『平清盛』的な伏線張を『八重の桜』でも実はけっこうやっているのだが、さりげなさすぎて気づいている人は少ないかも。明日の小田時栄と拳銃の組み合わせは以前の八重とビー玉の組み合わせと重なっている描き方です。
2013-05-11 13:42:27同じ伏線の張り方でも、清盛と八重とでは全然違う気がするんだよね。清盛は、ともかく伏線を回収することが自己目的化していて、そのためにストーリーに破綻をきたすことも気にしなかったと僕は思う。その点、八重の伏線の張り方はごく自然で気にならない。
2013-05-12 02:05:51実は僕が清盛で一番好きだった回は「忠と孝のはざまで」でして。まあ頼山陽出典ですが、重盛が著名な「忠たらんと欲すれば孝ならず…」というわけです。ところが、この前提となるべき重盛が後白河に恩義を感じた描写は一切ない。まあ、これは妥協しよう。
2013-05-12 02:09:10問題はその翌週。重盛が危篤となるシーンで、後白河が双六をやろうと乗り込んでくる。これが後白河初登場時の伏線回収だと思うのですが、大馬鹿もの、と怒鳴りたくなるくらい酷い。重盛は、後白河に山よりも高い恩義を感じているはず。だからここに必要なのは、後白河が重盛を気遣う描写。
2013-05-12 02:12:54ところが伏線回収命の馬鹿な脚本家は(もう名前も憶えてないけど)、ここで伏線回収を優先させるわけです。その結果、ストーリーが見事に破綻しているのに気がつかない、いや、気がつけないのか、もともと気にしないのか知らないが。これが清盛が結果的に駄作に終わった理由だと思うわけです。
2013-05-12 02:15:32ようするに、ここで後白河に危篤の重盛をいびらせてどうするんだってことなんです。もちろん、重盛の死後、後白河が重盛知行国を没収して清盛を怒らせるという史実があるわけですが、その間の運びが酷すぎる、ってことなんですよ。
2013-05-12 02:18:43その点、今年の八重の桜は安心して見ていられます。伏線も、まあこれは歴史を知っているからわかる伏線が多いわけですが、見ていると切なくなってくる。その点が、実にうまい。脚本家が違うと、ここまで差が出るのか、と感心している次第です。
2013-05-12 02:20:54