisaka

『からくりサーカス』の黒い太陽編でフェイスレスは「僕は自分を信じているもん。自分を信じて夢を追い続けていれば、夢はいつか必ず叶う!」と言いました。『からくりサーカス』を読んだことのない方には、一見素晴らしい言葉のように思えるでしょう。

2013-05-04 01:56:35
有坂 一夫 @kazuoarisaka

しかし、真相は逆です。他者の都合を全く考慮しない、ストーカー気質のフェイスレスにぴったりのセリフなのです。フェイスレスは《自分が好きだからといって、他人も好きだとは限らない》というのが理解できないのですね。幼稚園時代の私のようです。

2013-05-04 01:57:22
有坂 一夫 @kazuoarisaka

そんなフェイスレスの異常な執着が『からくりサーカス』という物語を貫いています。

2013-05-04 01:57:48
有坂 一夫 @kazuoarisaka

そして、最近考えるんです。反原発派やレイシストしばき隊は《自分が好きだからといって、他人も好きだとは限らない》というのが理解できない人達なのではないか。彼らはフェイスレスなのではないか、と。

2013-05-04 01:58:48
有坂 一夫 @kazuoarisaka

自分が左翼的な正義を愛しているのだから、他の人もそう考えるだろう。もしそう考える事が出来ないヤツがいるのならば、そんなヤツは人ではない。だからヤツらの言論の自由など制限してしまえ。そんなヤツらに人権なんて贅沢だ。

2013-05-04 02:00:49
有坂 一夫 @kazuoarisaka

彼らは、知らず知らずのうちに、こう思考してしまっているのではないのかなと思うんです。

2013-05-04 02:01:22
有坂 一夫 @kazuoarisaka

《自分が好きだから、他人も好きだ》 は容易に、 《自分が正しいと思ったから、他人も正しいと思う》 と、なりうるのです。

2013-05-04 02:02:08
有坂 一夫 @kazuoarisaka

そして、正義感が強い真面目な人ほど、その《自分の正しい考え》に固執して、《自分の正しい考え》に賛成しない者を排撃するんじゃないでしょうか? ヘイトスピーチ規制法がその好例だと思います。

2013-05-04 02:03:27
有坂 一夫 @kazuoarisaka

これはイデオロギーの左右を問わないと思います。戦中の国防婦人会などは善意の団体でした。 私の尊敬する山本七平先生は、戦前戦中の軍国主義者と戦後のサヨクに、共通する思考方法を見たようです。 『己の信じる正義のためならば、何をやってもよいと思っている人々』

2013-05-04 02:04:48