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今日は遅くなったなぁ。道も暗いし早く帰ろう。そう思って帰り道をアリババは急いでいた。朝には雨が降っていたから歩きで帰っていると、思った以上に回りは暗くなっていた。街灯が少ない道だと暗闇に心許なくなる。人もいない。細い路地の曲がり角を曲がった時だった。目の前に人がいてぶつかりそうに
2013-07-12 09:03:43![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
なって慌てて立ち止まった。わっ!すいません!ぶつからなくて良かったと思う。そこにいた男をいちべつして軽く会釈をしてアリババらすぐに立ち去ろうとした。目の前に刃物が差し出されるまでは。街灯の光を反射する鉛色のものが何かなんて考えるまでもない。この時になってようやく、アリババは
2013-07-12 09:04:03![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
相手の顔をよく見た。さっきは俯きがちだった顔が今はあげられている。一番目を引いたのは相手の顔の左半分を覆う火傷の跡、ついでは左右で違う色に見える青い瞳だった。髪の色はは黒髪だろうか、暗くてよくわからない。「静かにしないと殺しますよ」低い声で脅されアリババはゆっくりと頷いた。
2013-07-12 09:04:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
④刃物が使われた事件とかがあった後、学校で友達と話したっけ。刃物を突き付けられてもすぐに逃げりゃ平気なんじゃねーの。なんでみんな刺されるんだろうな。とか。俺もそういった意見にうんうんって頷いてた。それなのに実際に突き付けられると逃げるどころか足が震えて動かなかった。
2013-07-12 17:41:57![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
⑤背中に押し当てられている冷たい刃の感触に冷や汗が流れている。そこを右に、次の路地を左に。後ろにいる男の言われるがままに歩いていく。背中に突き付けられている刃物は歩いている間もぴったりとくっついて離れない。不運なことにアリババ達は誰ともすれ違わなかった。そしてある家についた。
2013-07-12 17:47:29![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
⑥ガチャリと音をたてて後ろに回された両手に手錠がはめられた。いよいよ終わりだとアリババは天を仰いだ。俺の身代金でも親に請求されんのかな。でもうちに金はねぇし…。目の前の男から外れていた意識は音をたてて破られたTシャツで現実に引き戻された。唐突に上半身を裸に剥かれて嫌な予感が増した
2013-07-13 01:11:16