【テドカイ】終わらない終末

重音テッド×KAITOの物語。 幼い頃、魔物に浚われた天使の子供がいた。 その子供は救い出され、魔物は神々によって封じられる。 しかし。幾年もの月日が流れたその時。ある事件が起きる。
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大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL その話は相変わらずの天使物。 遠い昔、一人の生まれて間もない天使が誘拐されてしまうのがすべての始まり。 けれどその後、神様達は総出で魔物から誘拐された天使を救い出した。 そしてその魔物を封印してしまうのです。そこまでが物語の始まる前の出来事。

2013-06-26 21:07:40
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL この誘拐された天使ってのがカイト。そして、彼を浚った魔物がテッドさんです。 テッドさんは封じられ、カイトは天に連れ戻される。そして、何年も何百年も時が過ぎ、物語が始まる。 その時は小さかったカイトも随分大きくなるんですね。

2013-06-26 21:10:08
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイトは神様から沢山術を教わったり、勉強したりして頑張って強くなろうってしてたんです。 『僕ね、つよくなりたいんだ』って笑ってめーちゃんに話してて。 いつか神様になるカイトだから、その為だろうってみんなが思ってた。 でも、本当は違うんですね。

2013-06-26 21:13:05
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 泣き言も言いつつ、それでも諦めずにカイトは一生懸命強くなろうとしてた。強くならなきゃいけない理由があったのです。 そしてずっと彼はそれをひた隠しにして、誰にも言わずに過ごしてきた。 叶えたい願いを叶える為に。ずっと、小さい頃から願ってきた事を。

2013-06-26 21:16:48
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そして、ある日。ようやく機は熟したと、それを実行に移す時が来るんです。 ずっと自分に武術を教えてくれた神様を、カイトは殺してしまうんですね。『ありがとう。そして、さよなら』って。その手にテッドさんの大鎌を握りしめて。

2013-06-26 21:19:21
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイトが強くなりたかった理由はただひとつ。強くなければテッドさんの大鎌を扱う事が出来ないからです。 神さえも殺す事が出来るその大鎌は、負の力が強すぎて簡単には扱えない。だからカイトもそれを制御する事が出来なくて、だから扱えるようになりたかった。

2013-06-26 21:20:34
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そうして。カイトがその神様を殺したもう一つの理由が、その神がテッドさんを封じた神々の一人だったからなんですね。 天界でも力ある6人の神々が、結界を張ってその中にテッドさんを封じ込めた。 だからその結界になってる6人を殺さなければ封印は解けないのです。

2013-06-26 21:21:49
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そうして、最初の一つを消したカイトは暴走していく。 メイコが必死で止めるんだけど、カイトは聴かないんです。どうしても、どうしてもテッド君に会いたいんだって、そう言って。 遠い昔。カイトは誘拐されたんじゃなくて自分からついていったんです。本当は。

2013-06-26 21:23:58
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL まだ小さかったカイトの前に、テッドさんが現れた。『おいで』って誘うテッドさんにカイトは警戒もせずについていく。 そうして、カイトはテッドさんの元で何年も暮らしていたんですよ。何かあったわけじゃない。ただ、二人仲良く暮らしていただけ。

2013-06-26 21:25:42
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 一緒に暮らしている間、カイトは幸せだった。テッドさん大好きだったから、ずっと一緒にいられると思ってた。 けれど、そこに神々の軍勢がやってきて、テッドさんと引き離されたばかりか、彼自身も封印される所を見てしまう。 小さいカイトは何も出来なかった。

2013-06-26 21:27:31
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そうして、カイトは次々と神様達を襲っていく。 誰がテッドさんの封印になっているのかわからなかったから、調べ上げてそうだと思われる者を片っ端から襲っていった。 命乞いをする神もいたけれど、カイトはそんな神にさえも容赦することなどしなかった。

2013-06-26 21:29:18
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 殺戮を続けるカイトを、メイコは必死で止める。 お願いだからやめて、って何度も言うけれど、カイトはテッド君に会いたいんだって返すのね。このまま生きていけない。どうしても封印を解きたいんだって。 泣いてるメイコにちょっと揺れながらも。

2013-06-26 21:31:05
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 一つ、また一つとテッドさんの封印は解かれていく。 水晶の中で眠り続けるテッドさんを見つめながら、あともうちょっとでテッド君に会えるんだ、って思うんだけど、そこで最大の障害が立ちはだかるのです。 それが最後の封印。これを持つ神が誰なのかわからない。

2013-06-26 21:33:48
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 6つ全部の結界を解かなければ、中で眠るテッドさんは解放されない。すなわち、彼に会う事が出来ない。 カイトは必死になって最後の封印を探すんだけれど、でもどうしてもそれを持っている神が誰なのかわからないんですね。 あと一つなのに、ってテッドさん見つめるカイト。

2013-06-26 21:35:35
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 絶望するカイトに、またメイコがやってくる。何度も何度も繰り返した説得をももう一度するんです。お願いだからもうこんな事はやめて、って。 最後の一つがわからなくて、泣いてたカイトは凄く迷うんです。でも、どうしても会いたい気持ちは無くせない。

2013-06-26 21:37:56
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 目の前で眠るテッドさん。あと一人殺せば、彼に会える。そのたった一つの希望に縋り続けるカイトを見て、メイコは最後の勧告をするんです。「もうやめて」って。 でも、カイトは首を縦に振らなかった。そう、って悲しげに呟いたメイコはカイトを後ろから刺しちゃうんですね。

2013-06-26 21:39:45
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL それに驚いたのはカイト。 実はずっとカイトが探してた最後の封印がメイコだったんですね。カイトは姉の彼女を最初から除外してたからずっと気付かなかった。 そしてメイコはもうカイトを止められない、と知って刺してしまうんですね。

2013-06-26 21:41:27
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 後一つの結界を残して、カイトはそこで力尽きてしまう。テッドさんの目の前で。 そしてメイコは眠るテッドに言うんです。ごめんなさい、って。あなた達は一緒にいてはいけないのよ、って言うんですよ。泣きながら、止められなかった自分も責めながら。

2013-06-26 21:43:04
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL 綻んだ結界の中、微睡むように意識を取り戻していたテッドさんはそれを聴いてるんです。彼自身もわかってた。でも、それでも迎えに行ってしまった。 何度命を繰り返しても、テッドはカイトを迎えに行くし、カイトもテッドの手を取ってしまう。何度でも。

2013-06-26 21:44:34
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL カイトはテッドさんと出会うたびに必ず暴走し、大きな被害を生んでしまう。だから二人が出会う事も、一緒にいる事も許されなかった。 二人が持つ力は同じもので、だからこそ響き合って呼んでしまう。テッドさんを封印したのはどうしても互いに一緒にいようとしてしまうから。

2013-06-26 21:46:55
大崎巧実 @mboxtw

@UTAUmosoTL そして、カイトが息絶えたのと同時に、テッドさんもまたそのまま力尽きてしまうのでした。 それをメイコは見届ける。 もう一度二人が生まれてきて、また同じ事を繰り返すだろう。終わる事無く繰り返すその運命に、心を痛めながら。 と言うお話でした。

2013-06-26 21:49:11