2013.5.11 ついのべオフ@東京上野
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#twnovelOFF 「この中にサクラがいる!」司会者の言葉に、場内は騒然となった。一体誰が…?やがて、宣言する司会者。「それは…俺だ!」瞬間、場内から一切の音が消える。黙って舞台を降りる司会者と、残されたスタッフに観客。一体、これは何の集会だったのだろう。 #twnovel
2013-05-11 17:49:09私が死んだら棺に桜の花を入れてね、と母は常日頃から言っていた。夏だったらどうするのさ、と茶化したけれど、その時は訪れて。ぼくは、骨の欠片を庭の桜の根本に撒いた。次の春、ぞっとするくらい赤い桜が咲いて、ぼくは桜の根元でいつまでも泣いていた #twnovel #twnoveloff
2013-05-11 17:52:23#twnovel #twnoveloff 「桜の下には死体が埋まっておる」その奇怪な僧侶はしたり顔で頷く。「ではわしが祓って進ぜよう」そう言ってその僧侶は花見客の賑わう出店の列に向かって行く。「まずは腹ごしらえ、奢れよ」僧侶は笑う「わしの名前?錯乱坊、チェリーと呼ぶが良い」
2013-05-11 17:52:32ワシントンは正直に庭の桜を切り倒してしまったことをお父さんに伝えました。「男は責任を果たさねばならぬ。わかるな」ワシントンは桜の枝を持って庭に立ちました。雨の日も風の日も。そして桜は花をつけ、お父さんは児童虐待の罪で逮捕されました。 #twnovel #twnoveloff
2013-05-11 17:56:17ついのべオフが開催されてたり、旅に出て良い風情の旅館でしっぽりしてるカップルがいる横でなんで仕事してんだろう俺……と考えてはいけないぞ>俺
2013-05-11 17:58:24散らない桜があればいいのに。え、造花? と返すと、拗ねた顔をした。いつもそうだった。君の言葉を混ぜ返してばかりの僕。真面目に受け止めるのが気恥ずかしくて。散り果てた樹を見上げて思う。来年も一緒に見ようと、ただ言うだけで良かったのに、と。 #twnovel #twnovelOFF
2013-05-11 18:01:20さよなら。土砂降りの中、彼女の声は聞こえない。なのにはっきりとわかるのは、喜んでいいことなのか、それともやはり別れを悲しむべきなのか。彼女の背はもう遠い。走れば追いつけるけれど、走るには何かが足りない。彼女と見上げた桜並木は既に葉桜で、季節は巡って戻らないまま。 #twnovel
2013-05-11 18:02:52#twnovelOFF その桜の前で強く願えば誰とだって会える。たとえそれが死者であっても。そんな噂、信じちゃいなかったけれど、目の前の君の姿にそれが真実だったと悟る。だから、ねえ、君? #twnovel こんなにも僕のことを思ってくれてありがとう。僕も君が、ずっと好きだったよ。
2013-05-11 18:06:16#twnovel 「さ、さ、さ、さ、さく、さく、さ、さく、さ、さくら、さくら、さく、さくら、さくらさ、さく、さくらさく、さくらさく、さく、さ、さ」#twnovelOFF 「間違いありません。完全に……」「せ、先生!」「……私は錯乱しています」
2013-05-11 18:07:39薄っぺらい封筒に一枚の紙切れ。「サクラチル」たった一言のメッセージにダメだったのかと肩を落としたボクに、キミは前を見てと先を指差す。そこには青々と繁る並木道がずっと先まで伸びている。ボクたちは新緑の桜の木の下を胸を張って歩き始める。 #twnovel #twnoveloff
2013-05-11 18:09:27出会い系のサクラのバイトは金はいいが気詰まりでいけない。気晴らしに出掛けたら、胸に赤いバラを差してくたびれ果てた表情で立つ兄がいた。「おい」「な、え?」「ご飯おごってよ」引っ張って歩く。一応サクラじゃなくなるのかな? #twnovel #twnoveloff
2013-05-11 18:15:02#twnovel #twnoveloff 桜は笑う。コロコロと?カラカラと?ニコニコと?クルクルと?違う違う。桜は笑う、ハラハラと。精一杯に咲いて咲いて咲き誇って、散りゆく最期にハラハラと。咲いた事を誇りに抱いて、散りゆく時に桜は笑う。笑いは地面に張り付いて、後は静かに眠り行く。
2013-05-11 18:18:14