戦艦シャルンホルストの生涯

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

そこでドイツ艦隊が取った行動… なんと、ドーバー海峡を白昼堂々突破しましたの。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

意表を突かれた英軍は大混乱。急遽付近の魚雷艇や駆逐艦、爆撃機をかき集めて迎撃に向かわせるも苦もなく蹴散らされ、ドイツ艦隊は無事本国へ帰還したのよ。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

ドーバー海峡を敵が通り抜けるのはスペイン無敵艦隊以来の出来事。イギリスにとってこれ以上の屈辱は無かったでしょうね。

艦娘妖精うしおしおCAT二 @DD_usio

本当に神がかっていて恐ろしい限りです

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

「ドーバー海峡の崖に立っていた私の眼に、その時だしぬけに霧の中から1隻、また1隻と白い大きな軍艦が音もなく現われ、通 り過ぎていきました。」

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

「最初に現れた船はまるで中世のお城のように綺麗で、私の眼にはまるで幻のように見えました。後になって、私はあれがドイツの戦艦隊であることを知ったのです」

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

母港、ヴィルヘルムハーフェンに帰港した彼女だったのだけど、既にドイツ海軍は敗色濃厚…不沈戦艦と謳われたビスマルクは英軍艦攻隊に沈められ、妹分のティルピッツは北洋のフィヨルドに停泊していたところに重爆の12000ポンド爆弾を受け半身不随状態…

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

姉妹艦グナイゼナウはドーバー海峡突破作戦の数日後、激昂した英空軍の報復爆撃によって洋上のスクラップと化していましたわ。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

ドイツ海軍の終焉と共に、彼女の最期もまた。近づいていましたの。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

1943年12月24日。滅多に晴れることのない北洋の一角が晴れ、差し込んだ光条が彼女を照らしたわ。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

少女の洗礼を受け新生ドイツ海軍最初の戦艦として生を受けた彼女は、神の生まれた日に、ドイツ海軍最後の戦艦として、生まれた地、ヴィルヘルムスハーフェンに停泊していたの。その姿は、ある従軍画家によって描かれたそうね。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

その翌日、英輸送船団攻撃の為に彼女は出撃したわ。その輸送船団が陽動部隊だと知らずに…。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

26日に英艦隊と交戦。北岬沖海戦ね。そこで彼女は英戦艦デューク・オブ・ヨークの砲撃を受けて損傷、更に他の英国艦から11本の雷撃を受け、その生涯を終えたのですわ。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

「艦魂」というものを知っているかしら。艦船に棲む、神様みたいなものよ。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

艦魂は、その艦の生涯を終える直前に、その艦を去ると言いますわ。シャルンホルスト…彼女もまた、洗礼役となった少女の生命と引き換えた祈りを聞き届けた後、艦を去ったのかもしれませんわね。

ヴォルケンクラッツァー @BCS_Wolken

そういうことで、シャルンホルストのお話はこれでおしまいですわ。