通りがかった買い物客が、随分微笑ましそうにくすくす笑った。二人してこんな可愛いベッドに寝転がって、そりゃあ友人同士がふざけているようにしか見えないのだろう。 「笑われたぞ、アリババ」 「いいよ、べつに」 →
2013-06-25 00:43:13思ったよりうんと近い距離に、ベッドは広めのにしよう、そんなことを思いながら起き上がる。 「行こう、アリババ。ベッド買わないと」 「広めのだったら俺泊っても床じゃなくて済むじゃん」 またそんなことを言ったアリババは、そう無邪気に笑った。 うかいさんのトトロベッド#同級生シンババ
2013-06-25 00:45:47朝。学校の最寄り駅でいつも通り合流する。アリババからふわふわいい匂い。 「アリババ、シャワーしてきたのか?」 「寝汗すごくて。…今もやばいけど」 「ふーん、ボディソープ何使ってんだ?」 「え?なんだろ、なんか石鹸…」 放課後、一緒に薬局に寄って、同じのを買った。 #同級生シンババ
2013-07-01 23:34:33帰り道。シンの自転車の後ろに我が物顔で座って、心地良い風を受ける。ムスクに混ざってうっすらと薫るシンの匂い。 「…シン、この香水なに?」 「え?えーと、確か…」 「俺あんま好きじゃない」 「…そっか」 その日の内に立ち寄ったドンキホーテで、同じ香水をお買い上げ。 #同級生シンババ
2013-07-01 23:29:51カリカリとシャーペンを走らせる。苦手な英語の課題をするのは、とても疲れてしまうわけで。 「…フレンドってさー」 「んー?」 「綴りにendが入ってるって言うけどさー」 「んー」 「endが来たらどうなんの?」 「それは、」 …危ない、危うく告白するところだった。 #同級生シンババ
2013-07-01 23:02:31@azu33102 握り締めた左手を持て余すシンドバッドを他所に、アリババはとても楽しそうだ。すれ違うあの女の子が可愛いと言ってみたり。シンドバッドの気も知らず。 「あっ信号変わる!」そう言ってアリババは、握り締めたシンドバッドの左手を、いとも容易く握り返した。 #同級生シンババ
2013-06-30 20:04:45卒業式の前日、「ペアルックしようぜ」、そう言って笑ったアリババは静かに泣いていた。さいごのペアルック。 #同級生シンババ
2013-06-29 00:00:03月曜は憂鬱だ。日曜降った雨は月曜にはからりと上がり、家を出た途端に眩しい太陽が降り注いだ。 また、今日から一週間が始まる。 ひとまず、少し前を歩く背中に走りよった。 「おはよ、シン」 振り返っておはよう。近くにいた女子が頬を染めたけど、正真正銘、俺だけに向けた笑顔、なのだ。
2013-07-01 11:30:30@am_am_sun 「お前手でかいよなーま、体もでかいから当たり前か」羨ましそうにぎゅうぎゅう手を握られるのだからたまったもんじゃない。仕返しとばかりに握り返してやれば、なんだよと笑われる。男同士で手を繋いで、嫌じゃないことがどういうことか、彼には自覚してもらわねばならない。
2013-06-30 23:37:52@am_am_sun 「間に合ってよかったなー!」 そう無邪気に笑うアリババの手はまだシンドバッドと繋がれたままで、横断歩道を終えても離れる気配はない。まったく、こういうことを無意識にするのだから恐ろしい。 はっと気づいて、わり、手、、離れようとする手を、ぱしりと掴んだ。
2013-06-30 22:15:13「何か混んでるなあ」 「歩けばよかったな、まあ日曜だししゃあないか。」 窓際の手すりにもたれ掛かってぼんやり流れる風景を眺めるアリババが、もし女なら手も繋げたのになあ。 手持ちぶさたな左手をぎゅっと握る、夏。 日曜、二人でお出掛け。 #同級生シンババ
2013-06-30 15:51:26「しーんー、キスマークつーけーてー」 セックスしてきたっぽく見せてみたい、そう言ってアリババはカラカラと笑った。ここ、と指さされたのは首筋。日に焼けないそこに、もういっそ消えないくらい、きつくきつく吸い付いた。 #同級生シンババ
2013-08-08 23:47:37アリババくんに一方的に殴られた次の日、学校行ったら女子に囲まれて「あ~シンドバッドくん痛そ~」「見た目だけだよ、たいして痛くは無いんだ」「女の子にやられたんでしょ~」「んー?まぁそんなとこ」とか言ってニヤニヤしてるシンドバッドくんが目撃される模様 #同級生シンババ
2013-08-07 21:21:57