カオス2

Lamentoと紅天を咎狗世界はトシマへ飛ばしてみたカオスリレー
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あたる @mmokoo

呼び出しは、場所がらもあって猫どもを相手にしている時より多い。よって、ラゼルは暇ではなかった。なので、くるり背を向けて立ち去ろうとした肩が、不意に後ろからぐわっしと容赦ない力で掴まれた。 #caos_juutai

2010-09-12 22:27:29
あたる @mmokoo

「…!」 痛みはさほどでないが、悪魔に平気で触ってくるヤツはいなかったので、ちょっと驚いた。フラウドなら喜んだだろうが、あいにくラゼルは変態趣味はなかった。 #caos_juutai

2010-09-12 22:29:49
あたる @mmokoo

「トシマだ」「としま…」 困惑を滲ませる相手に、ラゼルは(この妖怪って雷属性だよな?じゃあ、ヴェルグの仲間か)と、要らん思いつきでもって、ラゼルは紳士の笑みを浮かべ提言した。「お前の仲間がここにいるぞ」 その瞬間、手が離れた隙に悪魔は姿を消していた #caos_juutai

2010-09-12 22:31:20
要(鈴木志薫) @kaname218

14.「…やはりアレも妖か」。でなければ即座に姿を眩ますなどという芸当、できようはずもない。それに穏やかな笑みのその裏に、ぞっとする気配もあった。やはり藍丸を先に行かせず正解だったとホッとするが、「なあなあ、誰がいんだよっ」興味津々の主はすぐ背後にいた #caos_juutai

2010-09-13 15:51:42
要(鈴木志薫) @kaname218

15.雷王の広い背中の壁で、他の者には見えなかったらしい。だが、と雷王は思う。ここは我らが見知る浅草ではなく、トシマという場所らしい。引越には必ず襲の力を借りていた。今かの者が此処にはいない。となれば、元いた場所へ戻るまで、ここでの生活が余儀なくされる… #caos_juutai

2010-09-13 15:54:34
要(鈴木志薫) @kaname218

16.無論襲は自らの失態を覆すべく、我らを必死で探しているだろう。江戸の羽織が消えたのだ。おそらくは嘉祥も加わっての大捜索が始まっているはずだ。だがそれもいつ出会えるかわからない今、理不尽ながらここでの暮らしも考えねばなるまい。 #caos_juutai

2010-09-13 16:03:08
要(鈴木志薫) @kaname218

17.ならばまずは外に出て、ここがどういう秩序により成り立つかを知る必要がある。だが「雷王、俺腹減った」。ぴりぴり張り詰める雷王の神経をぷつっと切る主の声が、背後の皆にあっちゅう間に伝染する。「ではお蕎麦の支度をいたしますね」 。妖は往々にして呑気だった #caos_juutai

2010-09-13 16:08:37
あたる @mmokoo

18.藍丸一紋が、風流にも引越し蕎麦を喰らっている頃。ラゼルは呼び出し地点に到達し、溜息をついた。「また、お前たちか」目の前では、黒と白の猫が爪と牙を剥き出して取っ組み合いの最中だ。 #caos_juutai

2010-09-14 19:44:35
あたる @mmokoo

19. 人間どもの怒りだってあるだろに、ここ最近は猫どもの怒りばっかり食していたせいか、無意識にネコに引寄せられる。もっとも、ソレは自分だけじゃない。他の悪魔たちも、商魂たくましい商売猫と宿猫が開いた非戦闘中立店に集合してる。 #caos_juutai

2010-09-14 19:46:38
あたる @mmokoo

「お、あんた戻ってきたのか」 茶を出すついでに声をかけられ、好きで戻ってきてないだけに、複雑な気分だ。だが猫にしておくのが惜しい茶の香り。悪魔にならんかと思案しつつ、ふと部屋の片隅がどんより暗いのに気付いた。 #caos_juutai

2010-09-14 19:50:48