茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1054回【座右の銘「いきなり、トップスピード」】連続ツイート
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連続ツイート第1054回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、昨日なんとはなしに思い出したこと!
2013-10-04 06:39:20くこ(1)人生の、「座右の銘」というか、大切にしていることの一つは、「いきなり、トップスピード」ということだろう。学会での発表、講演会、人との会合などでも、前置きとか、「本日はお日柄もよく」みたいなことなく、いきなりトップスピードに入る、ということを人生のモットーとしている。
2013-10-04 06:40:36くこ(2)文脈依存計算の眼窩前頭皮質や、脳のリソース管理の背外側前頭前皮質などの回路は、いわば「鍛えれば鍛えるほど強くなる」。だから、いきなりトップスピードなんて、性格的にできないという方は、単に、これらの回路を鍛えていないだけだと、考える方がよい。
2013-10-04 06:42:18くこ(3)いま受験勉強をしているという人も、仕事が忙しいという人も、いきなりトップスピード、というこの感覚を身につけるだけで、人生はずいぶん開けるから、ぜひ参考にしていただきたい。周囲を見ても、いきなりトップスピードの技を身につけたやつには、面白いやつが多いように思う。
2013-10-04 06:43:34くこ(4)ところで、「いきなり、トップスピード」のもう一つのポイントは、始めるまではだらだら、リラックスしていて良いということである。仕事でも、勉強でも、さっと始めたら凄まじい集中を見せるべきだが、それまでは、へらはら、にこにこ、木もれ日の太陽のようにしておいてよい。
2013-10-04 06:44:35くこ(5)逆に言えば、いつも緊張してかまえている人には、いきなりトップスピードはやりにくいということである。いきなりトップスピードは、むしろ、いつも緊張のストレスとは無縁である。普段は気を抜いておいて、これぞ、という時に全力で集中する。そんなメリハリが大切なのである。
2013-10-04 06:45:37くこ(6)そのような意味で、「いきなりトップスピード」のお師匠さんの一人は、往年の名指揮者、カルロス・クライバーであろう。例えば、名演、『薔薇の騎士』(http://t.co/9qiWSjJpqW)を見てもらいたい。クレジット・ロールが流れて、クライバー登場。
2013-10-04 06:47:07くこ(7)クライバー、にこにこしながら指揮台に歩いてきます。観客、拍手します。クライバーやってきます、オケのメンバーと握手します、ふり返って、観客に一礼します、ふり返って、指揮棒持ちます、観客、まだ拍手してます、あれ、もう指揮始まっちゃったぞ! 前奏曲、もう指揮しています!
2013-10-04 06:50:28くこ(8)クライバーの『カルメン』(http://t.co/f9TNbshQOj)の指揮もそう。クライバー、歩いてきます、観客、ブラボーです、クライバー、一礼します、振り向きます。指揮棒持ちます、オケの様子をふわっと見ます、あれ、もうシンバル鳴ってるぞ。前奏曲、始まってます!
2013-10-04 06:52:36くこ(9)クライバーの、この感じなんだよね。間を空けないというか、入ってきたなあ、と思ったら、もう美しき肉食獣としての舞踏が始まっているというか。こんな感じで、「いきなり、トップスピード」を実践していただきたい。何度もクライバーのビデオを見て、その感覚をつかみましょう。
2013-10-04 06:53:43