今井哲也氏、映画「立候補」」感想

今井哲也 @imaitetsuya

そうそう、先日、『立候補』っていうマック赤坂のドキュメンタリー映画を観たんですがこれがすごい面白かったんです。

今井哲也 @imaitetsuya

マック赤坂を中心として、2011年の大阪府知事選に出馬した4人の泡沫候補たちを追いかけたドキュメンタリー映画なんですけど、なんかね、あのね、すごいよ。すごい映画だったよ。

今井哲也 @imaitetsuya

東中野ではまだ10月中旬くらいまではやってるらしいので行ける人は行ってみると良いと思う

今井哲也 @imaitetsuya

マック赤坂を撮ったドキュメンタリー映画っていうだけでなんかもうすごいどうしようもなくオモシロな感じがするので、これはまあ、どんなに映画がひどくてもとりあえず終わったあと酒飲みながらゲラゲラ笑ってネタにしてしまえばまあ無かったことにできるだろうくらいのつもりで観に行ったんですけど

今井哲也 @imaitetsuya

そしたらこれが予想外にすごく良い映画でしてね。まさかマック赤坂の映像に圧倒されて帰るとは思いませんでしたね。ファンタジスタドール最終話の三連ドラムロールで泣かされてる自分、くらいのちょっと意味の分からない体験でしたね。

シロイト＠ @shiroito_110

@imaitetsuya まだやってたんですか！それは行かねば！

今井哲也 @imaitetsuya

まずとりあえず安心してほしいんですけど、2時間くらいの映画を最初から最後まで観ても、マック赤坂が何を考えてるのか最初から最後までマジでさっぱりわからないです。別に彼のことをちょっと見なおしたりとか、応援したくなってきたりとか、そういう気は、まったく、一切、全然起こらない

今井哲也 @imaitetsuya

途中何度か｢こいつただの変わった人くらいに思ってたけど想像以上にクズだわ･･･｣ってドン引きしたりはした

今井哲也 @imaitetsuya

@shiroito_110 異例のロングラン上映だそうです、ぜひぜひ

今井哲也 @imaitetsuya

ただすごいのが、演説してない時の素のマック赤坂本人はすごい普通の人なんですよ。どこにでもいそうなすごい普通のおっさん。まあ、わりとおっさんくさいおっさんなので子供の頃この人親戚にいたら新年会のときちょっと嫌かなーくらい。けど普通レベルのおっさん。

今井哲也 @imaitetsuya

政見放送が放送された日に、TVを観て自分の政見放送にリアクションしてる姿とか、秘書の人に教わりながらTwitterでの反応をエゴサーチする様子とか、すごい普通。

今井哲也 @imaitetsuya

そもそもこの人15年くらい伊藤忠商事で働いてて、そのあと自分の貿易会社を立ち上げて財産を築いてる（その会社は息子が継いで今でも普通に仕事をしてる）ので、社会人としてはいっぱしに普通でマトモなはずなんですよね。ところがその人が、選挙に出馬するときだけはなぜかあんな感じになる。

今井哲也 @imaitetsuya

あんな感じというのはこんな感じなんですけど。 "▶ マック赤坂・政見放送(2011年・大阪府知事選挙） - YouTube" http://t.co/pIqnfjeT91

今井哲也 @imaitetsuya

で、これを本人はネタとか計算でやってるわけではどうも無いんですよね。本当に本気で、この手法で有権者に訴えるのが選挙に当選するための最善の戦略だと、どうやらマジで信じてるらしい。少なくとも映像を観る限りそう見える。

今井哲也 @imaitetsuya

なんかそこに関することだけ、脳の思考回路が突然ポコッとブロックごと抜け落ちたか何かしたみたいに見える。一見普通のおっさんなだけに、どうしてそうなるのかがほんとに意味が分からなくて、映画を観てるおよそ2時間のあいだ｢何なんだこの人･･･何なんだ･･･｣ってずっとなってた

今井哲也 @imaitetsuya

なんかねー、ネットとかでよくいう｢マジキチ｣みたいなテンプレの言葉では包みきれないくらいにほんとになんかヘンなんですよ。ヘン。しかもこの映画に出てくる泡沫候補全員そういう感じの人。なんで立候補しようと思ったうえにこの方法で当選できると思ったのか本気で分からない。

今井哲也 @imaitetsuya

ただ、その意味分からない人が、意味の分からない信念の道をひたすら突き進む様子がひたすら映し出されるんですよ。それがなんかもうほんとに意味がわからないので、だんだんマック赤坂が有無をいわさぬ謎の迫力を帯びてくる。

今井哲也 @imaitetsuya

それでもまあ相変わらず意味分からないので、別にその熱意にほだされたりだんだんマックがいいやつに見えてきたりも一切しない（そのくらい意味がわからない）んですけど、何かわからないけどものすごい迫力のあるものを目の前につきつけられてるような感じになる。

今井哲也 @imaitetsuya

なんだ、さっきから意味分からないしか言ってないぞ･･･けどほんとになんか説明しづらいけどマック赤坂の意味わかんなさがすごかった映画なんだ･･･

今井哲也 @imaitetsuya

マック赤坂には彼の会社を継いだ息子がいたり、選挙カーを運転する秘書がいたりして、この二人がまたすごいまともで善良で頭の回転も早い上にめちゃめちゃキャラが立ってるすげーいい人たちなんですけど、もっとも身近にいる彼らもやっぱりマック赤坂の思考回路が本気でさっぱり理解できてないの。

今井哲也 @imaitetsuya

けど、どうやら彼が本気で真面目らしいというのだけははっきりわかるので、これはもうどうしようもない、止めようがないっていう感じの目で彼を見てる。そして一切をかえりみずに己の道を驀進するマック赤坂。

今井哲也 @imaitetsuya

この秘書と息子がほんといいキャラでね･･･これ以上はネタバレしたくない（マジでもったいない）のでぜひ映画館で見てほしいんですけどほんとにこの人いい人すぎる！ 好き！ っていう良いシーンがあるんですよ･･･

今井哲也 @imaitetsuya

ドキュメンタリーだから演出はあるかもしれないにしても基本実話（というか本人）なので、良いキャラとかいいシーンとか言っちゃうのはあれなんですけど、秘書の人と息子の人ほんとにいい人だった

今井哲也 @imaitetsuya

で何でしたっけ、そんなマック赤坂の意味分からない信念に、マジで意味分からないし共感も1ミリもできないけどなんかこう圧倒されるっていう謎体験をさせられるんですけど、とりわけ府知事選投票日前日（選挙戦最終日）の夜からラストシーンまでの一連のシーンはマジですごかった。

今井哲也 @imaitetsuya

マック赤坂が橋下徹陣営の最後の街頭演説会場に乗り込んでいって、大観衆からすさまじい罵声をあびるんですけど、そのあとカメラが撮ったマック赤坂の表情のカットがほんとにすごかった。