怪談BASARA #kaidan_bsr 三夏目第二回　まとめ。

凍葉 @HummingRurii

会場では屋台が出てたりしてさ、祭りがピークになると、無料で豚汁やら焼きそばだのを振舞ってくれる店もあって…んでもって、もう盆踊りとか関係なく、その祭りは深夜までやっててさ。俺たちは日付が変わるまで祭り会場にいたわけよ。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

んで、もう日付も変わると祭りの熱狂も冷めてきて、皆帰り支度を始めちゃったんだよね。深夜１時過ぎくらいには、片付けのオジサンたちを残し誰もいなくなっちゃった。どうして俺たちが残ってたのかって言うと、誘ったM達が主催側だったからなんだよね。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

で、俺たちも片付けが終わって、撤収！って雰囲気になった時に。いきなりMが「肝試しに行こうぜ」って言い出した。皆で帰ろうよ、って行ったんだけどさ…Mは「No！俺はゼッテー肝試しに行くんだ！」って、全く諦める様子はなくってさぁ… #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

その後も交渉してみたけど、結局Mのゴリ押しで近所の山へ肝試しに行くことになっちまってさぁ。で、この山ってのが不気味な場所で、城跡、無縁仏、沼地…っていう心霊スポットそろい踏みな場所で。近所の子供たちの間では幽霊が出る、ってウワサになってた場所だったんだ。 #kaidan_bsr

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

@kai_bsr 完全によばれちゃってるじゃないですかーやだー！ #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

山についた俺達は駐輪場に自転車を止めて、徒歩で山へ上がってった。階段を登って、とりあえず山の中腹の展望台に行こう、ってコトになる。夜の山ってスッゲー怖くてさ！たまに風が吹いて、木がガサガサ言うたびに驚いて。Iちゃんなんて涙目だったね。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

Mはっつーとバッグから懐中電灯を取り出して「オレから離れるなよ☆」とか言ってんの。だったら帰してくれよ、ってね。で…展望台の階段に差し掛かってからかな、急に足が重く感じるようになってきたんだ。何だろ…まるで水の中を歩いているみたいで足がすっげぇ重たいの。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

流石に変だなぁ、って思って…恐る恐る自分の足を見てみたけど、特に何も無くて、「気のせいだろ」って言い聞かせた。でも、展望台踊り場に着く頃になると、全員足が重たい、って言い出してさぁ。流石のMも元気がねぇの。 ―ここで、俺はある事に気がついちまったんだ。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

今まで真っ暗で気が付かなかったんだけど、先頭のMの下半身に黒いもやがかかっている。いや、Mだけじゃなくて、俺ら全員の足元にそれがかかってて。俺はすぐさま隣を歩くKさんに助けを求めると、Kさんは何か呟いたけど、すぐに「大丈夫だ、放っておけ」って言ったんだ。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

Kさんの実家は神職だったから、Kさんがが大丈夫って言うなら大丈夫なんだろ、って思って、そのまま展望台へ向かった。展望台に着く頃には不思議と足の重みもなくなっててさ、すっごい安心したね！今まで曇ってた空も月が見えるようになってたから、それも安心要素だった。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

月明かりで下の広場がよく見える。そん時に「誰か広場にいるぞ」広場を見ていたMが興奮気味に言った。確かに広場には誰かがチャンバラをしているのが見えた。「オレたち以外にも人がいたのか」…って、死にそうな顔してたクセに人がいるとなりゃ生き生きした顔しちゃってさ！ #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

Mが復活しちまったから真っ直ぐ帰る予定が広場を通るルートに変更になった。で、全員で広場まで降りるとさっきまでの人影はなくってさ、月もまた隠れちまってた。おかしいなっ思ってると、俺は背後からとんでもない怖気を感じて吐きそうになった。 後ろを見ちゃダメだ。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

何故かそんな気がして、助けを求めてKさんをみると、Kさんは既に後ろを向いてて。声をかけても反応がない。目を見開いたまま固まっているKさんにマズイと思って、Kさんの向きを力づくで変えようと肩に手をやった瞬間。 俺は目を瞑らなかった為に視線の主を見てしまった。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

黒いもやが人型に集合している。顔立ちはよくわからなかったけど、目はよく覚えてるよ。真っ赤な目を光らせて、俺たちをじっと見据えてた。あぁ、助からねぇな。無理だわ。って思ったね。そんで、…Kさんと二人して棒立ちになって、そいつが近寄ってくるのをぼんやり見てた。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

そしたら、急に耳元で怒鳴り声が聞こえた。「Hey！アレは一体何だ!?」Mだった。アイツはアレを見ても正気だったみたい。んで、Iちゃんも正気で、倒木を持ち上げて、そいつに向けてぶん投げるなんつー芸当も披露してくれた。それで正気に戻ったね。 #kaidan_bsr

数寄屋＠鈍色スイッチ @suquiya

おうふ…。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

正気に戻った俺が「急いで逃げよう」って叫んで、方向転換した瞬間。俺はとんでもない吐き気に見舞われて…汚い話だけど、その場で吐き散らかした。俺以外も皆、そうだった。俺たちはそのまま転がるように下山して、自転車に飛び乗って現地解散！で、ソッコー帰宅した。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

そんで、俺が家に帰ってシャワーを浴びてる時かなぁ。家の固定電話が鳴った。当時の俺は携帯なんて持ってなかったから、まつ姉ちゃんに怒られながら電話に出る。すると、電話の主は別れて家に帰ったはずのMだった。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

「どうしたの、こんな時間に」「なぁ、助けてくれよ…さっきから家の扉の前に誰かいるんだ…」聞いたこともねぇくらい弱々しい声でさ。すっげぇびっくりしたね。で、よくよく耳をすませてみると、確かにドアを叩くような音が聞こえてくる。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

「なぁ、今から俺んち来てくれよ…」そう涙声で頼み込まれて俺が了承の返事を返そうとしたそん時、不意に電話の向こうで争う声が聞こえた。もしや何かあったのかと思えば受話器から聞こえてきたのはKさんの声で。「風来坊、悪いな。M様は無視して構わん。さっさと寝ろよ」 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

おやすみを言う間もなく、電話は切られた。変な奴ら、と思いながら、俺は改めてその日は眠りについた。 …で、こっから先はその後日談。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

次の日に学校に行って、Mに昨日の話を聞いてみると「Ah？オレはそんな電話した覚えねぇぜ？」って言うんだ。バカ言うなよ、泣きそうな声で頼んできただろ、って言うと「オレはそんな弱くねぇ」って殴ってきやがるんだぜ？ひどくねぇか？ #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

そんで事の真相を確かめる為、昨日電話に出たKさんに話を聞きに行くことになった。Kさんはぎこちない笑顔で出迎えてくれて、Mを何だかんだと理由をつけて家から追い出してから…こっそり、俺に囁いたんだ。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

Kさんがあの時呟いたのは「違う」だったんだと。俺には黒いもやに見えたそれは、Kさんには違うモンに見えてた、ってのが真相。その正体は 「足にしがみつく足軽達」だったそうだ。 #kaidan_bsr

凍葉 @HummingRurii

「Hey,小十郎！コーラ買ってきたぜ。…ったく、何で俺が…」「悪いな、政宗」「あれ…？政宗…？」「どうした、慶次」「…いや、昨日の電話でさ。小十郎さんって、政宗に様づけして、俺のコト風来坊って呼んでなかった？」「…寝ぼけてたんだろ」「そうだよねぇ…」 #kaidan_bsr