【シューニャリアーナ幻想論】神主弾幕STG紹介カタログ

初めて見出しの作り方が解りました(これだけ作っといて今頃…^^;) というわけで、いよいよ活動本番に向けていきます。 東方総評。同時に東方のシリーズ紹介。 神主が1から作ってない萃夢想や緋想天等は敢えて除いています。気が向いたらその辺も紹介したいと思います 友人に選んでもらう参考にするために作りました。
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Win第1期三部作(紅魔郷、妖々夢、永夜抄)+α(花映塚、文花帖)

ZUNがWindowsのPCに創作の基盤を移して初期のころとして分類される3部作と、そこから繋がる後日談ストーリーの作品群。
紅魔郷、妖々夢、永夜抄の3作がこれに含まれ、そこから花映塚、文花帖が続いている。
尚、3部作に分ける理由は、神主が「3つずつだと調子が整えやすい」と言っているため。
花映塚や文花帖は、3部作間のインターバルとしての性質が強いが、いずれも高い完成度であることに変わりはない。

ZUNがWin版で開発した東方Projectの第1作。
実質的な「東方Project」の第1作はWin以前の古いコンピュータ用の作品『東方靈異伝(サブタイ略)』(1997)だが、Windowsにプラットフォームを移してからの第1作は相違なくこの作品である。
初めてWinで開発したと言う事もあってか、ところどころに試験的故の空疎感を与える印象がある。以後の作品に比べ、装飾やグラフィック、ゲーム中の背景からサウンドに至るまでかなりシンプルな印象を与えるが、『靈異伝』のころから培ってきた音楽性はさすがの一言。本作から妖々夢までの作品に限り、音がわざと半々音チューニングをずらしているため、少々音痴に聞こえるが、慣れてしまえば世界観の吸血鬼のイメージや殺人鬼のイメージと相まって深い幻想的な感覚に浸ることが出来るだろう。ストーリーは、幻想郷を覆う紅色の霧と、同時に現れた紅色の館へと主人公「博麗霊夢」「霧雨魔理沙」らが調査へと向かうというお話だ。

二次創作で高い人気を誇るキャラクターが沢山登場する本作であるが、肝心のゲームの難易度は、本まとめで紹介するZUNのSTG東方作品のなかでも1,2を争う。
ただでさえ弾速が速く、きつい角度の自機狙いが多く放たれるため余計な動きが許されず、また以後の作品に比べ弾幕の当たり判定も比較的大きめなので事故被弾も目立つばかりか、以後の作品で追加されるボスの位置を示すマーカーや、自機の当たり判定を目視できる赤い点が存在しないため、何度も練習してパターンを構築しなければあっという間にやられてしまい、ステージの半分も進めずにゲームオーバーとなることも。
人気で有名なキャラクター…とくにチルノや咲夜、レミリアやフランと言ったキャラクターが出てくるものの、上記の高難易度なゲーム性を鑑みるなら、初めて触れると言うよりは、ある程度他の作品で「東方」に慣れてからこちらの作品に挑戦する、という形で入った方がいいかもしれない。

こんなに月も紅いから 本気で殺すわよ

東方妖々夢
紅魔郷の続編として登場した妖々夢。
ストーリーは、春が奪われ、いつまでたっても冬が明けない幻想郷に、巫女や魔法使い、そしてナイフ使いのメイド(紅魔郷のボスだった咲夜)が「春度」を集めて春を取り戻すため、冥界を超えて行こうとするお話。
前作でのゲームの難易度を見直し、避けやすさと多彩な色と形状で放たれる弾幕の美しさの洗練した融合に挑もうとした一作。紅色1色の異変から、冬→春という季節を跨ぐ異変を描くとコンセプトを変えたこともあってか、弾幕の色彩も前作に比べ非常に多彩になったため、見ているだけでも美しい弾幕がゲームを進めるごとに沢山登場する。
また本作以降、サウンドとBGMも一新。
あらゆるものが紅魔郷から洗練されつつ継承され、以降の東方原作の製作スタイルの基礎を確立した一品である。

システムはボムをサポートする「桜点」「森羅結界」という特殊なバリアが追加されたほか、本作以降でボスのX軸位置を表示する「Enemyマーカー」、自機が低速の時に自機の当たり判定が目視できる自機マーカーが標準化されたため、初めて見る弾幕でも比較的落ち着いて避けることが出来るようになった。
とは言ったものの、依然弾幕自体の絶対量が多いうえ、4面以降のゲームレベルがぐんと上がる仕様から、反復練習が多く求められることは言うまでも無し。自機キャラクターの性能も各人各様非常に開きがあるので、自分のプレイスタイルに合致したキャラクターで、無理のない動きが出来るように何度もプレイして桜咲く冥界の謎を解き明かそう。

尚、本作は唯一、Normal以上の高難易度をノーコンテニューでクリアしたときのおまけステージが2段階用意されている。一癖もふた癖もある弾幕を潜り抜け、幻想郷の境界を君は越えられるか。究極の狂気と幻想の弾幕が君を待ち受けている!!

黄昏フロンティアとともに製作した「東方萃夢想」を挟み、第1期3部作最後にしてWin東方第3弾として登場したのは、妖怪ならではの「夜」を基調とした物語のSTG永夜抄。
本物の月が隠され、幻想郷のバランスが崩れそうになる大きな異変を解決するため、人間と妖怪が手を組んで、夜の時間を止めたまま弾幕へと立ち向かっていくお話。
夜の”昏(くら)さ”とともに美しく弾幕が光り、幾何学的な舞いを見せてくれる。妖怪の時間である「夜」「月」をテーマに据えて気合を入れたからなのか、音楽と弾幕の印象も一層強力なものとなっており、ひときわ強力な幻想を眺めて楽しむことが出来るだろう。東方の音楽は、美しく狂気に満ちた夜の中でこそ木霊する。
ゲームレベル自体は綜合的に見れば低めではあるものの、いかんせん一度に二人(人間=高速と妖怪=低速)を操りながら夜を止める力を集めていくという複雑なシステムがあり、このシステムの使いようでステージの進行も変化が起きるように設計されているため、何も考えずにプレイしているとコンテニューの余裕もなくゲームオーバーして(=夜が明けて)しまう。高速と低速を的確に使い分けながら着実に弾幕を潜り抜ける技術が求められる。
幸い、本作は全作品共通のプラクティスに加え、個々のスペルカードの弾幕を練習する「スペルプラクティス」モードが実装されているので、確実に避けられるようになるまで沢山練習してコツを身に着けよう。

蓬莱の正直者が挑んだ難題。
偽物の月に、隠された真実。
後ろの正面を見つけるのは誰か。

3部作の製作を終え、東方の創作界隈も大きく盛り上がって行くなかで、神主がファンサービスも兼ねて製作したのが、この「東方花映塚」である。一応、ナンバリング的には永夜抄の直の続編である。
幻想郷が60年の周期を迎え、『更新』を迎えた頃。沢山の幽霊が幻想郷に流れ込み、憑依して季節に関係なくいろいろな花が咲いてしまう異変が発生する。
この作品は他の作品と違い、弾幕を避けて進むのではなく、相手のプレイヤーやCPUとなった人間や妖怪(やそれ以外)と弾幕を送りつけあって戦うと言う「対戦弾幕STG」という一風変わったジャンルのゲームとなっている。

攻撃の仕方次第で弾幕の流れが毎回めまぐるしく変わって行くため、高いアドリブ力が求められる。ゲーム上の様々な要素を使いこなさないとあっという間にやられてしまうため、少々難易度の高いゲームとなっている。
一度慣れてしまえば、大量の弾幕をいなしつつ大量の連鎖を起こして華々しい快感のあるバトルが出来るようになる。
対戦ゲームなので様々なキャラクターを選べ、それぞれ個性的な性能があるが、それゆえ強弱もまちまちなので、ちゃんとそれぞれに対策を立てられるようになると吉。
個性豊かな美しい花を咲かせよ!

花映塚の後に登場したのは、なんと弾幕を
『避ける』のみならず、
なんと『撮影』するゲーム。

妖怪の山に住む天狗にして新聞記者の、『射命丸文』が幻想郷中の様々な妖怪や人間、幽霊やそれ以外のような個性豊かな仲間たちを取材し、その弾幕とともに撮影していく。
プレイヤーはこの文となって弾幕のなかに潜り込み、様々なキャラクターが展開する個性豊かな弾幕を、避けつつも撮影していくというゲームである。
弾幕と言えば幾何学的な演出美であるが、そのポテンシャルを生かして「撮影」として弾幕を切り取ると考え着くところは、さすがはSTG好きのゲーム作家ZUNと言ったところだろう。
前に進んでいくいつもの弾幕STGと違って、撮影しながら躱すことに重点を置いているため、普段は有りえない動きを要求してくる弾幕もちらほらある。癖の強い攻撃が多い分パターン性が非常に強いので、しっかりと避けパターンを組みつつ、確実に綺麗な写真を撮影して弾幕を自分のモノにできるまで何度も練習が必要な、弾幕玄人向けのゲームだと言えるだろう。初めてのうちは、他の普通の弾幕シューティングで慣れてからこのゲームに触れてみよう。序盤の簡単な弾幕を撮影して毎回特殊な操作性になれておくこと。

キミだけの美しい弾幕写真を、天狗の楽しい新聞記事に飾ろう!!

第二期三部作(風神録、地霊殿、星蓮船)+α(妖精大戦争、ダブルスポイラー)

花映塚~文花帖でひと段落した後の作品群。
当時、ニコニコ動画等の創作SNSサービスを介して東方が1つのジャンル界隈を形成する様子が目立ってきたためか、神主自身も「信仰」をテーマにしてみた、と語っていたこともあり、このころの三部作は宗教や信仰に関するテーマが多い。

前期のゲーム制作がひと段落してからしばらくしても、今だ東方の盛り上がりは鳴りやまず。拡大し続けるお祭りのような東方「ブーム」のなかで、神主が
”原点に帰る”
ことをコンセプトにして作ったのがこの「風神録」だ。

ジャンルが確立され一つの宗教の如く東方の創作が広がりを見せていくのをうけて、ZUNが「信仰」をテーマに据えながら作ったと言っているこの風神録には、可愛らしくも個性的な神様が沢山登場する。もっぱら神様と弾幕で遊ぶシューティングゲームである。原点に帰ることを意識したのに引っ掛けて、神主の故郷である長野県の有名な神様も出てくるよ。

原点回帰(重要な事なので3度目)の作品だから、複雑なシステムは全て排除され、淡々と弾幕を避けることをとにかく楽しめる作品になっている。その弾幕も押し付け気味に複雑に放たれると言うよりは、比較的見てすぐに避け方が分かりやすい、ゆっくりとした弾幕が多いため他の作品に比べて難易度が非常に低い。加えて、今作はボムが強力かつ非常に集まりやすくなっているので、苦手なところはだいたいボムで飛ばしながら安全に進めていくことが出来るようになっている。

シューティングが初めての人にとってとても遊びやすいこと間違いなしのゲームだけど、秋の美しさを彩る妖怪の山の風景とともに流れてくる音楽は、ファンのなかでも屈指の名曲ぞろいと評価も高い。どの曲も一度サウンドテストでじっくり聞いてみる価値があるだろう。

信仰を失っていく神様たち。怖がらないで、神様と遊ぶことを、人はお祭りと呼ぶのだから。

風神録の後、黄昏フロンティアの「東方緋想天」を挟んで御次にやってくるは、洞窟いいね、「東方地霊殿」。
冬の幻想郷にて、博麗神社の近所に突如間欠泉が湧きだした!巫女は温泉で一儲けと画策するも、どうやらその間欠泉からは、温泉水だけでなく大量の怨霊まで噴き出してきてしまう。地底の奥で何が起きているのか、今度は封じられた地下の妖怪たちの異変を突きとめに行くことになるお話だ。

システムの大部分は風神録を引き継いでいるものの、ボムの性能は全体的に抑え目になって、ストイックに弾を避けるゲームになった。
このゲームでは、敵の弾を連続で沢山カスる(弾のぎりぎりで避ける)事で、画面上部にいかずともアイテムを集めることが出来る仕様となっている。只避けるだけではなく、敵の攻撃を理解して精密に避ければ避けるだけ、点数にもパワーにもお得というつくりであり、その分自機を狙ってくるきつくて速い弾幕が多い。前作の風神録に比べて、やや高い実力がプレイヤーに求められる作品である。
初見殺しな弾幕も多いけど、法則がびっちり定まっている弾幕が多いと言う事もあるため、気合避けよりパターン避けが得意なひとにとっては却って遊びやすいかもしれない。

妖怪や音楽の個性が各面ごとに非常に際立っているのも魅力の一つ。ステージごとに異なる気分を味わえるエキゾチックなBGMは必聴。

地殻の奥にゃ灼熱の地獄が眠る。
冬は寒いから、もぐりこむのももってこい?!