メモ・7月前半

酔宵堂 @Swishwood

社会の中核に無く、資源ではあるもののまだ交代が利き、かつ資質を発現しやすい……のが、社会化された群生集団に属する繁殖前駆期の雌性体であると云うのは偶然にせよ僥倖だよなあ、などと。

酔宵堂 @Swishwood

契約出来る、だと不適切で「抽出工程のエネルギー収支がプラスに振れる」辺りで。社会的には成熟したものとして取り扱われる個体から抽出した場合に収支がプラスに振れることの方がイレギュラーであり、当該個体の社会的適性を疑う必要があるとか何とか。

酔宵堂 @Swishwood

魂：液相。資質を持つものは過冷却に近い状態にある G.E.M.：固相。ただし微妙に変質しており、融点を持たないに等しい ……と云う条件下で、魔法の行使≒濁りは「熱」と比喩出来る。つまり崩壊時の相転移は急激な昇華であり、莫大な潜熱を齎す、と云う構図。

酔宵堂 @Swishwood

ふつう魂は液相であるためヒトと云う器に沿ったかたちで定着し、散逸することは無い訳だが、生体活動の停止に伴い「濁り」と同種の熱を帯び蒸散、揮発すると考えられる。

酔宵堂 @Swishwood

適性を認められた成人って社会人としてはｱｳﾄな気がするので……

酔宵堂 @Swishwood

でも本来誰からでも抽出出来る技術だと考えた方がスジは良いのよね。偶々ある心理適性と願望傾向が条件として満たされた場合にエネルギー収支がプラスに振れるだけで、元々はヒトをその人たらしめる要素を保存する技術だったんじゃないかと思うの。

酔宵堂 @Swishwood

成人してからの適格者って社会人としては絶対問題の方が多そうだからなあ……その割に契約後のスペックが大したことなさそうだし、そりゃ最初からターゲットの年齢層絞るわな……。

酔宵堂 @Swishwood

まずもってG.E.M.と云うか自存核とでも呼ぼうか、とにかく魂とか意識とかそう呼ばれる形而上の、あやふやな「個をその個たらしめるもの」を疑似物質として定着させる技術、と云うのが確立されて。それの抽出には無論エネルギーが必要なのだけど、時偶おかしな現象が確認された。

酔宵堂 @Swishwood

その技術自体は恐らくかつて幾度となく見出されては失われ、忘れ去られていったものであり。今回もまた、避け得ぬ滅びを前にして再び、種の記憶の底から掘り起こされたものなのだろう。それが一部の少女たちから抽出を試みる時に限り、エネルギー収支があり得ない数値——具体的にはプラスを示すのだ。

酔宵堂 @Swishwood

それと同時に、観測されている「滅び」の侵蝕が一瞬怯んだような波形を観測して止まると云うこと。果たしてそこに何らかの関係性はあるのか。それでもこの世界はもう限界であり、明白に子孫に示せる未来などないのだと、このまま全ての人々を救うことなど不可能なのだと悟ったとき、決断は下される。

酔宵堂 @Swishwood

それはつまり、ヒトの姿を捨ててまで逃げ延びることではなく、ある意味で真っ向から立ち向かうと云うこと。イレギュラーなエネルギー収支を見せた少女たちの特性が心理傾向によるものであることは比較的早急に看破され、それゆえに一つの、途方もないプランが提唱されたのだった。そう、——過去干渉。

酔宵堂 @Swishwood

時空構造に生じる僅かな「隙間」を入口に、それと量子共鳴する別時間の「隙間」を出口に指定することで物質の時間伝送を可能とする技術は確立はされていたが、それは一方通行の不完全なものであり。だが、還ってくる必要などない。送り込んだ過去が、未来を書き換えてくれさえすれば良いのだから。

酔宵堂 @Swishwood

……とまあ、その辺を大きく含ませて「星の、ディアスポラ http://t.co/qZEkKQvzCk 」を加筆してもいいのかなー、とか。

酔宵堂 @Swishwood

そしてその年も魔の山の一夜は更け、今年は一段と実りある集いであったらしい。極東の"先見"と云う賓客、またそこから齎された先の界嘯をはじめとする幾つもの有用な情報。新たに結ばれた交誼は彼女たちの安寧に資するに足る、価値あるものであった。「理の導きとこの邂逅に——感謝を」「感謝を」

酔宵堂 @Swishwood

「この後は」「地球一周の続きさ。西へ西へ、ゴーゴーウェストってね」「貴女がいい時期に旅をしていてくれてよかったわ。それでいつ頃」「そうかい。……まあ、半年以内にゃ帰るよ」「そう。じゃあ、気をつけて」「あんた達もな。一躍VIPの仲間入りだろ」「あら、私は」「へいへい。んじゃ、な」

酔宵堂 @Swishwood

ボンザック一つ担いで気ままな一人旅、みたいな絵が浮かぶなー。大陸を渡って気がついたらバイクを手に入れてるとか、そんな感じの。何処だかの居留地で土地の古老から話を聞いたり、カジノで一喜一憂したりしながら、ひたすら西へ、そんなイメージ。貨物船か何かに潜り込んで帰って来るんだよ多分。

酔宵堂 @Swishwood

夏も程近い、ある夜の港にて。「待ちなさい。何処へ行こうと云うの密航者」「……よう」「ようじゃないでしょう。手続くらいきちんと済ませなさいよ」「面倒臭えじゃん。って云うかなんでお前がここにいるんだよ」「別に何だって良いでしょう。そんな気がしただけよ」「……ただいま」「お帰りなさい」

酔宵堂 @Swishwood

……一応これもほむ杏になるんかね？

酔宵堂 @Swishwood

最後の葉書から潜り込んだ船と到着の大まかな日時を割り出してここ数日港で待ち構えて居たのだと知らされるのは無論本人の口からではないし、もう少しあとのこと。

酔宵堂 @Swishwood

帰って来てからはレパ・マチュカ辺りでバイトでもしてんじゃないでしょうか。

酔宵堂 @Swishwood

やっぱり名前以外は忘れるんだろうなー。誰のことかも思い出せないけど、確かにとても大事だった気のする名前……

酔宵堂 @Swishwood

本当は名前さえ消し去るつもりだった　わたしがいたことを、誰もが忘れてくれれば世界そのものに、わたしはなれるから けれど、ただひとりに名前だけが残った　それだけがほんとうの、掛け値なしの奇跡

酔宵堂 @Swishwood

ループの記憶が超弩級の危険物だと云う認識がある。それがこの世界に持ち込まれたがゆえに、法則そのものを脅かす存在になるような