シマウマ(f_zebra)さんが紹介する『サンオノフレ原子力発電所のトラブルと廃炉』

“NRCは米国内の原子力プラント運転者に対して福島事故に対応した改善命令を出していますが、サンオノフレの事例はこれとは直接関係ありません”
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Flying Zebra @f_zebra

サンオノフレの廃炉が一部の人たちから変に持ち上げられているようですが、経済性を理由に廃炉が決定されるのは普通のことです。アメリカでは天然ガス価格が低いレベルのまま推移すればそれだけ原子力の経済的メリ.. http://t.co/xFE6RXf95e

2013-06-08 23:27:07
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最近話題のサザンカリフォルニア・エジソン(SCE)社のサンオノフレ原子力発電所2、3号機ですが、昨年のトラブル発生以来日本の原子力関係者の関心は高かったものの、一般の方には馴染みが薄いでしょうから簡単にトラブルの概要を解説します。

2013-06-10 12:17:57
Flying Zebra @f_zebra

サンオノフレ2、3号機はPWRですが、最近原子炉容器に次ぐ重要機器である蒸気発生器(SG)の交換を実施しています。アメリカだけでなく、日本でもSG交換は特に珍しくありませんが、サンオノフレでは新しいSGを三菱重工が納入したことから国内では当時から注目されていました。

2013-06-10 12:18:58
Flying Zebra @f_zebra

新しいSGによる運転は2010年、2011年に開始されましたが、2012年1月に細管の異常な摩耗が見つかり、2、3号機はそれ以来運転を停止しています。摩耗の原因は、面内流力弾性不安定(FEI)と呼ばれる現象でした。

2013-06-10 12:19:24
Flying Zebra @f_zebra

面内FEIは、SGの2次側で発生した蒸気による高速の蒸気流が振れ止め金具のところで部分的に過度の細管振動を生じ、細管同士がぶつかって摩耗が発生する現象です。この現象は、これまで原子力用U字型細管SGでは経験のない現象でした。

2013-06-10 12:20:34
Flying Zebra @f_zebra

SCE社は昨年10月、2号機を5ヶ月間70%出力で運転し、その後一旦停止して細管検査を実施するという計画をNRCに提出しています。この出力レベルであれば、面内FEIは発生しないとされており、それを確かめるための計画でした。

2013-06-10 12:21:16
Flying Zebra @f_zebra

一方、修理方法についてはより分厚い防振金具の設置や管束の下部を丸ごと取り替える方法などが検討され、費用の負担についても協議が続けられていました。しかし、協議が難航していることに加え、NRCがいつまでも再開計画を審査しないことから、運転再開を断念したというものです。

2013-06-10 12:22:37
Flying Zebra @f_zebra

NRCは米国内の原子力プラント運転者に対して福島事故に対応した改善命令を出していますが、サンオノフレの事例はこれとは直接関係ありません。日本を含めた原子力関連企業にとっては良くないニュースですが、だからといって脱原子力に何かプラスになるというものでもありません。

2013-06-10 12:23:28
Flying Zebra @f_zebra

サンオノフレ2、3号機については以上ですが、ついでに米国の福島事故対応についても触れておきましょう。NRCによる改善命令への対応で、プラント1基あたり平均3,500万ドル(35億円)程度のコストが掛かると見積もられています。

2013-06-10 12:24:44
Flying Zebra @f_zebra

大半の事業者は必要な検討や設備改修を原子炉の運転中または燃料交換・保守停止の期間中に実施できるとして、計画停止期間は延長しないとしています。こうした合理性は日本の規制当局にもぜひ見習って欲しいところです。

2013-06-10 12:25:45
Flying Zebra @f_zebra

日本の場合、大型の原子力プラントの停止期間が1日増えれば、それを代替する火力発電の燃料費だけで3~4億円程度余分に掛かります。安全性を高めるための改修費用に比べ、安全性には何ら寄与しない「審査を待つ」ためだけに停止期間が延び続けていることの如何に愚かなことか。

2013-06-10 12:27:39
Flying Zebra @f_zebra

電力会社の負担増は電気料金の高騰となって利用者に降りかかります。料金への転嫁を阻めば一時的に利用者の負担は抑えられますが、電力インフラの劣化を招き、将来の世代に遙かに大きな負担を強いることになります。

2013-06-10 12:29:04
Flying Zebra @f_zebra

アメリカだけでなく、脱原子力を決めたドイツやスイスですら原子力発電所を運転し続けながら安全性を高める改修や再生可能エネルギー促進のための送配電容量増強を実施している一方で、震災からの復興のためにも経済の再生が急務であるはずのわが国は一体何をしているのでしょうか。

2013-06-10 12:29:58

例えばこんな報道

リンク ワールドWave 原発再稼働に揺れるカリフォルニア州 - NHK 特集まるごと 大きな議論を呼んだ関西電力大飯原発の再稼働。 その是非をめぐり、今も波紋が広がり続けています。そして、アメリカでも、原発の是非を問う市民の動きが。事故で原子炉が停止した原発の再稼働をめぐって、町を二分する議論が巻き起こっているのです。 市民「原発にはなくなってほしいわ。もうたくさん。」 「テストして安全性を確保すれば、原発は有効なエネルギーです。」 東京電力福島第一原発の事故は、世界で最も多くの原子炉があるアメリカにどのような影響を与えているのか現地からの報告です。傍田 「世界で最も多い104基の原子炉を