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スクラップヤード
@CA_atago
今回は予告通り、二つの国に仕えた艦のお話です。 でも艦これには間違いなく登場しない艦だと思うから、マニアック的は話しではあるのだけど。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:41:59
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@CA_atago
戦争が終わった昭和20年10月29日。1隻の艦艇が米海軍に引き渡されたわ。 その艦は『第102号哨戒艇』。主に船団護衛に従事していた艦だから華々しい戦果を上げたわけでもないわ。 ちょっと、変わった容姿をしてはいたけど。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:44:22
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@CA_atago
引き渡された第102号哨戒艇にはDD-224の艦番号が付与されたわ。 でも名前は無かった。単に『DD-224』とか『RAMP-224』（RAMP＝Recovered Allied Military personnelの略）と呼ばれたわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:47:13
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@CA_atago
何故なら彼女、『第102号哨戒艇』という名は彼女のもう一つの名。 真名は『DD-224 スチュワート』。それが彼女の真の名。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:48:35
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@CA_atago
生粋のアメリカ産まれの駆逐艦よ。 金剛ちゃんみたいに他国に建造を依頼して・・・というのではなく、戦いの中で日本艦として戦うことになった数奇な運命をたどった艦よ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:49:57
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@CA_atago
『スチュワート』は米各軍が第一大戦中から戦後にかけて「（文字通り）腐る程」建造した駆逐艦（3形式で合計279隻！）、俗に言う『平甲板型駆逐艦』の1型式であるクレムソン級の1艦として1920年に竣工したの。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:52:53
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@CA_atago
全長95.8メートル 基準排水量：1190トン 50口径4インチ単装砲4門 21インチ3連装魚雷発射管4基 まあ、世代的には峰風・神風型と同じね。当時としては有力な駆逐艦だったわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:55:36
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@CA_atago
竣工後はしばらく大西洋に居た後、1922年に米アジア艦隊に配属されてずっとアジア地区に居たわ。 開戦時は輸送船や艦隊の護衛をしていたけど、日本の進撃に伴いフィリピンを追われ南に逃れていった。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-24 23:58:19
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@CA_atago
1942年2月の日本軍のジャワ侵攻阻止のためABDA艦隊（米・英・蘭・豪）に編入されてジャワ島のスラバヤに在った彼女は2月17日にバリ島への日本軍上陸部隊攻撃に出動。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:00:32
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@CA_atago
ただ、このABDA艦隊は連合国艦隊といえば聞こえはいいけど、その実はただの寄せ集め艦隊。 一度も合同訓練したこともないわ言語バラバラという有様。 だからバリ島への迎撃線も三波にわかれての攻撃となってしまった。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:04:06
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@CA_atago
スチュワートはこの時は第2波として蘭軽巡トロンプ、同じ駆逐隊に所属する米駆逐艦（すべて水平甲板型駆逐艦）と共に出撃。 ちなみに第1波は蘭軽巡デ・ロイテル、ジャワに蘭駆1、米駆２。第３波は魚雷艇５隻の編成。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:08:13
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@CA_atago
これを迎撃したのは第８駆逐隊の朝潮と大潮。艦これにも実装されている二人だわね。 ２隻は数と戦力で勝る相手に奮戦し、朝潮が蘭駆を撃沈。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:11:26
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@CA_atago
第１波が去った後に引き続きスチュワートを含む第2波が突入。この頃になると日本側は別動していた『荒潮』と『満潮』が到着し、戦闘に参入してくるわ。 この中でスチュワートは舵取り機室に被弾。この結果連合国艦隊の隊列は四分五裂に。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:14:23
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@CA_atago
日本側は大潮が２番砲に被弾、満潮は機関室に被弾・大破し航行不能に。 連合国艦隊は目的を達成できずに逆に劣勢な相手にやられてしまったというわけね。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:17:19
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@CA_atago
それで、主人公のスチュワートの損害は大きく緊急修理が必要のためスラバヤに帰投。そこの浮きドックに入ったのだけど、ドック内での船体固定の不味さから、ドックを浮上させたら船体が傾き損傷。プロペラシャフトも曲がるという損傷を受けてしまう。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:19:42
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@CA_atago
更にこの頃になるとスラバヤは日本機の空襲にさらされるようになり、彼女もドック内で被曝・損傷してしまう。 日本軍の侵攻も近く、修理の余裕もないということで彼女は３月２日の米海軍撤退時にドックもろとも爆破・自沈させられてしまうわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:21:57
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@CA_atago
３月８日にはジャワ島は日本の占領するところなり、スラバヤにも日本軍がやってきた。 ここに工作部が設けられて艦船修理を始めたのだけど、この時に沈んでいるスチュワートを発見。調査の結果使えそうだとなり、浮揚と修理が行われた。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:25:06
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@CA_atago
この時の修理は、船体や機関はそのままにして、米艦時代の装備を撤去し、現地で押収した装備を載せたの（高角砲２門と機銃２丁）。 ただ、外観は平甲板型駆逐艦の特徴の４本煙突が紛らわしいので、１番煙突を屈曲されて２番煙突に結合しているわ。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:27:33
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@CA_atago
彼女は昭和18年9月に『第102号哨戒艇』として編入、主にボルネオ・セレベス方面での船団護衛任務に付いたの。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:29:02
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@CA_atago
この頃になると、米潜水艦や長距離哨戒機が日本の支配領域に侵入するようになってくるのだけど、そういったところから 「米海軍の水平甲板型駆逐艦が敵水域で活動している」 という報告が相次ぐようになるの。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:30:16
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@CA_atago
当の米海軍にしても不可解な話しとして内部で話題になったと言われているわ。 可能性が有りそうなスチュワートは完全に破壊された「筈」なのだから。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:31:41
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@CA_atago
第102号哨戒艇は昭和19年11月に呉に回航、兵装を国産のものに交換し、機銃や爆雷を増備。機関部の修理も行ったわ（水平甲板型駆逐艦の機関、特にボイラーは信頼性に難があったの）。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:34:00
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@CA_atago
電探も追加装備されたわね。そのため前檣（前マスト）を棒マストから三脚式に変えているわ。 その後は上海方面への船団護衛に従事するも、昭和20年3月25日に爆撃により損傷。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:36:53
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@CA_atago
30日に呉に戻り、そのままそこで終戦を迎えたの。 そして、最初に述べたように彼女は米海軍に引き渡されたの。 #愛宕によるヌルい艦艇四方山話
2013-07-25 00:37:59