区域再編は地域の分断を生まないか

5月に双葉町の区域再編が予定されています。再編によって警戒区域はなくなりますが、帰還困難区域の面積は大きく、町は今後5年間は戻らないとしています。一方で東電の賠償基準は、再編後の区域によって差があります。町全体が帰還しないという選択をしているのに、賠償基準には差が出るのです。これは新たな分断を生む要因にならないのでしょうか。
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木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

何度も出てる話だけども、重要なので。東電は財物賠償基準について、再編後の区域を基準にしています。帰還するかどうかではなく区域による基準なので、再編を急ぐのはどうも不安が大きいです。→警戒区域すべて解除へ、28日にも双葉町を再編 http://t.co/NpmsTYGljk

2013-05-06 10:23:58
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)再編後に帰還するかどうかは自治体の判断に任されています。だから今回の双葉をはじめ、これまで警戒区域だったエリアをもっている自治体の多くは、早くても帰還は5年後、場合によってはそれ以上としています。つまり現状に変化はないわけです。でも東電の基準では区域によって差がつきます。

2013-05-06 10:27:10
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)こういうことが地域分断を生む新たな要因にならないかという不安があります。そして東電や政府にとって、地域分断は悪い話ではありません。東電や政府のリスクは、住民が一体となって賠償請求をしてくることです。賠償基準を先延ばしにしている東電は、おそらくこれをもっとも恐れています。

2013-05-06 10:30:25
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)例えば除染費用は、東電は「支払いの可否も含めて検討中」であるとしています。4月に福島県が発表した東電に対する公開質問状には、自治体や業界団体などが、除染費用に関する質問を数多く出していました。そのすべてに東電は、まったく同じ文言で「検討中」と回答しています。

2013-05-06 10:32:31
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)そして東電は、除染費用を決算に含めていません。本来、災害や事故などに関係して発生する額の大きな一時費用は特別損失に含めて計上すべきものだと思いますが、東電の廣瀬社長は、支払うべきものかどうかまとまっていないので計上できない、と述べています。けれども特別損失は---

2013-05-06 10:34:37
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)支払うことが決まってから計上するのではなく、請求があった時点、つまり支払う可能性が出てきたら計上するものです。除染費用は、政府が毎年1兆円を超える額を計上しているほど巨額です。これを特別損失に計上したら、東電は企業体を維持できるかどうかわかりません。

2013-05-06 10:36:42
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)東電は除染費用の計上を、よくわからない不透明な理由で先送りし続けています。でも、もし汚染地域の住民や自治体が一体となって除染費用を請求してきたら、そのために裁判を始めたらどうなるでしょう。問題が表沙汰になれば、特別損失に計上せざるをえなくなるかもしれません。

2013-05-06 10:39:07
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)でも現状では、除染の進捗状況、手法、実施主体がバラバラで、全国一致の訴訟というのは起こりにくい状況です。賠償に関しても同じことがいえるでしょう。各個人により状況は異なり、避難に対する考え方も、政府の基準が曖昧かつ不透明になっているためまちまちです。

2013-05-06 10:40:48
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)市民や自治体を個別の状況に置いておけば、全体がまとまって問題提起してくる可能性は低くなります。実際に政府や東電がどう考えているかはナゾですが、現状はそういう状況になっています。避難区域の再編を急ぐのは、その状況を継続させることになります。かなり斜に構えた見方ですが。。。

2013-05-06 10:43:37
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)本来は、例えば区域再編も避難基準も、市民に選択権を与えて、どのような方法を選択しても不公平にならないような施策、賠償方法を用意すべきでしょう。チェルノブイリ事故後、周辺各国はそうしてきました。選択権を取り上げて政策を押しつけると住民分断が生まれることを、彼らは知っています。

2013-05-06 10:46:43
木野龍逸 (Ryuichi KINO) @kinoryuichi

続き)日本政府のこれまでの施策は、どうも分断を許容しているように見えてしまいます。賠償基準と絡めて考えると、さらにその懸念が強くなります。「子ども・被災者支援法」は選択権を用意した救済策ですが、実施が大きく遅れています。その原因のひとつがこんな所にもあるように感じてしまいます。

2013-05-06 10:50:02