第一回大罪大戦《負-2の狭間》【戦闘フェーズ01】

虚(ゼロ)は怠惰、ピグレーツォ[ @noamarimo_sin ] 紅(ルージュ)は怠惰、スロウス[ @siroeda_sin ] 狭間に出で遭い、交叉する。
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スロウス @siroeda_sin

かつ、と、靴底が地を叩く音。見回せど特に目を引くもののない殺風景な空間の中に、その音はよく響いた。 その発生源たる灰色に身を包んだ男は、一見やる気なさげに、ただ黙って相手を待っている。

2013-06-12 21:58:12
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

扉の向こうはとても殺風景――どころか、極端に言ってしまえば何も無い。正しく空間だ。 「ああ、これは・・・・・・実に・・・・・・何もないなあ――おや?」 宙に浮く畳。その上に炬燵。更にその上に、十二単を纏う狐耳の童が、8本の尾を揺らし、足音に目を凝らした。

2013-06-12 22:16:28
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

人影が遠くに見えました。ゆっくりと近づいてみます。どこまで近づけるでしょうか。いきなり殴られたりするのは怖いので、どんなに近づけても3畳分は距離を取りたいと思いながら。 「・・・・・・」 手の中に扇を引き寄せて、口元を隠しつつ。静かに進みます。

2013-06-12 22:24:48
スロウス @siroeda_sin

「…………あ?」 目に映った姿に、呆気に取られたような顔をして、声を漏らす。少なくとも、畳に炬燵にと寛いだ格好で来るとは誰も思わないだろう。 「……ンだ、変なのに当たっちまったな、オイ」 ぶつぶつと言いつつ目をやる先は、耳と尻尾。 「……お狐様か?それにしちゃあ違和感があるな」

2013-06-12 22:28:51
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

先に声をかけられてしまいました。 「あはは。変なのだなんて――え?」 ぱちくり。目を瞬いてしまいました。狐――狐と? 「おお……おおお……なんてありがたい……」 お化け、油揚げ、などと言われ続け。初めて、アイデンティティが護られた気がしました。つい感謝が口につきました。

2013-06-12 22:36:30
スロウス @siroeda_sin

「……ハァ?」 反応は簡潔極まりなく、何言ってんだコイツと、呆れた目で見ながらの一言だった。 「……何なんだお前。狐じゃないのか?俺はどっちでもいいけどさ」 何なんだろう、コイツは。ここにいる時点で決まってるんだが、そういうことじゃなくて。

2013-06-12 22:46:23
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

ああ…! 大変です、蔑みの視線がこちらを見ています。ゾクゾク…いえ、間違いです。ボクはそういうキャラじゃなかった気がします。 「これは失礼しました。ボクは見ての通りの存在です。狐なのかは、ボクもよくわかりません」 →

2013-06-12 22:53:58
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

→ これだけは説明が面倒なのではなく、本気でボクは自分を良く知りません。 「気がついたらボクは存在していました。自分が何かを調べるのは――面倒なのでしませんでした。でも知っています」 一呼吸。口の端を歪めて… 「貴方達古い大罪が、分かれた事でその狭間に現出したのだと、ね」

2013-06-12 22:57:44
スロウス @siroeda_sin

「ほー。そうかい」 一々ツッコミを入れるのも面倒なので色々とスルーしておく。まとめるとアレか。この見てくれからしてクソ曖昧なお狐様は。 「マジモンのイレギュラーか、そうか。……そんで?古い方を倒して居座ろうって、そういう話か、そっちは」

2013-06-12 23:06:15
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

目の前にいるこの人には今のボクは童子に見えるのか童女に見えるのか。ぼんやりと考えながら。 「んー? あー…そうだね? ボクらのボスの言い方を使うと、壊して、創り直すだけど。ボクは面倒だから――どっちでも良かったんだけどね」 ぱちん。しゃらら。扇を閉じたり開いたり。

2013-06-12 23:12:31
スロウス @siroeda_sin

「は、そいつはご苦労なこって。のんびり油揚げでも食ってりゃいいものを」 狐じゃないのかもしれないが、まぁそこは別にどうでもいい。外見ですら、『男女どちらにも見える』程度には曖昧だ。どちらかといえば女性寄りか。 目線を離さないままに、ゆるりと一歩、前へと踏み出す。

2013-06-12 23:31:26
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

「ボクもそうしたかったんだけどね? あぶらげだけで過ごして居たかったんだけど、ボスが働かないとあぶらげを消した世界を作るっていうからさ?」 踏み出された一歩をちらり。扇を閉じた。視線を受け止める。

2013-06-12 23:38:28
スロウス @siroeda_sin

「…………そうかい」 コイツはそのボスが居なくなったらどうするつもりなんだろうか。その視線にどんどん呆れが混じる錯覚。……侮蔑の色はない。念のため。 「そいつは大変だ、なッ!」 踏み出した足に軽く力を込め、距離を詰める。先ずは小手調べ、そのふわふわ浮く畳を蹴り上げてやる。

2013-06-12 23:50:15
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

来るかな――? 来るかな―― 来たッ…! 踏み込み早ッ! ああ、やっぱり、この人・・・強っ! 「わっ・・・・・・にゃっ!」 畳が蹴り上げられれば、当然上に乗ってる炬燵もボクもひっくり返って――危なッ! ボクは炬燵に潰されないよう、地面を転がって距離を取ります。十二単汚れた。

2013-06-12 23:59:01
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

ぱんぱんと、汚れを払います。……まあ、その程度では取れないのですが。 「ああー…やっぱり、やりあうしかないのかあ……ボクと同じように怠惰な罪の人なら面倒だってじっとできたかもしれないのに」 扇を構えます。そういえばこの方の罪は…何でしょう? まあいいか。今更聞くのも野暮です。

2013-06-13 00:02:17
スロウス @siroeda_sin

「……チッ」 追撃はしない。立ち上がり、扇を構えるその姿に向かい合う。 思ったより反応は遅かった……こういう相手に限って面倒だと相場が決まっている。 「ああ面倒くせえな。本当に面倒くせえ。やりあいたくねえなら他に何かあるだろうが」 ぼやきながら首を回し、緩く手を握って、構えた。

2013-06-13 00:15:13
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

「おや…?」 てっきりコンボが来るかなと思っていたのですが、そうでも無いようです。むぅ。 「……他に何か…といってもまあ…引きこもっておくとかありましたけども、言っても詮無いですし」 視線を動かして、ジャンプ。新しい畳を《引き寄せ》て――乗ります。 →

2013-06-13 00:22:53
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

→ 「なので――次はこちらの番なのです!」 扇をびしっと向けました。そして――畳を蹴り出す様にその場でジャンプ。 畳を、低空でかの人の方へ飛ばしました……!

2013-06-13 00:26:08
スロウス @siroeda_sin

「そうかい。ま、それならそれでいいさ」 生まれたばかりみたいなものなら、理由なんてのも薄いんだろう。面倒だってんなら仕方ない、面倒だからな。 「……さて」 何もない場所から畳が現れる。……まさか、畳を操る能力というわけでもあるまい。そのまま様子を見、狐の宣言を聞くと同時。→

2013-06-13 00:30:33
スロウス @siroeda_sin

高速で畳が飛来する。きちんと見ておけば、対処出来ないことはない。受け止めるか、いや。子供がジャンプで飛び乗れる程度の高さだ、上へ跳ぶことで回避する……次は、何だ?

2013-06-13 00:37:28
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

畳みは跳躍で回避されました。ボクは畳を蹴り出した足を地面につけると同時、《幽(かくりよ)》に身を移します。もやもやっとして――見えるかもしれませんが、この状態のボクには何も届かない! (この距離なら) 8歩で距離を詰められるという浅知恵で、接近しての扇の一撃を計画します…!

2013-06-13 00:45:19
スロウス @siroeda_sin

「……ふう」 たん、と無事に着地する。……その間に相手はその姿を煙のような何かに変えていた。その正体は分からないが、それなりの速度で向かってくる。 下がる事はせずに右腕を引き絞り、カウンター気味にその煙へと拳を突き込んだ――手応えは、ない。

2013-06-13 00:50:44
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

6歩――7歩――! まるで鉄鋼弾のような拳が、次元一枚隔てたボクの座標を通り抜けました。ああ、本当……面倒なくらい心臓に悪い!! 「―――!!」 8歩目。かの人のすぐ斜め後ろで《幽(かくりよ)》は解けて――そのうなじ目指して、ボクは扇を、振ったのです――!*

2013-06-13 00:57:08
スロウス @siroeda_sin

「……くっ!!」 振るわれた扇、避けられない。ならばと強引に身を捻り、首ではなく肩で受けた。その見た目からは想像しがたい衝撃が、身体を揺らし、吹き飛ばす。 「厄介な力だな、クソ」 丸ごと持っていかれなかったとはいえ、直撃のダメージは軽くない。すぐに飛び起き、視線を狐の方へと戻す。

2013-06-13 19:19:34
ファンシー・S・ピグレーツォ @noamarimo_sin

当たった――!! ボクの腕を衝撃が走ります。手に馴染む扇は、魔力の伝導率も高いのでしょう。ボクの予想以上に、かの人を吹き飛ばしました。 「おお…? おー?! なんだ、ボクも強いじゃん!」 無謀と慢心が心に沸き上がりました。 →

2013-06-13 21:13:27
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