芹川有吾氏演出担当の作品についての感想とか

60年代から80年代までの東映動画を代表する演出家の一人芹川有吾さんが演出・監督を担当された作品の感想とかをまとめています。誰でも投稿・編集可能ですので、この芹川さんの回が好きだー!等の思いなど自由に書き込んでもらえれば 幸いだと思います。
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さて、芹川有吾さんのTLが一時話題になっていまして、まとめが出来あがっていましたのでこれに便乗して芹川有吾演出回のまとめTLでも作ろうかと思います。まず現時点で私が視聴していて記憶に残っているエピソードを先にまとめる事にします。芹川さんの関係する作品を見終えたら追加していく予定ですが、皆さんからの芹川さんの関わった作品の感想や意見なども纏めていきたいなぁと思いますので、誰でも編集可能ということにしています。

魔法使いチャッピー(全39話 第1、10、21話の演出担当)
・現在視聴している魔女っ子シリーズ。まだ全話見ていないが今の所はほのぼのと安心して見られるエピソードが多い。それだけに後半はどうなってしまうのかがふと気になる。あとチャッピー可愛い。増山江威子さんが最高に甘くて良い。
・今の所好きなエピソードは「ママがとられた」「栄光への500メートル辺り」

第1話「魔法家族がやって来た」脚本:辻真先 作画監督:高橋信也
・序盤の頃は全体的にコミカルな描写が多く、第1話が特に顕著ではないかと思う。ジュンの「やだねぇ~」という口癖も序盤の雰囲気があったからなのかもしれない。ネズミの馬車がジュンの捨てた菓子を食べようと暴れたり、魔法の国でのクラシックとゴーゴーの入れ替わる描写や、第1話から既に威厳があるようで頼りない親父のキャラとか笑わせてくれる要素が多い。このパーティーのどさくさにまぎれてバトンと箒を持ちだして人間界へトンズラするチャッピー半端ない。
・魔法のバトンで家を建ててからは強盗を追い返し一般市民としてあっさり認められるまでの展開は「細かい事を気にするな」との勢いでテンポよく進んで良い。ただ第1話でのチャッピーの正面アップはちょっと怖い。

第10話「幻のD51」脚本:城山昇 作画監督:荒木伸吾
「泣ける」芹川回としてお勧めしたい一本。

・機関車が既に時代から過ぎ去ったものとして取り扱われ、その機関車D51を重病の元運転手の老人を前にチャッピーが意地でも動かそうとするドラマが盛り上がる。何時ものチャッピーの魔法ではD51を動かせない為、命が奪われてもおかしくない力を誇る魔法の泉の力を借りて魔法を放つ展開、その上魔法を使うチャッピーの手からは血がダラダラと流れ、歯を食いしばりながら倒れていくシーンは芹川さんお得意の「一に押して二に押して、三四がなくて五に押して」の演出が現れているかと思う。魔法が決して容易なものとは限らない事を教えてくれるシーンでもあるかと。
・また作画監督・原画に荒木伸吾さんだが、チャッピーよりもゲストとして登場する元運転手の老人に「バビル2世」のワタリ老人を彷彿させる面影を感じさせる。

第21話「ホームラン番長」脚本:辻真先 作画監督:端名貴勇
「燃える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・交通事故で足に後遺症を負っている野球少年・高木を再起させるための物語として、魔法で打てる球を投げるのではなく、直球勝負を展開するチャッピーのドラマが良い。挫折せざるを得ない誇り高い相手を立ち直らせるには、本気で勝負を挑むとの流れはまさに情へ訴える展開であり、高木とチャッピーが心でお互いの心情を読み合っている描写も何気に面白い。チャッピーちゃん、「同情抜き、魔法抜き、それが高木君へのエチケット」との言葉からして本気である。魔女っ子もの異色(なのか?)のガチンコ野球対決として妙にテンションが上がる。
・ただチャッピーの等身が今回高く、投球フォームはまさに星飛雄馬そのもの(汗)これに関しては作画監督が東京ムービー系のスタジオジュニオのグロス回だった事も大きいかもしれない。高木が「荒野の少年イサム」を彷彿させる面影であり、彼の両親が「赤胴鈴之助」を彷彿させている。全体としては違和感があるかもしれないが、今回のエピソードとしてはこれはこれで良いと思う。

マジンガーZ(全92話 第1、32、38、41、48、52、57、62、67話の演出担当)

・全体とすれば素人の甲児が操縦をマスターするまで、そしてマジンガーZとその周辺が徐々にパワーアップしていく展開の見せ方が本当に面白い。おまけに1話1話のバトルのシチュエーションが趣向を凝らせ過ぎていて飽きない。”ロボットバトルをメインとしたロボットアニメ”ではぴか一の完成度を誇っていると思う。
・芹川さんが担当したエピソードは第38、52、67話のような女性に焦点を当てたエピソードも多いが、それ以外のエピソードは新兵器に関するエピソードが意外と多く、燃える芹川回を存分に楽しめるかと思う。また芹川回では気性の強いさやかや、ルーティンギャグの見せ方が他の回よりも頭一つ抜けている。
・芹川さんの降板後もマジンガーZのパワーアップドラマは続く事に。特にゴーゴン大公登場~もりもり博士爆死までの1クールはテンションを落とせと言う方が難しい展開。個人的には西沢信孝さんや明比正行さんの回も捨てがたい。

・第1話「脅威のロボット誕生」脚本:高久進 作画監督:羽根章悦

・当時スーパーロボットものが存在する事がなかった為だろう。甲児がマジンガーZを手にするまでの描写が丁寧。あしゅら男爵の顔アップによる絶大なインパクトからはじまり、彼が機械獣を操る手段、兜博士が光子力、超合金などを生み出した偉大な科学者である点、そして甲児がオートバイの達人の熱血漢と”敵、博士、主人公”がどんな設定かをしっかり説明した上で、あしゅら男爵の襲来から物語を急展開へ持ちこむ事に感心。マジンガーZの登場もBパートからで戦闘シーンは次回へ持ち越しと意外とスローテンポ。それだけに個人的には戦闘シーンの存在する第2話のクオリティがもうすこししっかりしてもらえれば……と思ったり。
・第1話だけに大人しいが、ホバーパイルダー搭乗時の甲児の台詞として、「ま、気にしない気にしないオートバイの要領でやってみるべ~」「ま、いいや片っ端から動かしてやれ」「お!けっこちゃん、けっこちゃん」のシーンは芹川さんらしいアドリブだろうか(笑)

・第32話「恐怖の三つ首機械獣」脚本:山浦弘靖 作画監督:若林哲弘
「燃える」芹川回としてお勧めしたい一本。凄く好き。

・マジンガーZがアフロダイAの胸から放たれる宇宙観測ロケットに両手でつかんで飛ぶシーンは文章で書くとバカバカしい所があるかもしれないが、あら不思議。本編では演出と音楽の力で手に汗を握る名シーンへ変身。羽根さんのソフトタッチな絵柄と森下さんの劇画調の中間に位置した若林哲弘さんの作画も良い感じ。若林さんはマジンガーZの芹川回における名パートナー。

・他にもゲルベロスJ3は今まで強固だった光子力研究所のバリアーを初めて破った強敵として、光子力研究所も機械獣を前により危険な状況に置かれることになります。マジンガーZは神ではなくなり、光子力研究所も頼りのバリアーが破られてしまったことはまるで戦いが激化していく中盤戦の始まりではないかと名無しは考えています。
・機械獣ケルベロスJ3の出現シーンでいきなりオーケストラのBGMを持ち込み、甲児とのやりとりにおいて、特にさやかの威勢がよく、特にアフロダイA改造の描写で甲児がペチャパイとさやかを冷やかす、マニキュアチョップ(シロー談)を喰らってしまう甲児の描写、松島みのりさんの悪乗りが効いた演技も捨てがたい物がある。
・戦闘シーンは観測衛星ロケットをマジンガーZがキャッチして飛ぶシーンまでがまさに見もの。まるでエイトマンのようにダッシュして、下半身から炎を噴き出すマジンガーZがジャンプしてロケットを掴むまでの描写は選曲のセンスも相まってテンションが高まりが半端ない。
・その上オチはスカートが破れるさやかのサービスカットと冒頭で描写されたシローの甲児の恋愛運占いを用意して締めるところと最初から最後まで無駄のないエピソード。またジェットスクランダーの登場が本格的に求められる展開、初めて光子力研究所のバリアーが破れてしまう点等、マジンガーZにおける中盤戦の幕開けを象徴するエピソードでもある。

・第38話「宿命のロボットミネルバX」脚本:藤川桂介 作画監督:若林哲弘
「泣ける」芹川回としてお勧めしたい一本。

・定番の一本。パートナー回路によりマジンガーZをパートナーとして認識する能力、とはいえパートナー回路に刺激を与えると時には悪魔として驚異的な力を見せる二面性、部品の都合でマジンガーZより弱い合金とエネルギーで出来ている点からマジンガーZの強い電波で涙を流す薄幸さ、そしてミネルバXは無人なのにマジンガーZと対話しているかのような描写……このロボットを愛を持つ人間のように見立てる演出は鋼鉄ジーグ第18話「蘇れ!運命のハニワ幻人」でも引き継がれる事に。
・選曲も全体に美しいけれど悲しい雰囲気のBGMが多く、ミネルバXを倒すことになったアフロダイAの描写もさやか曰く「こうするしかなかったのよ!」の描写がポイント。
・欲を言えばローレライのエピソードも芹川有吾演出で見たかった……作画の方は上村栄司さんあたりに任せてほしかったかもしれない。

・第41話「折れた翼大空の死闘」脚本:高久進 作画監督:中村一夫

・ジェットスクランダーの操縦訓練で航空食を食べさせられる危機の甲児や、ジェットスクランダーの構造解説、片翼の一部が折れたジェットスクランダーに対し、もう片方の翼を敵に折らせて飛行中のバランスを保つ展開は芹川さんが飛行機関係にこだわりがあった故の描写?
・小ネタとしては、航空食を薦めるさやかに対して「ラー油がたっぷりかかった餃子を食べたい」と意地をはる甲児のルーティンギャグ。

第48話「ボスロボット戦闘開始!」脚本:藤川桂介 作画監督:中村一夫
「笑える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・次回予告からテンションが上がるが本編も下らない(褒め言葉)ボス達に三博士が誘拐されたネタに対して真実を知らない甲児や弓教授のシリアスなギャグ、初登場早々アフロダイA共々ダンスを踊り、「ぼくらのマジンガーZ」の替え歌で登場するボスボロットとそれに対する弓教授とあしゅら男爵の狼狽とボスボロットが完全に物語の主導権を握っている。
・TVシリーズでボスボロットが主役のエピソードとなると意外と芹川さんが演出を担当された回しか存在していないのでは?

第52話「甲児ピンチ!さやかマジンガー出動」脚本:山浦弘靖 作画監督:若林哲弘
「燃える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・冒頭の覗かれたと誤解するさやかの甲児に対するバイオレンスっぷりが半端ない。目が赤色に発光するシーンから彼女のおっかなさが容易に想像できるかと(笑)その縁で甲児と絶交したことが原因で甲児が生死の境目を彷徨う危機に陥り、そこで、さやかが眠る甲児に独白するシーンは甲児への愛を十分感じさせてくれる。強気な女の子がしおらしくなると可愛いよねの典型的な例(オチもまた見逃せないが……)
・それ以外では戦闘シーンの展開の仕方も秀逸。国際障害児センターが襲われる危機で、ボスが死を覚悟して出撃する描写を踏まえて、さやかが何としてもマジンガーZで出動させなければいけない展開を作る。そしてマジンガーZとアフロダイAの間で空中サーカスによる乗り換えは無茶苦茶なのに選挙区の素晴らしさと演出の妙で思わず見とれてしまう。また山浦さんの脚本による功が大きいと思うが、冒頭の時代劇漫画を活かした真剣白羽取りを活かしたマジンガーZの反撃も十分な出来。
・またもう一人の注目キャラはあしゅら男爵。冒頭でさやかのバイオレンスな行為をあしゅら男爵に例える甲児の台詞を聞いて激昂したり、敗北後に女部分の彼がヒステリーを起こすシーンは北浜晴子さんの名演もあるがあしゅら男爵ファンとしては絶対に見ておきたい。

第57話「Dr.ヘル日本占領!!」脚本:高久進 作画監督:若林哲弘
「燃える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・超合金Zに身をまとった機械獣バルモスQ7はまるでマジンガーZの異母兄弟のよう。そんな切り札を従えとマジンガーZ不在の中でドクターヘル自らが陣頭指揮を執るシチュエーションはまさしく一大決戦。弓教授が銃身自殺を図ろうとした回もおそらくこれぐらい。そして、次回以降から見られる小刻みなパワーアップ展開を目前とした中盤戦の総括ともいえるエピソードかもしれない。
・前回の超合金Z強奪の件で甲児達がピリピリした雰囲気を漂わせている描写もそうですが、その状況で芹川有吾さんの演出ならではの人一倍気の強いさやかも健在。冒頭の自決する覚悟の甲児との口げんかでの「介錯をしてあげようか?」や、鉄仮面&鉄十字軍団の前に「女の子を怒らすと男より怖いって事、あんたたち知ってるのかよ!?、え、おい!?」、最後の弓教授に誉められた事で甲児に少々調子に乗った(笑)感じで「おい君ィ!」と突っかかる所にも表れているかと。

第62話「意外!?ボスボロット空中飛行」脚本:山浦弘靖 作画監督:若林哲弘
「笑える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・第41話に続いて飛行機関係の蘊蓄が良く現れている一本。三博士による二宮忠八、リリエンタールの実験をボスボロットに行わせ、その次にボスボロット史上初の実験を持ってくる三段オチと絡めて良い感じ。
・ギャグとして全体的にオーバーでもあり、アフロダイAとボスボロットの電車ごっこや、ボスに対してのさやかのヒス、三博士に対して張り紙で徹底的に抗議する三博士などなど……極めつけはやはり第32話の空飛ぶマジンガーZネタをボスボロットで再現するセルフパロディ。
・また第52話に続いて甲児とさやかが喧嘩になると弓教授が一番のとばっちりを喰らってしまう(笑)

第67話「泣くな甲児!十字架にかけた命」脚本:山浦弘靖 作画監督:若林哲弘
「泣ける」芹川回としてお勧めしたい一本。凄く好き。

・マジンガー最後の演出回。第38話に続く芹川さんによるメロドラマなエピソードだが、甲児とゲストヒロインエリカの関係は甲児とさやかよりも大人の関係に見えてしまう。この回の甲児は自分が戦う理由を打ち明けるシーンも含めて何処かいつもよりもアダルトな雰囲気が漂う。
・記憶が何一つ存在しないロボット・エリカが人間になりたいと願い続ける描写については、彼女が喜びや恥じらいを覚えていく描写、そしてあしゅら男爵の命令に屈してからの勇気で清く強い心を持っていく流れが見えていき、死に際でマジンガーZにモントスQ3の弱点を教える彼女の姿は陰で隠れたような瞳がはっきりと見えてくるシーンと、十字架のように倒れた最期もあり人間として天に召されたように感じさせてくれる。また死に際に髪飾りがちぎれる点や肌が白く変色する点は「宇宙円盤大戦争」のテロンナの最期に通じる演出ではないかと思う。(中の人は同じ小原乃梨子さん)
・この次のエピソードでゴーゴン大公と妖機械獣が登場し、芹川回の終了と共に偶然にもマジンガーZの戦いは新たな局面を迎えていく事に。

・鋼鉄ジーグ(全46話 第8、13、19話の演出担当)
・マグネモシリーズ第1作。ある意味猛烈な雰囲気が漂うが、ドラマが意外としっかりしている作品でもある。父と子の確執に焦点を当てる山浦弘靖さん、一家の大黒柱として成長していく宙を描く安藤豊弘さん、そして後半から邪魔大王国のジレンマを抱える回の藤川桂介さんとライター別で作風が顕著に分かれていて面白い。フローラ将軍はもう少しドラマを背負った敵側の女戦士としてもう少し注目されても良いと思う。
・芹川回としては第19話を除いて可もなく不可もなくな回が多い。芹川回以外では明比正行さんと中村一夫さんのタッグによる「ヒミカに捧げる怒りの反乱!!」や「フローラ将軍は敵か味方か!?」「心を結ぶ愛のペンダント」辺りが面白かった。
・肉弾戦によるロボットバトルは面白いが、パーツの運用ではガ・キーンやバラタックと比較すると洗練されていなかった所もある。

第8話「男の対決と友情」脚本:山浦弘靖 作画監督:菊池城二

・プライドを傷つけられて宙を失明させたドンが彼の為に償おうと奮闘する一本。サブタイトルどおり男の友情を描いた話だと思うが、どちらかといえば山浦弘靖さんの作風に近い内容と言った所で、芹川さんらしさはさほど感じられなかった。

第13話「吠えるヒミカ!!地獄の復讐!!」脚本:藤川桂介 作画監督:兼森義則

・自分がサイボーグかどうかで悩む宙が、邪魔大王国との和睦を目指したホース博士の死を持って戦う事を決意するが苦戦の最中で父から宙がサイボーグであるとの正体が明かされてしまう……どちらかといえば突っ込み所が多い。さほど面白かった記憶がない。

第19話「蘇れ!怒りのハニワ幻人」脚本:山浦弘靖 作画監督:兼森義則

・ハニワ幻人タケルの描写はミネルバXをセルフリメイクいた所があるのではないかと思う。こちらはかつての妻に姿が似た美和への愛を貫く敵と微妙に異なるが、言葉をしゃべれない巨大形態でのタケルとビッグシューター越しの美和の絡みはきめ細やかな雰囲気を感じさせる。ただ人間姿でのタケルが喋れてしまう点でミネルバX程ロボットを擬人化する描写には徹しきれていない所がある。
・ただ邪魔大王国側で初めて人格を持つゲスト敵キャラが登場し誇り高い決闘を展開出来た点はポイントであり、愛する亡き妻かその妻の生写しのどちらを選ぶかの葛藤や、敗れた後とのタケルの清々しさは野田圭一さんの落ち着いた演技と共に静かな武人としてタケルを印象付けさせてくれる。どちらかといえば山浦弘靖さんが得意とする作風だが、鋼鉄ジーグ前半における佳作回ではないかと思う。
・余談だが、マグネモシリーズ3部作に出演経験のある方は判明する限り野田圭一さんが唯一でもある。

・マシンハヤブサ(全21話 第1、4、8、13、15、20話の演出、第11話の監修担当)

・全体とすれば本作独特のカセット・カードリッジシステムがイマイチ活かせず、西音寺チームの面々を描き切ったとは言い難いかもしれない。荒唐無稽なギミックを持つ破天荒な作品と言うよりも、それを交えて一人のレーサーとして成長していく隼剣の姿を見る方が面白い。特にエンジンV3誕生編の第10、11話
、流れ星の竜との名勝負が展開される第12、13、17、18話がその良い例ではないかと思う。個人的にはマッハGOGOGOとグランプリの鷹を足して2で割ったような、"荒唐無稽な世界の中で成長していくレーサーの物語"と例えた方が良いかもしれない。
・あと中の人に関してだが、曽我部和行さんが正統派の熱血主人公・剣を演じた点でとても珍しい作品ではないかと思う。翌年からクールキャラをメインにシフトしていくだけに。ライバル・流れ星の竜が若本規夫さんにとって初のレギュラーキャラという点もポイントかもしれない。

第1話「走れ!栄光のマシン」脚本:辻真先 作画監督:小泉謙三

・キャラクターとしてはさくらの威勢が良かったり、剣がチャキチャキの江戸っ子のような喋り方をする点が特徴かもしれない。ガンテツやカミカゼの軽妙な掛け合いも望月先生のワイルドな雰囲気が良く出ているのではないかと思う。
・レースものなだけに、車に対する蘊蓄もちょっと出ている所はポイント。スリップストリームの解説がちょっとしゃれている。また現実離れしたカセット・カードリッジシステムやカミカゼ号の空中飛行など荒唐無稽な要素も惜しみなく披露。個人的にはカセット・カードリッジシステムが全編において効果的に使われたかになるとちと微妙だが……。

第4話「魔王エイハブの謎」脚本:久保田圭司 作画監督:森下圭介

・ムツの旧友ハリケーン・ハリーがエイハブの刺客として西音寺チームに挑戦を挑む感じのエピソード……だがあまり面白くはない。ムツが今回のレースに出場しなかった事もハリーとムツのドラマを希薄にしてしまったかと思う。

第8話「さくら号発進せよ!」脚本:辻真先 作画監督:小泉謙三
「笑える」芹川回としてお勧めしたい一本。凄く好き。

・最高にさくらちゃんが乗っている今回。さくらの手掛けた設計図がヤマト→ハヤブサ→西音寺博士と順に"ミイラ取りがミイラになる"ルーティンギャグの見せ方がまず上手。さくら号試走のシーンでは淀川長治風に喋るさくらがポイント高い「さいなら、さいなら~」常識人のガンテツがさくらに散々振り回されるシーンも何気に面白いかと。
・実際のレースに至るまでは、ハヤブサ号の補給に対して航空機のアイデアを活かそうとするネタはさくら号のネタとして必要な事もあるが、航空機の蘊蓄が結構出ているかと。芹川さん楽しく考えていたかもしれないね。
・実際のレースシーンではなかなか空中給油できないシーンに対して、給油口とホースが一致しない事に「もっと右!お茶碗持つ方、もっと左!お箸を持つ方」とかの剣の台詞が面白い。そして妨害を続けるネロに対して給油タンクを爆弾代わりにお見舞いするさくら号だが、ネロ「あんたは一体何なのさ~!」さくら「ある時はレーシングカー、ある時は飛行機。しかしその正体は西園寺チームの紅一点さくら号さー」的なやりとりでトドメを刺されよう(笑)

第11話「エンジンV3誕生!」脚本:雪室俊一 演出:山口秀憲 作画監督:森利夫

・監修としてクレジット表記されるという東映アニメ作品でも珍しい形での参加。脚本を担当された雪室さんがどうやらカーマニアでもあったようで、坂道を登る事でのエンジンとトルクの関連性もちゃっかり説明されている。
・それだけでなく、父を殺した禁断のエンジンとして扱われているエンジンV3をどのように上手く運用するかの展開の見せ方も素晴らしい。なかなか上手くいかず、やむを得ずエンジンV3を使用するも速度を落としての条件での運用の末に見せる答えも面白い。そこに亡き父と一人残している母のドラマも上手く絡めているかと。
・余談だが雪室俊一さんはこれや「氷河戦士ガイスラッガー」等でかなりキレ味のあるヒーローものの脚本を担当されている。まずあり得ないが雪室さんが書くSF、ヒーローものが実現したら是非見てみたい所だ。

第13話「片輪走行で突っ走れ!」脚本:雪室俊一 作画監督:小泉謙三

・この回も雪室さんであり、雪室さんのカーマニアとしてのこだわりが出ているのではないかと思う。流れ星の竜の三段跳び走行に対して剣が片輪走行をマスターするまでのドラマだが、片輪走行を一度習得したかと思えば失敗してしまい、その恐怖症が残った状態で片輪走行を挑む中でのトラウマの克服、三段跳び走行との激突、片輪走行での急加速の習得、挙句の果てに……と片輪走行に焦点を当てて"これでもか"とシチュエーションを見せてくる感覚が心地よい。
・以上、最後の選曲以外に芹川回らしさがある訳ではないが、マシンハヤブサを代表するエピソードとして是非視聴してほしい所だ。ただ「片輪走行!!」と叫んで片輪走行を行うシーンにあまり突っ込みを入れてはいけない(笑)

第15話「愛はレースの彼方に」脚本:久保田圭司 作画監督:須田正己

・第2話「アルプス大爆走」に登場したゲストヒロイン・ロミーが再登場して剣とのラブロマンスが展開される今回。ただ第2話ではつかせのりこさんが演じるややワイルドな女性だった彼女が、今回で小原乃梨子さんが演じるお嬢様になっていた点では少々戸惑うかも(余談だが、主人公とのラブロマンスの相手は小原乃梨子さんが演じる例が多いような……)
・話とすれば剣を前に改心したロミーがブラックシャドーの罠を知り、敢えてブラックシャドーへ裏切って剣を説得するも、剣に聞き入れてもらえず、彼女にバラを残して罠へと特攻していく悲恋エピソード。伝説の名車ローレンスを駆ってただ剣の為にブラックシャドーの仕掛けた銃弾の嵐に耐えながらただやみくもに特攻していロミーの姿は須田さんの画力も相まって悲壮観は抜群。小原乃梨子さんの演じるゲストヒロインが最後に蒼白しながら力尽きていくシーンやラストの聖歌シーン、英文字で記された墓標等は芹川さんらしい演出といえようか。
・ちなみにライン川を舞台にしてゲスト女性レーサーの危機を描くエピソードは、「アローエンブレムグランプリの鷹」第39話「激突!!死線を超えて」でも踏襲されていた点が面白い。
・余談だが、タツノコ系のアニメーター・須田正己さんはこの回で東映アニメ作品へ初参戦。本編で最も迫力のあるマシンの動きを生み出している方かと。須田回のブラックバラタックの走りっぷりが本当に心地よいクオリティ。
・あとパスポートに関して「パスポートとは外国へ旅行する人が必ず持たなければならない身分証明書のことです」との注意書きが挿入されている所が少し時代を感じて面白い。

第20話「走れカミカゼ!友情のゴール」脚本:辻真先 作画監督:小泉謙三

・レース中に過失で事故を起こしてしまい恐怖症に陥るカミカゼが、仲間や母の支えを受けて立ち直る内容の一本。落ち込むカミカゼと帰郷した彼を厳しき追い返す母親のドラマは第9話で既にやられてしまっており、今回の内容も若干被る所があった点は否めない。
・一応トラウマを乗り越えたカミカゼ号の飛行シーンや勝利したカミカゼと母の抱擁の際に流れるBGMが芹川さんらしいがそれ以外は凡庸だろうか。

大空魔竜ガイキング(全44話 第27、31、37、40話の演出担当)
・1話完結のロボットアニメにおいてひとまず頂点に達したクオリティの作品かと思う。2クールのミラクルドリル装着ネタから加速づいて、レギュラーメンバーに焦点を当てたエピソードやゲストキャラとのテーマ性を交えたエピソードと何でもござれ。
・その中で芹川さんが中盤から登板された訳で、第31、40話のクオリティは十分だが、生瀬昭憲さん演出・野田卓雄さん作監のエピソードが作画のクオリティだけでなくドラマの出来も高い回が多く(「涙のデビルジャガー」「復しゅうのダブルイーグル」など)芹川さんの回が若干霞んでしまった所があるかもしれない。個人的にガイキングの生瀬・野田コンビの回を集めたエピソードを集めたDVDとか発売してほしいかもしれない。

第27話「南十字星に誓う」脚本:山崎晴哉 作画監督:内山正幸

・太平洋戦争時にゾルマニウム鉱を発見した発明家でもある戦闘機パイロット山中が、他国に撃墜されずに日本へ事情を伝える為に、ゼロ戦で大気圏を離脱して日本へ通信を送り続けていた設定……とんでもない(大汗)飛行機へこだわりがある芹川さんだが、ここまで荒唐無稽なこだわりが描かれた回もこれくらいかもしれない(汗)
・ストーリーとしてはファン・リーファンとすれば抑えておきたい一本。破格の待遇。

第32話「宇宙から来た幽霊船」脚本:吉川惣司 作画監督:白土武
「笑える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・実におちゃめなポー船長。八奈見乗児さんの演じるオトボケキャプテンな雰囲気が良く出ている。そんな彼に振り回される大空魔竜クルーの面々の描写も宜しく、ギャグアニメのタッチが強く出ている白土武さんによるデフォルメされた作画も相性としては抜群。
・ミドリの胸に飛び込んで行ったり、かっこよく英語でアナウンスすれば長ったらしいと指摘されてずっこけるピート、そんな彼と同じくゆるく砕けた表情を見せるサコン、挙句の果てにクソジジイ呼ばわりされてキレ、ヨーソロー!と勢いよく指揮する大文字博士の姿は何時もの威厳のある雰囲気はどこにもない(笑)

第37話「占領された大空魔竜」脚本:上原正三 作画監督:青鉢芳信

・ガイキングでは山崎さんと吉川さんがドラマ性のあるストーリーを、上原さんは作品の超能力やオカルトのイメージが漂う脚本を担当する事が多く今回もその一例。ピートが持ってきたハニワ軍団に大空魔竜が占領されてしまう内容。シチュエーションから鋼鉄ジーグを彷彿させてしまう所があるかも?特に芹川回らしい訳ではないが、悪の手先と化した大空魔竜をサンシロー達がジープを駆って救う展開は少し面白い。

第40話「バラの宇宙船」脚本:吉川惣司 作画監督:青鉢芳信
「泣ける」芹川回としてお勧めしたい一本。

・「宇宙円盤大戦争」を若干アレンジしたようなメロドラマな今回。流石にゲストヒロイン・エメルダは小原乃梨子さんではないが、とある惑星の王女との設定はテロンナを意識した点かもしれない。ダリウスに敵対する地球人と、ダリウスの脅威にさらされた惑星の王女のラブロマンスは何処となくシチュエーションとしては似ている。
・最大の特徴としてはサンシローのモノローグ形式で過去を振り返りながら展開されるラブロマンスでもあり、冒頭でエメルダの死に関しての新聞記者からのインタビューをサンシローがノーコメントで押し通すも、熱愛疑惑で思わずその事件を思い出してしまう展開がどことなくアダルトな雰囲気を漂わせる。エメルダの宇宙船が直球でバラの形をしている点も何かキテレツよりも”大人の美しき女性”の雰囲気を象徴させているかのよう。「涙のデビルジャガー」と趣向は異なるも、サンシローのラブロマンスを題材としたエピソードとしては甲乙つけがたい出来だと思う。

ジェッターマルス(全27話 第13、19、22話の演出担当)

・心を持つロボットの描き方でふと考えさせられる事が多い作品だと思う。芹川回以外では「天保七年サムライロボット」「マルス若親分になる」「ヒミツ諜報員ジャムボンド」等のエピソードが好き。特に雪室俊一さんの脚本回が終始心を持つロボットについて様々なアプローチを行っていたのではないかと思う。(特に山之上長官失踪後からが凄い)あとアディオス編もカッコ良い。この頃正統派役から外れようとしていた神谷明さんの新しい挑戦やささきいさおさんの歌う「さすらいのロボット」も凄く格好良い。第23話「さすらいのロボット」は友永和秀さんの手によるエフェクトが半端なく、当時のロボットアニメに匹敵するクオリティのロボットバトルを展開している異色回かと思う。
・そして最終回の心の意味に対するエピソードも深い、実に深い。

第13話「ロボット転校生ハニー」 脚本:雪室俊一 演出:芹川有吾、山吉康夫 作画監督:森利夫
「泣ける」芹川回としてお勧めしたい一本。凄く好き

・ゲストヒロインでもあるハニーは旧式のSLXロボットとして燃費が悪い事でエネルギーの自給自足が困難との理由で科学省から解体を命じられている種類との設定が泣かせる。このSLXロボットはまるで蒸気機関車のようなロボットである事を、本編で比喩として描写されており、最新鋭のロボットに改造するのは蒸気機関車を電気機関車のようなものに改造するもの(つまり無理)と説明されてしまう事が切ない。ただその切なさを踏まえたうえでのハニーと養父が下した答えがそれでも希望を与えさせてくれるものであり、最後のハニーのカットは小山茉美さんの名演もあり思わずキュンと来てしまう。
・作画の森利夫さんは、それまでで見られたやや望月三起也さんに影響されたような劇画タッチから一転して、手塚先生のタッチを上手く再現されているのも救い。(これは杉野さんの修正も大きかったのだろうか?)
・その一方でお得意なギャグ描写も健在で、早退するマルスを追うヒゲオヤジの三段オチのギャグ、タワシ長官に対して雄弁なマルスの姿もポイント。

第19話「マルスの初恋」 脚本:辻真先 演出:芹川有吾、山口秀憲 作画監督:森利夫

・同じくゲストヒロインとマルスの絡みを描いたエピソードであり、こちらは悲恋でもあることから芹川さんらしい泣ける回としては仕上がっているとは思う。ただゲストヒロイン・アグネスは名門校のイメージを作り上げる為に学校が生徒としてカモフラージュしていた高性能ロボットという設定はあまりひねりを感じられず、ややありがちな悲恋エピソードになってしまった印象がある。

第22話「アンドロイドの子守唄」 脚本:辻真先、芹川有吾 作画監督:森利夫

・亡くなった母親を模造したロボット・真由美はマザー回路により我が子に対して愛情を注ぐが、我が子に害を及ぼす人物には凶暴な性格になる設定がユニーク。そしてその母の愛が暴走すれば何物にも留める事が出来ない破壊力を発揮する設定が斬新。父と子が行方不明で拷問を受けた末に、超小型爆弾でしか止められず、ただ我が子の無事を確認するとパワーが収束するアイデアも面白い。”我が子を愛する母は強い”とのテーマ性を遺憾なく発揮したい一本とも言える。

アローエンブレムグランプリの鷹(全44話 第2話の演出)

・芹川さんは第2話以外はノータッチ。芹川さんもそうだが、脚本の上原正三さん、監督のりん・たろうさん、作画監督の野田卓雄さん、中村一夫さん等とスタッフの降板、変動がやたらと激しい作品。
・それはさておいて、第1部第2部共々作品としてのクオリティは第2部で若干作画レベルが落ちる事を除いては面白さをキープしていた。それ鷹也の成長を丹念に描き続ける姿勢、"なかなか勝てない主人公"を最後まで維持しており、それでいて鷹也の魅力が落ちる事がなかった点は彼を一人の悩めるレーサーとして描いていたからではないかと思う。あと少しの所で思わぬアクシデントに見舞われ、そこから非公式レースやラリーで己を磨く姿や途中での青春を迎える若者としての迷い、また新マシンの開発に苦労する描写も含めて”花形の舞台に立ち、勝利をおさめるまで”の道のりがどれだけ険しく、支えがいるものであるかを教えてくれる。1戦1戦が重く感じられてしまう作品でもある。
・個人的に好きな回は荒々しく豪快な作画を楽しめる第8話「吠えろ六輪車」、小松原さんの描くすず子が可愛いヒロイン回第18話「シルバーストーンのしぶき」、レースに金がいる事を痛感させる第33話「富士障害物レース」

第2話「いつか不死鳥のように」脚本:上原正三 作画監督:白土武
「燃える」芹川回としてお勧めしたい一本。

・参加はこの回のみだが、鷹也がトラウマを振り切る事を決意して再びレースに向かいあうまでを描いた重要なエピソード。注目するシーンとなると、自動車は嫌いと強がっていた鷹也がニックの神業と手紙を前に自分に正直になって、ガソリンで手を洗い、オイルで顔を洗うシーン。

「俺は車が……車が大好きなんだ!ガソリンも好きだ。いい匂いだ!オイルだって……これがばっちいもんか!走りたい!ぶっ飛ばしたい!くそぉ……走りたいよぉ!ちくしょう、自動車が欲しい!!あぁ、好きだよ。大好きなんだ!俺は自動車なしには生きられないんだ!!」

……との台詞と共に、オーバーな演出で鷹也への車に対する情熱をしっかりアピールしているかと。
・今回に限った事ではないが、フェラーリーベーベーの名前の意味や一般車道での正しい走行方法がナレーションで解説されている点が面白い。

惑星ロボダンガードA(全56話 第53話の演出)
・東映アニメのロボットアニメでは各話の敵ゲストキャラとの絡みを描く作品もあり、その極みとしてダンガードAが出たのではないかと思う。そのダンガードAでは敵味方が共に地球人同士で分かれて、宇宙戦争を展開する流れは「機動戦士ガンダム」に先駆けるものではないかと思う。前半の特訓編が有名だが、個人的にはキャプテン・ダンの死後もタクマの成長劇を描きつつ、トニー・ハーケンを始めとするドップラー側のゲストキャラクターに焦点が当たる後半が面白い。芹川さんの担当した第53話もその流れを組む回ともいえる。
・個人的にはドップラー軍団の崩壊を描く「プラネスターの急襲」「ドップラー軍団の黒い影」、それ以外では「異星人ノエルの頬笑み」「攻撃! 恐怖の地獄花」「この手で守ったジャスダム」辺りが面白い。

第53話「いつか不死鳥のように」脚本:馬嶋満 作画監督:姫野美智 レイアウト:荒木伸吾
「泣ける」芹川回としてお勧めしたい一本。凄く好き。

・芹川さんにとって最後のロボットアニメとなったこの回。ダンガードAの後半はトニー・ハーケンを始めとするドップラー側のゲストキャラクターとのドラマに焦点が当たる展開が多かったが、その中でも白眉の出来ともいえる一つ。個人的には前々回の続きなのが惜しいが、”女性士官同士の愛と友情”をロボットアニメで始めて挑んだ試みが新しいのではないかと思う。いわば「トップをねらえ!」や「神無月の巫女」の先駆け……なのは言いすぎ?ジュディが麗人として麗しく、ミラーが本当に可愛い子ちゃんです。「もう一度ブリーゼに会える……!」で酔おう。リサもまた女同士の友情のドラマに介入していて、この回だけは男性がドラマにおいて蚊帳の外(笑)
・その一方でコミカルな要素も秀人を使って上手く描写。久々のダンガードのメインパイロットとして活躍する秀人が思わぬ苦戦で表情がコミカルに崩れる姿は普段の彼ではまず見れない貴重なシーン。思わず大人げない事を言うリサを調子よく宥めちゃうシーンも好きだったり。
・ロマンアルバムでこの回について芹川さんのインタビューがあり、"コンテ段階でやり過ぎてしまったので荒木さんに一部手直ししてもらった”との発言や、"ハーケンが嫌いだったので思わず秀人に「キザ野郎」と呼ばせてしまった"等の発言があり。