ついったssまとめ６月分

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畳に寝転んで見上げた空は梅雨の晴れ間に相応しく、どこまでも澄んだ青だった。恵みの雨を含み、木々の緑は色鮮やかさを増す。バニーの目の色みてえだな。ふと、そう思った。今頃どこにいるのやら。戯れに両手の親指と人差し指で緑色の景色を切り取ると、シャッター音を口にした。 #留守番おじ

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①スカイハイが青い顔で打ち明けた。「深夜のパトロール中にヘリペリデスの社屋の近くを通ったら、『カーン、カーン』という音が聞こえてきてね。白い影も見えるんだが、近づくとすっと姿が消えるんだ・・。私は幽霊でもみているんだろうか？」おい、折紙なにこそこそ隠れてんだ？

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②襟首掴んでひっぱり出すと、情けない叫び声が上がった。「後生でござる後生でござるー！丑の刻参りは姿を観られたら願いが叶わないのでござるー！」混ざってる、いろいろ混ざってる。／午前3時

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雨の日ですか？最近はそれほど嫌いじゃなくなったんですよ。ほら、こうして街を見下ろすとたくさんの傘が、まるで花が咲いたようにみえるでしょう？ーあ、また一つ咲きましたよ、虎徹さん。 そう言って嬉しそうに笑うお前の方が花みてえ、…なんて絶対言えねえ！/かさ #同題二次TB

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ブロンズステージの片隅に建つ一軒の小さな店。六月に入ったある夜、風変わりなお知らせがニャンコ髭の店主の手で張り出された。仕上がりを確認し、彼は満足げな笑みを浮かべる。 優しい木目調の扉に張られたそのお知らせには、こんな文が書かれていた。 『癒やしタイガー、始めました』

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「こんばんは、貴方を誘拐しに来ました」開けたドアの向こうに見えた、金髪ハンサムの極上の笑顔。「間に合ってます！」「新聞の勧誘じゃありません、よっ！」逃げる間もなく抱き上げられて、車の中に放り込まれた。「プロポーズの返事を頂くまで帰しませんから」碧の瞳が傲然と見下ろした。／ゆうかい

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直近で最高視聴率を記録したのは「ワイルドタイガーを探せ！」という特番の時。何から何までそっくりの男性百人の中から本物を探すという企画だった。彼らをちらりと一瞥しただけのバーナビーが「ここにはいません」と宣言し、カメラ横の着ぐるみの中からタイガーを引っ張りだして頬にキスをした瞬間だ

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数度の逢瀬を重ねたある夜、抱き締めた腕の中から細い声が聞こえた。「もうここには来ないで下さい」目を丸くする自分に白い手が伸びる。「逢えば逢う程、別れが辛くなる。ー僕はここから逃げられないのだから」反論しようと開いた口は涙で濡れた唇に塞がれた「だからもう、僕の事は忘れて？」／かさ

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虎徹君の歩く速さは分速50m、バーナビーくんの歩く速さは分速70mです。虎徹君が会社を出て12分後に、正装したバーナビーくんが花束をもって後を追いました。バーナビーくんが虎徹君に追いついてプロポーズできた場所は会社から何m離れた場所だったか答えなさい。/距離 # 同題二次TB

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離れていても心はいつも一緒だと 信じてるから今日もメールは送らない /距離 #同題二次TB

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猫の欠伸も止まらぬ昼下がり。「車、ある？」「古いのでよけりゃね」「動けばいいよ」「ならこの紙に・・。うん？アンタどっかでみたね？」特徴ある猫髭の男はにやりと笑うと人差し指を口にあてた。同行者もみたようなハニーブロンド。「駆け落ち中なんだ」「レンタカーでかい？ま、よい旅を！」／カー

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ひとしずく、またひとしずくとこぼれおちていく。いのち。両手をさしだしても、その手をすりぬけて。こぼれていく。こぼれていく。かみさま、あとすこしだけ。ひとすくいだけでいいのです。あの人が道を見失わぬよう。背中を押す言葉を。伝える時間を。どうかわたしに。／ひとすくい　#同題二次TB

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ぽたり。ぽたり。髪から汗が滴り落ちる。空調も効かない部屋に閉じ込められ早２時間。あまりの暑さに思考も停止。「ココ出たらビール飲みてえな。お前は？」「シャワーですね、気持悪い」顰めた顔に張り付く髪、白い首筋。火照った肌。思わず生唾を飲みこんだのも、それもきっと暑さの所為。／したたる

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好きじゃない。むしろ嫌いだ。こんなのありえない。認めるもんか。こんなことは、絶対に！ 「いい加減素直になれよ。バニーちゃん？」 呆れ顔で言われようとかまうものか。 「炒飯にマヨネーズだなんて絶対認めませんからね！おかわり！」 ／自己暗示　#同題二次TB

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虎徹は激怒した。必ずかの超セレブな兎に説教をかまさねばならぬと決意した。虎徹には株はわからぬ。虎徹は、一般庶民である。ゆえに、金と無駄遣いに対しては人一倍敏感であった。「バニー！やわばん株買い占めたってマジか？！何やってんだお前、無駄使いするくらいなら老後の為に貯金しろ！」

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髪をくくる。パーカーを羽織る。そして、いつもの眼鏡を手にしようとして、動きが止まる。引き出しの中、いくつもならんだ眼鏡の中からグリーンのフレームを選び出すと、鏡に向かってウィンクを一つ。 「いつもと同じじゃつまらないでしょう？」　 眼鏡も着替えて街に出よう　　#タイバニ広告祭り

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「月が綺麗ですね」相棒がポツリと言った。夜更けまでかかった大捕物が終わり、お疲れさんとコーヒー片手に並んで空を見上げた時だった。頭の上には落っこちそうな程大きな月。 「そういやニュースで言ってたっけ。今日は月が最高にでっかく見える日なんだろ？」「そういう意味じゃないんですけど」

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困った様に苦笑されて首を傾げる。「昔の文豪の逸話にこんな話があるそうです。英語教師をしていた彼は、ある時生徒にこういいました。『“I　love　you"を訳すなら“月が綺麗ですね”とでもしておきなさい』ーと」頬を染め笑みを浮かべて相棒が言った。 「“月が綺麗ですね”、虎徹さん」

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虎徹さんに無理矢理連れて行かれた遊園地。貴重なオフに何が悲しくて男２人で、と頭の痛い僕とは対称的に上機嫌な彼。「お前こういうとこって来た事ねえだろ？」「またおせっかいですか。思い出作り、なんて結構ですよ」「なんだそりゃ。俺、デートのつもりだぞ？」「え」　／予想外　#同題二次TB

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「お前と組んでもう50年かあ」「まだ50年ですよ。これからもお願いしますね」「さすがに俺ももういいジーサンだしな」「何言ってるんです。まだまだお若いじゃないですか。昨夜だって寝かせてくれな」『通信オンのままよバカップル！いい加減学習しなさいアンタたち！』／半世紀　#同題二次TB

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「おい、ハニー、ふしか？！」馬鹿馬鹿しいにも程があるが、NEXTにやられたせいで虎徹さんが濁点のついた言葉を話せなくなった。「ハニー！なあハニー！」「僕はハニーじゃない、バニーです！・・あ！」・・しまった。ちらりと横目で伺えば、案の定、してやったりと笑う顔。ああ、帰りたい！　

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「健やかなる時も病める時も」「喜びの時も悲しみの時も」「富める時も貧しい時も」「これを愛しこれを敬い」「これを慰めこれを助け」「その命ある限り真心を尽くす事を誓いますか？」騙し討ちの様に６人の仲間に囲まれて誓いをたてたあの日から。俺はすげえ幸せだったよ。なあ、お前は？　／半世紀　

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虎徹は目をみはった。腕の中に抱きしめていた相棒の身体の輪郭がゆるゆると揺らぎだしたのだ。鍛られ引き締まった身体は柔らかく丸みを帯びたものへと変わり、腕も足も細く華奢なものへと変化していく。そして太陽の光が全て西の空へと吸い込まれた時、虎徹の腕の中にいたのは1人の眠れる美女だった。

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賑やかな街頭ヴィジョンの下、所在無げに立っている人をみてバーナビーは目を和ませた。ダメ元で誘ったディナーだったのに。「来てくれたんですね」嬉しさを隠せず駆け寄ると、無言で小さな包みを押し付けられた。戸惑う耳にボソボソと小さな声が届く。「だってお前今日、誕生日なんだろ？…おめでと」

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「私も昔はスゴくモテたの」酔いが回ったのか珍しく上機嫌で経理の女史が語った。内輪で行ったT&B復帰祝いパーティでの事である。「事業部長にも熱心に口説かれてね」話半分に聞いていたがロイズさんの顔色が恐ろしい勢いで変わるのが見えた。・・・マジですか／嘘のような本当の話　#同題二次TB